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第2章 新生活スタート
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しおりを挟む……ソレにしたって貴族の慣例を破ってまでパパとママは過剰といって良いくらいグレン兄さんを溺愛してるのかーー……。
前回の東の森でのモンスター討伐の時に俺がいなかった場合。
ランプ(赤)の血液と言うか体液が原因で兄さんがゼノさんをメチャクチャに、しかも俺と同じように日付が変わるまで抱き潰していたはず。
あんな薄いテントを二重にしたところで色んな声が遮れるわけがないのだからあの場にいた人全員が中は見なくとも何が行われているのかすぐに理解できるはずだ。
そして王様から命じられただろう偵察の人が報告をして、ゼノさんはグレン兄さんを庇うために言いなりになって性奴隷みたいに扱われる。
俺からしたら現代みたいにボイスレコーダーが無いのだから証拠不十分なんだけど、簡単に説明するならこの国は王様の言うことは絶対と言う王様ゲームみたいな国なんだ。
王様が黒と言えば黒。黒いカラスを白と言えば全員が白と言う。
俺からしたらかなり危うい国だと思う。
だから騎士団全員がたとえ黙秘したとしても家族を殺すなど脅せばボロはきっと出るだろうし、出さなくても全員が黙秘したところでゼノさんを呼び出してこの家の取り壊しや騎士団全員不敬罪にして処刑とか酷い脅しをかければ彼は言いなりになると思う。
ソレが数年続いた後、グレン兄さんに堕ちたゼノさんの状況を晒して、更には脅して性奴隷みたいにしようとするのを止めるためにゼノさんは人知れず国を裏切って消息をたつ。
これが辞書るの言ってたゲームの序盤の動きになるはず。
まぁ、ゲームではゼノさんは髪を染め、片目を眼帯などして別人として現れるけどね……。
顔も声も背丈も全てそのままなのに何でかバレないと言うゲームの不思議。
裏切りの裏話がたしかグレン兄さんを手に入れる為だけにゼノさんは王様達、上役によってあれやこれやと性奴隷に堕とされるわけだ。
確かにゲームのゼノさんはお色気担当だった気がする。
……は、一先ず横に置いておいて。
つまり王様はグレン兄さんを何歳から付け狙ってるのか知らないけれども、今現在も手込めにしたいと思っていると言うことだよね。
イコール、パパ達はゲス王からグレン兄さんを守りたい一心で過剰なほど溺愛してる姿を見せつけているわけだ。
まぁ、親バカというか演技でもなんでもなく心の奥底から愛してるみたいだけども……。
お前ら、俺の愛してる可愛い息子に何かしたらわかってるよな!
……という周囲の貴族への脅しも含めて……。
なるほど。そう考えればパパが既にこの国を見限っていたのも納得だわなぁ……。
俺としてはこの国から出て小国として建ち上がっても良いし、隣国である帝国へ寝返っても良いと思う。
ただ心残りは第四王子を嫌々している兄、ただ一人なのだけど……。
パパもパパでこう言ったパーティーや舞踏会で招待されているだろう隣国の貴族とも交遊を深めてはタイミングを見計らっているのであろうし……。
正直に言えば俺の手伝える部分なんて本当に少ないと思う。
13歳の子供に出来ることなんて本当に少ないのは判ってるけど……。
でも、でも何も出来ないのは本当に悔しいんだよ……。
ギュッと毛布を握って一点を見つめているとミリアムが心配そうに見つめていた。
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