【完結】忘れられた王女は獣人皇帝に溺愛される

雑食ハラミ

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第33話 ラヴァトイドとラピスナス

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王が掲げたのは毒々しいほどに赤い石がはめ込まれたペンダント。ロザリンドは、これが何の意味を持つのか分からなかったが、他の二人の反応からよくないものであることは察せられた。

「そう、これは柘榴紅ラヴァトイドだ。全部破壊されたはずだが一個だけ残っていたんだよ。これを発見してから今回の計画を考えた。これさえあれば再び人間が異能の力を制することができる」

だから圧倒的な力を持つはずのリゲルが人間に虐げられてきたのか。やっと腑に落ちた。リゲルが抵抗しようとすると、この柘榴紅ラヴァトイドが光って異能の力を封じられる。こうして、無理やり彼を従わせてきたのだ。

それを見たリゲルは、美しい顔をこれ以上なく醜く歪ませ、汚いものを見るような目で国王を睨んだ。憎悪で殺せるならばそうしかねない勢いだ。

「そんなものに屈すると思っているのか、この人間風情が!」

リゲルは瞬時に白いライオンの姿になると国王の喉笛めがけて一瞬で飛びかかる。が、それより早く柘榴紅ラヴァトイドが光り、リゲルはぴたっと動きを止めた。そして苦しそうな唸り声を上げながら地面に倒れてのたうち回った。

「リゲル! どうした!」

レグルスが叫ぶ傍らで、国王は目をらんらんと輝かせながら、苦しむリゲルを見て興奮した。

「やはり本物だった……! これで白ライオンを操ることができる! のこのこ現れるとは油断したな! 前のように悪いようにはしないから心配するな!」

「父上、どうかやめて下さい! お願いします!」

「ロザリンド、お前には申し訳ないことをしたと思っている。だが、娘一人と国益を天秤にかけざるを得ないのだ。許してくれとは言わない。恨んでくれていい。でも譲る気はない」

ロザリンドの中で最後の糸がぷつんと切れた。この人をまだ父と思っていた自分にも驚いたが、それももう終わりだ。彼女は懐から青いペンダントを取り出した。デザインは、国王の持っているものとそっくりである。ただし、はめ込まれた石だけが違っていた。

「レグルス、これをリゲルに飲ませて」

「ロザリンド、これは!? 一体どこで?」

「説明はあと! リゲルが危ない!」

レグルスはのたうち回るリゲルのところに行って青い石がはめられたペンダントを口に含ませた。すると、リゲルの動きがぴたっと止まった。

「リゲル……?」

みなが固唾を飲んで見守る中、リゲルはすくっと立ち上がった。国王の手にある柘榴紅ラヴァトイドも輝きを失っている。石の効果を封じ込めたのだ。

「何を飲ませた?」

「異能封じを無力化する石、瑠璃藍ラピスナスよ。これでリゲルは無敵になった。もう誰も彼を止められはしない」

静かに告げるロザリンドを、国王は穴の開くほど見つめた。

「一体これをどこで?」

「カッサンドラ様の形見だったの。他の人に託したものを私が譲り受けた。瑠璃藍ラピスナスの意味は、添えられていた手紙に書いてあったわ。リゲルを救出した時にこれを使ったみたい。異能持ちの獣人を拷問したり操ったりする時に使う柘榴紅ラヴァトイドとそれを無力化する瑠璃藍ラピスナス。人間はこの柘榴紅ラヴァトイド瑠璃藍ラピスナスを使い分けて獣人の異能を我が物にしようとした。こんなの全部なくなってしまえばいい」

そう語るロザリンドの目は座っていた。カッサンドラの手紙に詳しい経緯が書かれていた。カッサンドラの祖国はリゲルを最後に飼っていたところだ。彼女は輿入れする時に瑠璃藍ラピスナスを譲り受けたらしい。柘榴紅ラヴァトイド瑠璃藍ラピスナスは世界に数個しか存在していないが、これのせいで異能を持つ獣人は、人間に搾取されていたのだ。

しかし、リゲルの意識はまだ正常に戻っていなかった。もう人型に戻ってもいいのに、ライオンの姿のままで息が荒く、目の焦点も定まっていない。レグルスが最初にリゲルの異変に気付いた。

「どうした、リゲル? もう大丈夫だ。元に戻っていいんだよ」

レグルスが優しく声をかけたにも関わらず、リゲルは大きな声でがなると、そのまま扉を蹴破って部屋の外に飛び出した。

「まずい! 大きな負荷がかかって錯乱状態になっている! すぐに止めないと!」

レグルスはロザリンドをその場に残したまま急いでリゲルを追いかけて行った。カルランス国王もそれに続く。ロザリンドは自分で車いすを押しながら、彼らの後に続いた。

レグルスは一目散に建物を飛び出し、近場の切り立った岩の上に立っていた。そして純白の毛を風にたなびかせながら空を仰ぎ、天まで轟く声でいなないた。

「リゲル! しっかりしろ! くそ!」

レグルスの叫びも虚しく、リゲルの咆哮は続く。すると、にわかに黒い雲が空を覆い、雷が鳴り響き、大粒の雨が降り出した。

リゲルは気候や天気を操作できる能力を持つ。そのうち雷が近くの木に当たり、つんざくような音を立てて木が真っ二つに割れた。割れたところから火柱が上がる。雨で濡れているにも関わらず、炎の勢いは増すばかりで、建物にも延焼しようとしていた。

「まずい! 今いる者たちで消火に当たれ! ロザリンドは危ないから安全な場所まで下がって!」

レグルスが的確な指示を飛ばす。しかし、リゲルのことが気になって、ロザリンドは後ろに下がることができない。雨に濡れたまま様子を伺っていると、レグルスが覚悟を決めた様子で前に踏み出し、自らもライオンに変身してリゲルの元に走って行った。

ライオン姿のレグルスを認めると、リゲルは更に低い唸り声を天に轟かせ、今度は雨が大粒のひょうに変化して、大きな音を立てて地面に落ちてきた。大粒の大量のひょうは、凶器のように地面をえぐり、大音量を響かせた。

「わーっ! 痛い! 痛い!」

消火活動をしている者から叫び声が上がる。火の勢いは一向に衰えることを知らない。ロザリンドは、建物の庇の下に避難したが、それでも二人か目が離せなかった。

ライオン姿のレグルスは、必死でリゲルを止めようと飛びかかって注意を惹く。しかし、リゲルはそんなレグルスの首元に歯を立て、がぶりと噛みついた。レグルスの首元が真っ赤に染まる。それでもレグルスは説得を辞めようとせず、リゲルにしがみついた。リゲルから何度攻撃されても、レグルスは決してあきらめようとしない。そのうち、彼の体は噛み傷だらけになって、至る所から出血していた。

「お願い! リゲル! もうやめて! 陛下が死んでしまう!」

「お前が瑠璃藍ラピスナスを飲ませた以上白ライオンは無敵だ。誰も彼を止めることはできない」

カルランスの国王がぽつりと呟く。先ほどの柘榴紅ラヴァトイド瑠璃藍ラピスナスはこの時のためにあるのだろう。獣人の異能が暴走した時にも柘榴紅ラヴァトイドを使えば鎮めることができる。しかし、それと拮抗する瑠璃藍ラピスナスを飲みこんで自分の体と融合させたリゲルは、完全無欠の存在になった。全てを破壊する前に正気に戻ってもらうしかない。

無数の稲光が空を彩る切り立った岩山の上で、侵しがたい気品を備えた白と黄金色のライオンがくんずほぐれつで争っている。これだけ見れば、荒々しくも厳かな宗教画のような眺めだ。しかし、このままではレグルスが危ない。水が血を洗い流すそばから、新しい血液がどくどくと吹き出している。レグルスの底知れない力を目の当たりにして、ロザリンドは息を飲んだが、常人離れしているリゲルの前ではそれでも形勢不利だった。どうか早く我に返って。彼女は知らず知らずのうちに両手を前で組み合わせて祈っていた。

二人、もとい二匹の争いは永遠に続くかに見えた。誰もが絶望に染まったその時、次第に雷が少なくなってきたことに気付く。ひょうも次第に小ぶりになり、辺りを支配していた轟音が静かになって来た。全てが止んで雲間から日が差してきたのは、それから間もなくのことだった。

はっとしてリゲルを見ると、真っ赤に燃えた目に光が宿っているのが分かる。そして、ゆっくりと変身を解いて人間の姿に戻った。それを見届けたレグルスも人型に戻る。レグルスは、全身鮮血に染まっており、肩で大きく息をしていたかと思うとふらっと倒れかけた。慌ててリゲルがレグルスの体を支える。ロザリンドも慌てて車いすから立ち上がり、レグルスの元へ駆け寄った。

「陛下! 大丈夫ですか!?」

まだ体力が戻ってないがそんなこと言ってられない。足場の悪い地面をよろけながら進む。大した距離ではないのにすぐに息が上がり体がふらついたが、まだレグルスの所へは届かない。あともう少しというところで足がもつれて転び、立ち上がる力もないのでそのままでこぼこした岩場を這って進み、やっとレグルスの元にたどり着いた

「陛下! 陛下! 大丈夫ですか! 今すぐに治療させますので!」

レグルスは痛みに顔を歪ませていたが、泥だらけの顔のロザリンドを見ると笑みを浮かべた。

「大丈夫だよ。見た目は派手だが大したことはない。我を失っていてもリゲルは手加減してくれた。そういう奴なんだ」

「今は喋るな。すぐに医者が来る。二人ともすまない。僕のせいで危ない目に遭わせてしまった」

「違う。あなたのせいじゃない。今回瑠璃藍ラピスナスを取り込んだことで、例え柘榴紅ラヴァトイドがまだ世界に残っているとしても一生怯えなくて済むわ。これはカッサンドラ様の願いでもあったの」

「え、カッサンドラ!?」

ここで意外な名前が出て来て、リゲルは、はっとしてロザリンドを見せた。

「彼女の日記帳の中に瑠璃藍ラピスナスが入っていて、そこに手紙もあった。何かあった時のために持って来といてよかった。帰ったら二人にも見せるから」

ここまで言うと、ロザリンドは急に咳込み、顔すら上げることができなくなり地面に突っ伏した。泥まみれの体はびしょぬれで氷のように冷え込み消耗が激しい。この中では唯一無傷だったリゲルが、彼女を運ぼうとしたが——。

「待て。ロザリンドは私のものだ。例えリゲルでも指一本触れさせない」

「でもお前だって傷を負ってるじゃないか!」

「それでもだ。言っただろう、見た目ほどじゃないって」

レグルスはそう言うと、よろけながらもロザリンドの体を壊れ物のように大事に抱きかかえ、建物の方へと歩いて行った。無数の傷を負っているにも関わらず超人的な力を発揮する彼に、見ていた者は息を飲むことしかできない。気を失ったように目をつぶるロザリンドに愛おしい眼差しを向けながら歩いていると、カルランス国王に呼び止められた。

「これをロザリンドに飲ませてくれ。解毒剤だ。疑うのなら調べてくれて構わない。私はこんなものしかやれない」

その言葉には悔恨と悲哀がにじみ出ていた。レグルスはそれを黙って受け取ると、静かに建物の中に入って行った。



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