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5.外伝
外伝① ロジャーの結婚04
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「皇帝陛下はいつからあんな風に変わったんですか?」
皇帝への謁見が終わった後、少し二人きりになる時間ができたので、レティシアは思い切って尋ねてみた。
「なんでいきなりそんなことを聞くんだよ?」
ロジャーは明らかに動揺して持っていたティーカップを取り落としそうになった。ロジャーが動揺するなんて珍しい。
「リリー様から家族の仲を取り持ってくれた友人がいると聞いたの。それまでは親子でもとっつきにくかったって。そういえば、殿下も最初から兄妹仲がよかったわけじゃないっておっしゃってましたよね」
「リリーのお喋りめ……前にマール王国の留学生がうちに滞在したことがあって、そいつが色々引っ掻き回したんだよ」
「その方のこと好きだったとか?」
「ばっ……バカ言うな! なんでそんな話になるんだよ!?」
ロジャーは耳まで真っ赤になって反論した。完全無欠の皇太子がそこまでうろたえるのがレティシアはおかしくてたまらなかった。
「だってその方は女性だと聞いてるわ。そこまで世話になった女性なら特別な思いを抱いても何ら不思議ではないし。おまけに殿下はありきたりの女性では満足なさらないでしょう? これらの事実を突き合せれば、結論はおのずと出てきます」
レティシアは自分が名探偵になったつもりで言った。
「別にそんなんじゃないよ……向こうは最初から俺のこと何とも思ってなかったし……第一今は他人の婚約者だぞ。まあ、家族の仲を取り持ってくれたり色々恩があるから感謝してるだけ」
レティシアの推理は当たったらしい。今までロジャーに一杯食わされてばかりだったので、初めて反撃できたように思えて気分がよかった。
「大丈夫ですよ。これは私と殿下だけの秘密ですから。契約終了になっても黙っています」
「仮にレティが喋ったとしても誰も信用しないだろうけどな、俺が女に振られたなんて」
余りに自信満々で驚くが、それが嫌味に見えないのがロジャーという人物だった。こんなセリフを吐いても許されるのはさすがとしか言いようなかった。
**********
数日後、レティシアが開校を目指す学校をロジャーも見に行ってくれることになった。「実際に見なくちゃ金は出せないからな?」と言っていたが、多忙なスケジュールを調整して時間を作ってくれたことにレティシアは感謝した。
学校の建物は建設途中で止まっていた。建設費用が足りなくて工事が中断しているのだ。
「このままではいつになったら開校するか分かったもんじゃないなあ」
ロジャーは辺りを見回しながら言った。皇太子がこんなところに来るとは誰も思わなかったので、あっという間に野次馬の人だかりができた。
「レティシアと共同で事業に携わっている、メラニー・ライスです。よろしくお願いします」
髪をひっつめ眼鏡をかけた女性がロジャーに挨拶した。レティシアとは学院からの友人で、この他に数人のメンバーがいる。
「なあ、この分じゃ開校までにずいぶん時間がかかるんじゃないのか。いくら慈善事業とはいえ、ここで学ぶ子供のことを考えてやれよ。必要資金が集まったんだから早急に工事を進めないと」
ロジャーは段取りの悪さが気になるようだった。確かに、彼から見たら色々不備な点は多いだろう。レティシアよりはるかに高いレベルで似たような事業に携わっているのだから経験の差が違う。
「すぐに工事業者に発注します。お金の心配はなくなったのだからあとはスムーズに進むはずです」
「建物ができあがったらそこで終わりじゃない、上手に運営できなければすぐに駄目になってしまう。もう一つ作ることより、まずはここをうまく軌道に乗せることが大事だ」
ただの期間限定の婚約者に過ぎないとはいえ、ロジャーがこの件に興味を持ってくれるのは嬉しかった。ただお金を出してくれるだけで十分なのに、色々アドバイスまでしてもらった。お陰でレティシアたちだけでは思いつかない課題が色々見つかった。
しかし、他のメンバーはそう思わなかったようだ。後日、メラニーがレティシアにこんなことを言った。
「資金提供を受けたことはよかったけれど、これが皇太子の手柄になるのは困るの。途中からお金を出して乗っ取る形になるのは。ちょっとみんなも困ってる」
他のメンバーも喜んでいると勝手に思っていたレティシアは、予想外のことを言われて驚いてしまった。
「殿下はそんなこと少しも考えてないわ。自分の名前を学校名に入れろとかそんな要求もしてないし。視察に来たのだってただ興味持ってくれたからよ。第一誰の手柄になっても子供たちが喜べば関係ないじゃない?」
「そもそも、国が率先してやるべき事業なのに貧困層をないがしろにしているから私たちがやっているのよ。それを今になって自分の手柄にだなんて虫がいいにもほどがあるのよね……」
「困ったところを助けていただいたのにそんな言い方……それに貧困層をないがしろにしているわけでもないと思う。確かに手が回らないところもあるかもしれないけど……興味があるからこそ視察にも来てくださったのだと思うわ」
「確かにあなたは皇太子の婚約者ですものね。ロジャー殿下に肩入れするのも分かるわ。でも昔からこの事業を応援してくれた人たちの中には国が介入することによく思わない人もいるの。その人たちにも配慮しなきゃ」
分からない。その「昔から応援してくれた人たち」は何か役立つことをしたのだろうか。そんなにロジャーの介入が嫌ならお金も貰わずに自分たちの力でやればいいのに。何より子供たちのことを思えばつまらないことを考えている場合じゃないとレティシアは思ったが、それ以上は考えるのをやめた。議論しても彼らと溝が深まるだけだったし、時間が経てば解決する問題だと気を取り直した。
それからまた数日が過ぎた。今度は、ロジャーに付き添って公式行事に参加することになった。皇太子妃教育は道半ばだったが、実践の機会は容赦なくやって来る。ロジャーの隣に立つ人間として十分な資質を備えているかレティシアは自信がなかったが、契約した以上やり遂げなければならなかった。
「なんかいつもより元気ないようだけどどうした? 具合でも悪いのか?」
レティシアは慌ててかぶりを振り、頑張って笑顔を作った。
「いいえ、別に。無事役割が果たせるかちょっと不安なだけ。でも大丈夫よ」
先日のことを話すわけにもいかず、レティシアは明るく振舞った。今日は孤児院の視察である。学校の話と関連性があるので、わざわざロジャーが誘ってくれたのかもしれない。そんなさりげない彼の優しさが身に染みた。実際、今後の活動に役立てそうな知見が得られてレティシアは満足だった。
視察が終わって、お手洗いに寄った時だった。個室から出ようとした時、手洗い場での会話が偶然耳に入りドアにかけた手を一瞬止めて聞き耳を立てた。
「ねー、皇太子殿下すごいハンサムだったわね、間近で見られてよかったー!」
「婚約者の方は地味だけどね。もっといい人いなかったのかしら」
レティシアが聞いていることも知らずに二人は会話していた。確かに、彼女らの言う通りだから仕方ないなと、レティシアは苦笑した。
「視察した以上補助金は出してくれるのよね?」
「ええ、大丈夫よ。ちょっと見ただけで全て分かった気になっているのは癪だけど、お金がもらえると思えば仕方ないわね」
「所詮偉い人なんてその程度よ。あの皇太子だって顔がいいだけで中身はまだまだなんじゃないの」
そう言って二人はキャッキャッと笑った。ロジャーが視察をするのにどれだけの準備をしていたかレティシアは知っていただけに、この物言いには腹が立った。外だけでなく中身も優秀であることは、そばにいれば簡単に分かることだった。
「どうした、レティ? 顔色が優れないが?」
帰りの車で隣に座っていたロジャーは、レティシアがいつもより元気ないことに気が付いた。
「そういえば、最初から少し様子が変だったけど、皇太子妃教育とかで疲れがたまったのかな? スケジュールを調整するように言おうか?」
「大丈夫よ。そうではないの。今日は有意義な話がたくさん聞けて楽しかったわ。ただ……あなたが物を知らないと思われるのは腹が立って……」
「なに? 俺のこと悪く言う奴でもいたのか? そんなのいつものことだから放っておけ。バカだと見くびられた方がこっちも好都合だからいいんだ。相手が油断するから」
「でも誤解されたままじゃ嫌じゃない?」
「別に。感謝されたいとか相手に認めてほしいとか考えたらキリがないよ。俺たちみたいのは恨まれてなんぼのところがあるから、バカにされるならマシな方だ。そういうのはもう慣れた」
いつもの調子を崩さないロジャーを見て、レティシアは複雑な気分になった。本人が慣れたと言っている通り、いつものことなのだろう。しかし、そんなことに慣れてほしくはなかった。そう思う一方で、期間限定の付き合いで自分に何ができるのかという考えが頭をよぎり、自分ごときが介入したところで何一つ解決しないことも理解していた。
**********
現在新作「没落令嬢の細腕繫盛記~こじらせ幼馴染が仲間になりたそうにこちらを見ています~」を投稿中です。異世界と言っても現実世界に近いヒストリカルですが、こちらもよろしくお願いします。
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「なんでいきなりそんなことを聞くんだよ?」
ロジャーは明らかに動揺して持っていたティーカップを取り落としそうになった。ロジャーが動揺するなんて珍しい。
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「だってその方は女性だと聞いてるわ。そこまで世話になった女性なら特別な思いを抱いても何ら不思議ではないし。おまけに殿下はありきたりの女性では満足なさらないでしょう? これらの事実を突き合せれば、結論はおのずと出てきます」
レティシアは自分が名探偵になったつもりで言った。
「別にそんなんじゃないよ……向こうは最初から俺のこと何とも思ってなかったし……第一今は他人の婚約者だぞ。まあ、家族の仲を取り持ってくれたり色々恩があるから感謝してるだけ」
レティシアの推理は当たったらしい。今までロジャーに一杯食わされてばかりだったので、初めて反撃できたように思えて気分がよかった。
「大丈夫ですよ。これは私と殿下だけの秘密ですから。契約終了になっても黙っています」
「仮にレティが喋ったとしても誰も信用しないだろうけどな、俺が女に振られたなんて」
余りに自信満々で驚くが、それが嫌味に見えないのがロジャーという人物だった。こんなセリフを吐いても許されるのはさすがとしか言いようなかった。
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数日後、レティシアが開校を目指す学校をロジャーも見に行ってくれることになった。「実際に見なくちゃ金は出せないからな?」と言っていたが、多忙なスケジュールを調整して時間を作ってくれたことにレティシアは感謝した。
学校の建物は建設途中で止まっていた。建設費用が足りなくて工事が中断しているのだ。
「このままではいつになったら開校するか分かったもんじゃないなあ」
ロジャーは辺りを見回しながら言った。皇太子がこんなところに来るとは誰も思わなかったので、あっという間に野次馬の人だかりができた。
「レティシアと共同で事業に携わっている、メラニー・ライスです。よろしくお願いします」
髪をひっつめ眼鏡をかけた女性がロジャーに挨拶した。レティシアとは学院からの友人で、この他に数人のメンバーがいる。
「なあ、この分じゃ開校までにずいぶん時間がかかるんじゃないのか。いくら慈善事業とはいえ、ここで学ぶ子供のことを考えてやれよ。必要資金が集まったんだから早急に工事を進めないと」
ロジャーは段取りの悪さが気になるようだった。確かに、彼から見たら色々不備な点は多いだろう。レティシアよりはるかに高いレベルで似たような事業に携わっているのだから経験の差が違う。
「すぐに工事業者に発注します。お金の心配はなくなったのだからあとはスムーズに進むはずです」
「建物ができあがったらそこで終わりじゃない、上手に運営できなければすぐに駄目になってしまう。もう一つ作ることより、まずはここをうまく軌道に乗せることが大事だ」
ただの期間限定の婚約者に過ぎないとはいえ、ロジャーがこの件に興味を持ってくれるのは嬉しかった。ただお金を出してくれるだけで十分なのに、色々アドバイスまでしてもらった。お陰でレティシアたちだけでは思いつかない課題が色々見つかった。
しかし、他のメンバーはそう思わなかったようだ。後日、メラニーがレティシアにこんなことを言った。
「資金提供を受けたことはよかったけれど、これが皇太子の手柄になるのは困るの。途中からお金を出して乗っ取る形になるのは。ちょっとみんなも困ってる」
他のメンバーも喜んでいると勝手に思っていたレティシアは、予想外のことを言われて驚いてしまった。
「殿下はそんなこと少しも考えてないわ。自分の名前を学校名に入れろとかそんな要求もしてないし。視察に来たのだってただ興味持ってくれたからよ。第一誰の手柄になっても子供たちが喜べば関係ないじゃない?」
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「困ったところを助けていただいたのにそんな言い方……それに貧困層をないがしろにしているわけでもないと思う。確かに手が回らないところもあるかもしれないけど……興味があるからこそ視察にも来てくださったのだと思うわ」
「確かにあなたは皇太子の婚約者ですものね。ロジャー殿下に肩入れするのも分かるわ。でも昔からこの事業を応援してくれた人たちの中には国が介入することによく思わない人もいるの。その人たちにも配慮しなきゃ」
分からない。その「昔から応援してくれた人たち」は何か役立つことをしたのだろうか。そんなにロジャーの介入が嫌ならお金も貰わずに自分たちの力でやればいいのに。何より子供たちのことを思えばつまらないことを考えている場合じゃないとレティシアは思ったが、それ以上は考えるのをやめた。議論しても彼らと溝が深まるだけだったし、時間が経てば解決する問題だと気を取り直した。
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「なんかいつもより元気ないようだけどどうした? 具合でも悪いのか?」
レティシアは慌ててかぶりを振り、頑張って笑顔を作った。
「いいえ、別に。無事役割が果たせるかちょっと不安なだけ。でも大丈夫よ」
先日のことを話すわけにもいかず、レティシアは明るく振舞った。今日は孤児院の視察である。学校の話と関連性があるので、わざわざロジャーが誘ってくれたのかもしれない。そんなさりげない彼の優しさが身に染みた。実際、今後の活動に役立てそうな知見が得られてレティシアは満足だった。
視察が終わって、お手洗いに寄った時だった。個室から出ようとした時、手洗い場での会話が偶然耳に入りドアにかけた手を一瞬止めて聞き耳を立てた。
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「婚約者の方は地味だけどね。もっといい人いなかったのかしら」
レティシアが聞いていることも知らずに二人は会話していた。確かに、彼女らの言う通りだから仕方ないなと、レティシアは苦笑した。
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「ええ、大丈夫よ。ちょっと見ただけで全て分かった気になっているのは癪だけど、お金がもらえると思えば仕方ないわね」
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「どうした、レティ? 顔色が優れないが?」
帰りの車で隣に座っていたロジャーは、レティシアがいつもより元気ないことに気が付いた。
「そういえば、最初から少し様子が変だったけど、皇太子妃教育とかで疲れがたまったのかな? スケジュールを調整するように言おうか?」
「大丈夫よ。そうではないの。今日は有意義な話がたくさん聞けて楽しかったわ。ただ……あなたが物を知らないと思われるのは腹が立って……」
「なに? 俺のこと悪く言う奴でもいたのか? そんなのいつものことだから放っておけ。バカだと見くびられた方がこっちも好都合だからいいんだ。相手が油断するから」
「でも誤解されたままじゃ嫌じゃない?」
「別に。感謝されたいとか相手に認めてほしいとか考えたらキリがないよ。俺たちみたいのは恨まれてなんぼのところがあるから、バカにされるならマシな方だ。そういうのはもう慣れた」
いつもの調子を崩さないロジャーを見て、レティシアは複雑な気分になった。本人が慣れたと言っている通り、いつものことなのだろう。しかし、そんなことに慣れてほしくはなかった。そう思う一方で、期間限定の付き合いで自分に何ができるのかという考えが頭をよぎり、自分ごときが介入したところで何一つ解決しないことも理解していた。
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