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第1章 気がつけば異世界
26※
しおりを挟むなだめるようにキスをされ、力が抜けた瞬間、唇は離れ、柔らかく解された入り口に指とは比べ物にならない太さのものがグッ、グッと入り込んでくる。中を拡げられる痛みと良いところを擦られる気持ちよさ。快感を高められた体を走るなんとも言えない刺激。思わずギュッと目を閉じた。
「すみません、痛かったですね……」
「ぅあ、グレンさん……。ちょっと待って……。おねが……っ! 俺、こう言うの初めてだから待っ──」
頬にチュッと軽くキスをされた。少し落ち着くまで待ってくれるみたいでありがたい。彼の太さ? 大きさ? に慣れてきた頃合いを見つけ、ゆっくりと引いて、ゆっくりと入ってきた。
ソレを何度も繰り返し、ゆっくりなせいか抜き差しされる感覚がハッキリわかるので恥ずかしくなる。それに彼が動く度にクチュクチュ、クプクプ? そんな小さく鳴る水音が聞こえて更に恥ずかしい。
あぁ、お父さん。お母さん。異世界でイケメンとチューですら初めてなのに俺は今、セックスなるものをしているようです──。今日は俺の初めて記念日ですかね──。
「……ん、……っ! はぁっ……ん……」
微かに震えながらも声に艶めいたものを混ぜ込み、快感と羞恥心に耐える俺の姿を見ながらグレンさんは小さく笑った。
「俺なんかとごめんなさい……」
「いいえ、もっと気持ちよくなりましょうね? そうしたらきっと治りますよ。気にしないで良いんですよ?」
そして腰を掴むなりいきなり強く打ち付けられた。その時にゴリッと前立腺を押し潰し、意思に反して大きく体を跳ねさせ、悲鳴に近い声をあげた。
俺の体なのにもう訳がわからないよ……っ!
それからというものグレンさんは抜き差しする速さを変え、今ではパンパンと何度も打ち付けてくる。俺はすがるように……。助けを求めるように大きな体にしがみついた。
「は、……は、は……んっ」
「ふふ、うん。気持ち、良いですね」
時間が経つにつれ耳に届く卑猥な音は次第に大きくなり、激しくなっていく突き上げに喘ぐしかない俺の口。なにも考えられないくらいに感じてしまっているのはバレバレなので反論もできない。──いや、そもそも反論する間を与えてもらえない。
「んっ、んっ、ダメ……。も、イ……っあ!」
荒くなった呼吸に反して自身を見れば精液は出るどころか透明ななにかがコプコプと溢れ出て、性器をつたうように流れている。なのにどうしてなのか……。萎えるどころか逆に主張している。俺が達して少しあとにグレンさんも達したのか、中へと放たれた。
「な、で……」
腹の中はグレンさんが放ったのが分かるくらい熱い。でもなんであんなに気持ちよかったのに精液でないの? あ、全部出たんだっけ?
なのになんで、俺、萎えてないの!?
しかも、そもそももう精液を出し尽くしたというのに媚薬というか毒が消えてないのーーっ!? 遅効性の強い発情を促すって言ってたけどこれは強すぎないか? え、このクソゲー、モンスターが強いけどこんなオプション的な18禁の毒成分まで、全てに関して強いの? 猛毒だったら即死ってこと? 麻痺だったら長時間硬直してるようなものなの? 睡眠は麻酔みたいなものなの?
こぉんのっ、クソゲーがぁぁぁーーーーっ!
そんなことを思っているとグレンさんはゆったりとした動作で俺の体を抱き寄せ、そして長いことキスをした。
「んっ、んは……」
「さぁ、もっと気持ちよくなりましょうか……。今度はちゃんと前も触ってあげますからね?」
グレンさんにキスしながら横に寝かせられ、そして片足を肩に乗せるようにした格好にされると中に収まったままの彼の肉棒はまたゆっくりとギリギリまで抜いては奥へと入ってきた。
触手丸、今度見つけたらただじゃおかない! ムラマシャールがなっ!
◆
朝。ゆっくりと怠い体を起こして座ったまま髪をかきあげた。グレンさんは少し前に眠そうにしながらも身なりを整えて部屋を出ていった。
この村で数日分の食料を調達するらしく、頼んだものが届いているかの確認と、支払いのために立ち会わないといけないらしい。団長って色々と大変なんだなぁ……。
一人になって思い出すのは昨夜の情事。毒が体から消えたのは、時計の色がかなり変わったあとで、最終的には前を触らなくても達せるようになってた気がする。しかも俺からグレンさんに抱き付いてキスしてた。んで、もっと触ってってねだってた。
え、俺、普通のセックス出来るよね? 女役じゃないとイケないダメな体になってないよね? 俺、普通の男子高校生だよねっ!?
困惑しつつも目に入るのはあんなに汚れた体は綺麗にされ、精液や先走り、それに潮みたいな? いろんな体液で濡れに濡れ、汚れに汚れたシーツは魔法なのか綺麗になっていた。しかも起きた時は海外の映画みたいに真っ裸で抱き合って寝てた……。
初めてだったのに……。ファーストキスの後、その日の内に処女喪失とか死ねる!
くそぉ! アレもコレも原因はムラマシャール! お前だろうが! 恨めしく刀を睨むと「そんなの知らないもーん!」と言ってそっぽ向かれた気がした。せめて戦い方をどうにかして? お願いだから……。
とりあえずクリーン(蒸しタオル)。クリーン(シャンプー)。ドライ(ナノイオンドライヤー)。ついでに。クリーン(トイレ)。シーツにもクリーン(洗濯物)。俺の服にもクリーン(洗濯物)。
…………柔らかい。洗い立て風のシャツが気持ちいい。ただ、袖を通したときに一瞬だけピクッと体が震えた。
俺の体、本当に大丈夫だよねっ!?
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