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5.外伝
外伝① ロジャーの結婚01
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女には不自由しなかった。何でもできて完璧な前途有望の皇太子。自分に向けられた羨望と賛辞の言葉は、それ相応の努力をしてきた結果だから当然と受け止めている。しかし、完璧なはずなのに、自分が惚れた女に振り向いてもらえなかったのは余りに皮肉だと思った。
「殿下、お見合いの令嬢のリストを持ってまいりました。この中から気に入った方を選びお見合いをとのことです」
家来がうず高く積みあがった見合い写真を持ってきた。昔は姿絵を描いていたらしいが、今はそれよりも鮮明な写真が普及している。だから絵師の主観を入れずに容姿の評価がしやすい。ロジャーはきれいな女性を見慣れているから、家柄だけで選ばれた令嬢の写真を見ても心動かされることはなかった。彼が知りたいのは写真では分かり得ない内面なのだが。
「うーん……気が進まないな」
ロジャーは親を見ているので、結婚や家庭に期待はしていなかった。目的は子孫を残すことのみ。自分のような立場の者が家庭の幸せを望んでも仕方ないことだと割り切っていた。この人ならばという女性が一人いたが、その人は別の男を選んだ。特に未練があるわけではないが、その時点でこれ以上望めるべくはないと思っていた。
見合い写真を一通り眺めたが、どれも同じ顔に見えた。皇太子妃の座を射止めるべく、みんな最高の写真を送って来たのだろう。この1枚を撮るためにどれだけの努力をしたのかと想像すると、ロジャーはおかしくなった。こっちは毛ほどもその気はないのに。それなら一番冴えていない女性を選んでやろうじゃないか。どこから見ても平凡で目立たない人物。逃れられない運命に対するせめてものささやかな抵抗だった。駄目ならすぐに断ればいいが、少なくともその間だけはうるさく干渉されずに済む。いわば体のいい風除けだ。
「うん、これに決めた」
ロジャーは一枚の写真を手にして呟いた。澄ましているというより仏頂面という方がふさわしい表情が気に入った。そこには「レティシア・フィッツジェラルド」と名前が書いてあった。
**********
「レティ姉さん、この帽子借りていい? せっかく買ったのに使わないともったいないわ」
妹のサリーがまた勝手に部屋に入ったのを知り、レティシアはため息をついた。
「いいけど、私の部屋に勝手に入るなって言ったでしょう」
「はーい、分かったぁ。じゃあ行ってきます」
明るく社交的なサリーは友人と一緒に街に行くと言って出て行った。他に家に残っているのは、母と末妹のアリスだった。
「ねえ、私はいつになったら社交界デビューできるの? 同い年の友達はしているのに」
「今はレティのことで一杯で他に手が回らないのよ。お姉さんが片付いたらあなたのこともちゃんとやりますからね」
母とアリスの会話で自分が物のように扱われているのを聞いて、レティシアは腹が立った。本当は結婚なんてしたくないのだ。本当にやりたいことは、貧困地区に学校を作ることだった。そのための活動をしているが、なかなか資金が集まらない。それなのに、家柄だけはいいが財政難に陥っている実家を助けるために皇太子の婚約者候補の一人になれと言われた。渋るレティシアを両親は「ダメ元だから」と言って説得した。見合い写真を撮る時も散々愛想よくしろと言われたのに、どうしても気持ちが顔に出てしまった。周りは家柄も財産も美貌も兼ね備えた令嬢ばかりだ。まさか自分のようなものが本当に選ばれるはずがないと分かっているのに撮影をするのは苦痛だった。
「そんなに貧乏人の学校作りたいんだったら、お金持ちの男性と結婚してお金を出してもらえばいいじゃない」
「そんなことのために結婚するのは嫌よ。ちゃんと気に入った相手じゃないと」
それもあるが借りを作るのが嫌だったのだ。結婚のパートナーは対等でいたい、そんなプライドがレティシアの中にあった。
「気に入った相手なんてまだ夢見がちなことを言ってるのね。人は愛だけじゃ幸せになれない、お金がなくちゃ愛だって枯れるのよ」
まるで母の体験談を聞かされているように感じたので、レティシアは席を立って自室に行こうとした。誰もいないところでゆっくり本を読んでいる方がいい。そう思っていると父が慌てふためきながら帰って来た。
「おい、大変だぞ。レティシアはいるか!?」
「レティシアならここにいるじゃありませんか。どうしたんです? 騒々しい」
母がうっとおしそうに父を見ながら言った。
「ロジャー皇太子の見合い相手にレティシアが選ばれた!」
父の一言で、みな一瞬何があったのかとぴたっと止まったが、次の瞬間盆をひっくり返したように大騒ぎになった。母は興奮の余り「レティ、レティが、レティが」としか言えなくなったし、アリスは言葉にならずキャーキャー叫んでいる。一番反応が薄いのが本人だったが驚いてないわけがなかった。
(なぜ私が選ばれたの? もっと美しい人は他にいたはずなのに? 絶対にありえないわ)
頭の中が疑問符だらけで呆然として、身動きすら取れなかった。絶対裏に何かがある。そうとしか思えなかった。
**********
「できるだけ着飾ったけど、これでいいかしらね~あなたどう思う?」
「ん? そんなの別に関係ないだろ。結局物を言うのは家柄と財産だ」
「その財産がないから、美しく飾り立てるんじゃありませんか。従姉妹から借りたネックレスがよく似合ってるわよ、レティ」
父と母の会話を聞きながら、お人形のようにおめかしを施されたレティシアはため息をついた。お見合いだというのに自分のことなど誰も見ていない。こんな茶番早く終わりにしたい。一体どういう風の吹き回しで皇太子が自分を選んだのか知らないが、本人に会ったらいの一番にそれを聞いてやろうと思った。そうすれば、自分への好感度もかなり減るだろうと見越してのことだ。
「フィッツジェラルド伯爵、そして奥方とレティシア嬢、どうぞこちらへ」
王宮へ着いた彼らは、広い部屋へ通された。ここが顔合わせの場なのだ。贅沢な意匠をこらした宮殿はそれだけで一見の価値あったが、今はそれどころではなかった。
見合いの段階で皇帝が出てくることはないと知って、レティシアはほっとした。名君と名高い皇帝だが、威圧感だけで人を殺せるともっぱらの評判だったので会うのが怖かった。それに比べればまだ息子のロジャーの方が親しみやすいと聞いていた。
「ロジャー皇太子がお越しです」
レティシアたち3人は背筋をぴんと伸ばした。皇太子の姿形は知っているが間近で見るのは初めてだ。気乗りしなかったレティシアもさすがに緊張した。
大股で部屋に入って来たロジャーは、一言で言えば「国を統べる者」だった。国を治める者として生まれて来たかのように見えた。それほど全てにおいて非の打ち所がない完璧さだった。彼を見た瞬間、レティシアは「これはないな」と思えた。余りに次元が違いすぎる。
まず、父が挨拶をした。続いてレティシアが自己紹介をした。全て儀礼通りだ。この見合い自体が儀礼に過ぎないのだから、早く終わらせて自由の身になりたかった。ロジャーが「この娘は期待外れだ」と言ってくれればそれで済む。
ではお二人だけでご歓談をと言われ、父と母は別室へと移動した。レティシアはいよいよかと覚悟を決めた。対して、ロジャーの方は場慣れしているらしく、見合いの席くらいで緊張する性質ではなかった。確かに父の皇帝の補佐として何度も大舞台に立っているから当然ではあるのだが、その余裕が癇に障った。
「今日は来てくれてありがとう」
ロジャーがリラックスした様子で言った。外国から来た客をもてなす時の社交辞令と同じ調子だ。
「殿下には初めてお目にかかります。あの……不躾な質問であることは重々承知してますが、なぜ私を選んだのですか?」
どうせなら早く見切りをつけてもらおうと思った。最初から心証を良くすることなど考えていないレティシアは、単刀直入に切り出した。これにはさすがにロジャーも目を丸くした。
「……面白い質問をするね。なんでそんなことを思ったの? あなただって十分きれいですよ」
質問を質問で返されてしまった。レティシアはぐぐっと言葉に詰まった。
「じっ……自分より美しいご令嬢がたくさんいることは、わ……分かってます! その中で自分が選ばれるとは思ってません……! きっと他の理由があるとしか……!」
「もっと自分に自信を持つべきですよ。それに女性は顔だけじゃない。内面だって重要——」
「写真じゃ内面は分からないじゃないですか!」
そんな意味のない言葉はいらない。レティシアはたまらず声を上げた。のらりくらり交わすロジャーにだんだん腹が立ってきたのもあった。
「これは一本取られたな」
ロジャーはぼそっと呟いた。そんな反応が返ってくると思ってなかったのだ。若い女性はみな、自分を見てうっとりしたり、気に入ってもらおうという素振りを見せてきたのだから。今になって初めて見るかのように、レティシアの顔をまじまじと見つめた。しばらく見つめられてレティシアは落ち着かなかったが、しばらく経ってロジャーが意外なことを言いだした。
「ねえ、せっかくだから腹を割って話さないか?」
**********
ご無沙汰しております。当て馬キャラになってしまったロジャーが不憫なので、スピンオフを書くことにしました。真面目な学級委員長(?)キャラとの契約結婚ものです。またしばらくお付き合いください。
この度新作投稿しました。「没落令嬢の細腕繁盛記~こじらせ幼馴染が仲間になりたそうにこちらを見ています~」というお話です。売れ線を外した設定ばかりですが、前より恋愛色強めにしました。こちらも読んでくださると嬉しいです。
「殿下、お見合いの令嬢のリストを持ってまいりました。この中から気に入った方を選びお見合いをとのことです」
家来がうず高く積みあがった見合い写真を持ってきた。昔は姿絵を描いていたらしいが、今はそれよりも鮮明な写真が普及している。だから絵師の主観を入れずに容姿の評価がしやすい。ロジャーはきれいな女性を見慣れているから、家柄だけで選ばれた令嬢の写真を見ても心動かされることはなかった。彼が知りたいのは写真では分かり得ない内面なのだが。
「うーん……気が進まないな」
ロジャーは親を見ているので、結婚や家庭に期待はしていなかった。目的は子孫を残すことのみ。自分のような立場の者が家庭の幸せを望んでも仕方ないことだと割り切っていた。この人ならばという女性が一人いたが、その人は別の男を選んだ。特に未練があるわけではないが、その時点でこれ以上望めるべくはないと思っていた。
見合い写真を一通り眺めたが、どれも同じ顔に見えた。皇太子妃の座を射止めるべく、みんな最高の写真を送って来たのだろう。この1枚を撮るためにどれだけの努力をしたのかと想像すると、ロジャーはおかしくなった。こっちは毛ほどもその気はないのに。それなら一番冴えていない女性を選んでやろうじゃないか。どこから見ても平凡で目立たない人物。逃れられない運命に対するせめてものささやかな抵抗だった。駄目ならすぐに断ればいいが、少なくともその間だけはうるさく干渉されずに済む。いわば体のいい風除けだ。
「うん、これに決めた」
ロジャーは一枚の写真を手にして呟いた。澄ましているというより仏頂面という方がふさわしい表情が気に入った。そこには「レティシア・フィッツジェラルド」と名前が書いてあった。
**********
「レティ姉さん、この帽子借りていい? せっかく買ったのに使わないともったいないわ」
妹のサリーがまた勝手に部屋に入ったのを知り、レティシアはため息をついた。
「いいけど、私の部屋に勝手に入るなって言ったでしょう」
「はーい、分かったぁ。じゃあ行ってきます」
明るく社交的なサリーは友人と一緒に街に行くと言って出て行った。他に家に残っているのは、母と末妹のアリスだった。
「ねえ、私はいつになったら社交界デビューできるの? 同い年の友達はしているのに」
「今はレティのことで一杯で他に手が回らないのよ。お姉さんが片付いたらあなたのこともちゃんとやりますからね」
母とアリスの会話で自分が物のように扱われているのを聞いて、レティシアは腹が立った。本当は結婚なんてしたくないのだ。本当にやりたいことは、貧困地区に学校を作ることだった。そのための活動をしているが、なかなか資金が集まらない。それなのに、家柄だけはいいが財政難に陥っている実家を助けるために皇太子の婚約者候補の一人になれと言われた。渋るレティシアを両親は「ダメ元だから」と言って説得した。見合い写真を撮る時も散々愛想よくしろと言われたのに、どうしても気持ちが顔に出てしまった。周りは家柄も財産も美貌も兼ね備えた令嬢ばかりだ。まさか自分のようなものが本当に選ばれるはずがないと分かっているのに撮影をするのは苦痛だった。
「そんなに貧乏人の学校作りたいんだったら、お金持ちの男性と結婚してお金を出してもらえばいいじゃない」
「そんなことのために結婚するのは嫌よ。ちゃんと気に入った相手じゃないと」
それもあるが借りを作るのが嫌だったのだ。結婚のパートナーは対等でいたい、そんなプライドがレティシアの中にあった。
「気に入った相手なんてまだ夢見がちなことを言ってるのね。人は愛だけじゃ幸せになれない、お金がなくちゃ愛だって枯れるのよ」
まるで母の体験談を聞かされているように感じたので、レティシアは席を立って自室に行こうとした。誰もいないところでゆっくり本を読んでいる方がいい。そう思っていると父が慌てふためきながら帰って来た。
「おい、大変だぞ。レティシアはいるか!?」
「レティシアならここにいるじゃありませんか。どうしたんです? 騒々しい」
母がうっとおしそうに父を見ながら言った。
「ロジャー皇太子の見合い相手にレティシアが選ばれた!」
父の一言で、みな一瞬何があったのかとぴたっと止まったが、次の瞬間盆をひっくり返したように大騒ぎになった。母は興奮の余り「レティ、レティが、レティが」としか言えなくなったし、アリスは言葉にならずキャーキャー叫んでいる。一番反応が薄いのが本人だったが驚いてないわけがなかった。
(なぜ私が選ばれたの? もっと美しい人は他にいたはずなのに? 絶対にありえないわ)
頭の中が疑問符だらけで呆然として、身動きすら取れなかった。絶対裏に何かがある。そうとしか思えなかった。
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「できるだけ着飾ったけど、これでいいかしらね~あなたどう思う?」
「ん? そんなの別に関係ないだろ。結局物を言うのは家柄と財産だ」
「その財産がないから、美しく飾り立てるんじゃありませんか。従姉妹から借りたネックレスがよく似合ってるわよ、レティ」
父と母の会話を聞きながら、お人形のようにおめかしを施されたレティシアはため息をついた。お見合いだというのに自分のことなど誰も見ていない。こんな茶番早く終わりにしたい。一体どういう風の吹き回しで皇太子が自分を選んだのか知らないが、本人に会ったらいの一番にそれを聞いてやろうと思った。そうすれば、自分への好感度もかなり減るだろうと見越してのことだ。
「フィッツジェラルド伯爵、そして奥方とレティシア嬢、どうぞこちらへ」
王宮へ着いた彼らは、広い部屋へ通された。ここが顔合わせの場なのだ。贅沢な意匠をこらした宮殿はそれだけで一見の価値あったが、今はそれどころではなかった。
見合いの段階で皇帝が出てくることはないと知って、レティシアはほっとした。名君と名高い皇帝だが、威圧感だけで人を殺せるともっぱらの評判だったので会うのが怖かった。それに比べればまだ息子のロジャーの方が親しみやすいと聞いていた。
「ロジャー皇太子がお越しです」
レティシアたち3人は背筋をぴんと伸ばした。皇太子の姿形は知っているが間近で見るのは初めてだ。気乗りしなかったレティシアもさすがに緊張した。
大股で部屋に入って来たロジャーは、一言で言えば「国を統べる者」だった。国を治める者として生まれて来たかのように見えた。それほど全てにおいて非の打ち所がない完璧さだった。彼を見た瞬間、レティシアは「これはないな」と思えた。余りに次元が違いすぎる。
まず、父が挨拶をした。続いてレティシアが自己紹介をした。全て儀礼通りだ。この見合い自体が儀礼に過ぎないのだから、早く終わらせて自由の身になりたかった。ロジャーが「この娘は期待外れだ」と言ってくれればそれで済む。
ではお二人だけでご歓談をと言われ、父と母は別室へと移動した。レティシアはいよいよかと覚悟を決めた。対して、ロジャーの方は場慣れしているらしく、見合いの席くらいで緊張する性質ではなかった。確かに父の皇帝の補佐として何度も大舞台に立っているから当然ではあるのだが、その余裕が癇に障った。
「今日は来てくれてありがとう」
ロジャーがリラックスした様子で言った。外国から来た客をもてなす時の社交辞令と同じ調子だ。
「殿下には初めてお目にかかります。あの……不躾な質問であることは重々承知してますが、なぜ私を選んだのですか?」
どうせなら早く見切りをつけてもらおうと思った。最初から心証を良くすることなど考えていないレティシアは、単刀直入に切り出した。これにはさすがにロジャーも目を丸くした。
「……面白い質問をするね。なんでそんなことを思ったの? あなただって十分きれいですよ」
質問を質問で返されてしまった。レティシアはぐぐっと言葉に詰まった。
「じっ……自分より美しいご令嬢がたくさんいることは、わ……分かってます! その中で自分が選ばれるとは思ってません……! きっと他の理由があるとしか……!」
「もっと自分に自信を持つべきですよ。それに女性は顔だけじゃない。内面だって重要——」
「写真じゃ内面は分からないじゃないですか!」
そんな意味のない言葉はいらない。レティシアはたまらず声を上げた。のらりくらり交わすロジャーにだんだん腹が立ってきたのもあった。
「これは一本取られたな」
ロジャーはぼそっと呟いた。そんな反応が返ってくると思ってなかったのだ。若い女性はみな、自分を見てうっとりしたり、気に入ってもらおうという素振りを見せてきたのだから。今になって初めて見るかのように、レティシアの顔をまじまじと見つめた。しばらく見つめられてレティシアは落ち着かなかったが、しばらく経ってロジャーが意外なことを言いだした。
「ねえ、せっかくだから腹を割って話さないか?」
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ご無沙汰しております。当て馬キャラになってしまったロジャーが不憫なので、スピンオフを書くことにしました。真面目な学級委員長(?)キャラとの契約結婚ものです。またしばらくお付き合いください。
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