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第10話 異国の洗礼
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次にレグルスに会った時に、リゲルと会ったことを話そうと思ったロザリンドだったが、何日か会えない日が続いたらすっかり忘れてしまった。ほんの少しではあるが、彼に会ったことが後ろめたいような、そんな気持ちがないと言ったら嘘になる。そもそも、皇帝の兄なのに公にされない存在というのがおかしい。そんな彼に会ったと知られたら責められるのではないか、今まで他人に信じてもらう経験が乏しかったロザリンドはそんな風に考えてしまった。
それに加え、やることがたくさんあってどんどん押し流されていく。結婚式は延期になったが、時間はたっぷりあるので、ロザリンドの顔見世も兼ねた社交の場が設けられることになった。これからは、こういった社交行事の中心人物になることも少なくない。今まで仕える側だったロザリンドは、自分がどう振舞えばいいのか皆目見当がつかなかった。
「どうしましょう。ネコ科によるお茶会のお知らせですって。こういうのって種族ごとに分かれているの?」
招待状を見たロザリンドは、首をかしげながらハンナに尋ねた。ローテーブルには招待状の山ができている。全てに出席することはできないので、一つ一つ吟味して選ばないといけない。タルホディアの社交界事情はハンナに聞かなければ何も分からなかった。
「イエスともノーとも何とも言えません。獣人と一言で言っても、ネコ科やイヌ科など種族の違いがあるんです。ルーツが肉食か草食かでも違いますしね。でも、人間の習性と変わりませんし、今では耳の形が違うくらいです。本来、種族ごとに派閥を作ることは禁止されているんです。ただでさえ、外敵と戦わなければならないのに、内輪もめをしている暇はありませんからね。とはいえ人のやることですから完全に防ぐのは不可能です。ですから、ネコ科のお茶会のように、政治的な意図のないごく内輪のものであれば許容されています。実際、派閥ができる時は色んなレイヤーが関係してくるので、種族だけが物を言う世界ではありません」
ロザリンドは、うんうんと頷きながら真剣に聞いていた。今まで触れたことのない新しい世界だ。この国に骨を埋めるには、まだまだ知らないことがたくさんある。
「ただ、ロザリンド様がご出席なさるのでしたら、なるべく中道のスタンスのところを選んだほうがいいと思います。そのうち色んなところへ顔を出すようになるでしょうが、まだ様子見の段階なので」
そこで選んだのが「退役軍人夫人の会」だった。これなら似たようなものがカルランスにもある。ラッセル夫人の付き添いで社交場にはよく出入りしていたので、どういうものかは大体想像がつく。今度はもてなされる方の立場になるので同じようには考えられないが、何とかなるのではと漠然と考えていた。
しかし、実際に行ってみたら、早速異国に来た異邦人としての洗礼を浴びることになった。
「あら、レジーナ嬢もいらしていたとは。いつ見てもお美しい方だわ」
隣国からやってきた皇帝の婚約者として、会の中心人物になるのはロザリンドのはずだったが、予想外の人物に主役を奪われてしまった。いや、主役が誰かなんて本来はどうでもいいのだが相手が悪かった。今年20才になったばかりのレジーナ・サザーランドは、ロザリンドに決まる前は、レグルスの花嫁候補の筆頭だったと言う。
(どうして退役軍人夫人の会にこんな若い令嬢が来るの?)
それは、レジーナの父が退役軍人だかららしい。だからって、周りは妙齢の婦人ばかりなのに。レジーナがわざわざここに来たのは、どうやらロザリンドに会うのが目的らしかった。
「初めてお目にかかります。ロザリンド様。ぜひお会いしたいと思っておりました」
レジーナのルーツは豹らしく、耳だけでなく、流線形のような美しい体のラインがそれを雄弁に物語っていた。彫りの深い顔に長いまつ毛、ぱっと人目を惹く容姿はネコ科の特徴を備えており女優のように美しい。レグルスの隣に並び立つ者として、どちらがふさわしいか誰の目にも明らかだ。ロザリンドは、恥ずかしくて消え去りたい気持ちでいっぱいになった。
「こ、こちらこそよろしくお願いします」
普段ならもっと頭が働いてもう少しましなことが言えるのに。ロザリンドはすっかり委縮してしまった。元々自分に自信がないのに、これだけ完璧な令嬢と相まみえてしまっては、早くも勝負ありだ。これ以上顔を上げているのすら大義になってきた。
それからは、レジーナを中心に話の輪ができた。美容化粧品は何を使っているのか、そのドレスはどこでオーダーしたものか、最近気になっているスイーツの話など。
心にもないお世辞をどう交わそうかと身構えていたロザリンドは、周囲で愛想笑いをして相槌を打つその他大勢の一人になっていた。異国からやって来た花嫁候補なぞお呼びでないと言われたも同然だ。
そんなロザリンドだが、やっと話の輪に入れてもらえる時がやって来た。しかし、それは思いも寄らない話題だった。
「ロザリンド様はカルランスの第一王女と伺っていたのですが、カルランスの王宮に招かれた時はお会いしなかったのですが……?」
突然出自を聞かれる質問をされて、ロザリンドは頭が真っ白になった。堂々とその話を振られるとは思ってなかった。まさかここまでだったとはと言うのが正直な気持ちだ。見込みが甘かったとしか言いようがない。
「その……王女に戻ったのはごく最近なのです。その前は平民として働いてました」
「まあ! 働いていたなんてご苦労されたのね! でも一体どうして?」
一同はわざとらしく手や扇を口に当ててまあと驚いて見せた。
何と説明すればいいのだろう? 好奇の目がロザリンドに集中する中、脂汗を流しながら考える。母が処刑されて王位をはく奪されましたなどと、馬鹿正直に言えるわけがない。
「母が亡くなって後ろ盾を失ったのです。それからは母の実家に引き取られました」
「普通お母様が亡くなられても王位は関係ないはずよ? それともカルランスではそうなっているの?」
ロザリンドがこわばった表情のまま押し黙っていると、どこからかぷっと吹き出す声がしてこうたしなめた。
「まあまあ、ロザリンド様が困っているじゃないの。これ以上いじめるのはかわいそうよ。平民だった人を送ってよこすなんて、我が国の沽券に関わるとはいえ、本人に罪はないのだから」
その一言でロザリンドは解放された。ふっと緊張が解けた瞬間、周りの者たちから自分の一挙手一投足が面白がられていたことに気付く。真相を知った上でロザリンドの反応を楽しんでいたのだ。むきだしの悪意に触れてしまったショックで、これ以上この場に留まることすら苦痛で仕方ない。
こんな目にあっても、早めに暇を申し出る勇気はなかった。何とか残りの地獄のような時間を耐え忍び、ぐったりした状態でお茶会を後にする。すっかり憔悴した彼女を見て、出迎えたハンナは仰天した。
「一体何があったんですか? え? 過去のことを聞かれた? そんな、未来の皇后に何てことを!」
「ありがとう……私のためにそこまで怒ってくれて。あなたの存在はとても心強いわ」
「今日のことは陛下にも知らせましょう! お茶会の主催は誰? 責任を取らせるべきです! ロザリンド様を公然と侮辱するなんて、陛下への反逆行為に等しいです!」
ハンナは強く主張したが、ロザリンドは静かに首を横に振った。
「いいえ、どうか陛下には知らせないで欲しいの」
「でも、このままではロザリンド様が!」
「確かに、隠し事をするなと陛下には言われたわ。でも、陛下のご威光で上から押しつけるように黙らせても、内心では不満がくすぶったままで、決していいことにはならないと思う。何かいい方法があればいいんだけど……」
「でも……それじゃ陛下が可哀想……」
ハンナは長い耳を垂らし、消え入りそうな声で呟いたが、ロザリンドはそれを聞き逃さなかった。
「え? 今なんて言った?」
「いいえ、今のはお気になさらないでください。とにかく、ロザリンド様にはご自身の中にため込まず、積極的に周りを頼っていただきたいのです」
「それはもちろん。あなたという心強い相談相手がいるから、存分に頼らせていただくわ。ありがとう、気遣ってくれて」
ハンナが味方になってくれるのは嬉しいが、ロザリンドはふさぎ込んだままだった。結局、その日は早めに湯に浸かって疲れを取って就寝することにした。
その夜、ロザリンドは不思議な夢を見た。前に高熱が出た時に温かい動物にくるまれる夢を見たが、また同じ夢を見たのだ。ふかふかした毛に包み込まれ、涙で濡れる彼女の頬をぺろぺろと舐めてくれる。優しい温もりと天国のような心地よさに、悲しみがすーっと癒えていくのを感じた。獣人の国だからこのような夢を見るのだろうか。この国はまだまだ不思議なことがたくさんある。
朝目覚めた時は、彼女以外に誰の姿も見当たらなかった。ハンナに尋ねても知りませんの一点張りである。詳しいことは何も分からないが、ロザリンドの心は前日から大分持ち直していたのは確かだった。
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「どうしましょう。ネコ科によるお茶会のお知らせですって。こういうのって種族ごとに分かれているの?」
招待状を見たロザリンドは、首をかしげながらハンナに尋ねた。ローテーブルには招待状の山ができている。全てに出席することはできないので、一つ一つ吟味して選ばないといけない。タルホディアの社交界事情はハンナに聞かなければ何も分からなかった。
「イエスともノーとも何とも言えません。獣人と一言で言っても、ネコ科やイヌ科など種族の違いがあるんです。ルーツが肉食か草食かでも違いますしね。でも、人間の習性と変わりませんし、今では耳の形が違うくらいです。本来、種族ごとに派閥を作ることは禁止されているんです。ただでさえ、外敵と戦わなければならないのに、内輪もめをしている暇はありませんからね。とはいえ人のやることですから完全に防ぐのは不可能です。ですから、ネコ科のお茶会のように、政治的な意図のないごく内輪のものであれば許容されています。実際、派閥ができる時は色んなレイヤーが関係してくるので、種族だけが物を言う世界ではありません」
ロザリンドは、うんうんと頷きながら真剣に聞いていた。今まで触れたことのない新しい世界だ。この国に骨を埋めるには、まだまだ知らないことがたくさんある。
「ただ、ロザリンド様がご出席なさるのでしたら、なるべく中道のスタンスのところを選んだほうがいいと思います。そのうち色んなところへ顔を出すようになるでしょうが、まだ様子見の段階なので」
そこで選んだのが「退役軍人夫人の会」だった。これなら似たようなものがカルランスにもある。ラッセル夫人の付き添いで社交場にはよく出入りしていたので、どういうものかは大体想像がつく。今度はもてなされる方の立場になるので同じようには考えられないが、何とかなるのではと漠然と考えていた。
しかし、実際に行ってみたら、早速異国に来た異邦人としての洗礼を浴びることになった。
「あら、レジーナ嬢もいらしていたとは。いつ見てもお美しい方だわ」
隣国からやってきた皇帝の婚約者として、会の中心人物になるのはロザリンドのはずだったが、予想外の人物に主役を奪われてしまった。いや、主役が誰かなんて本来はどうでもいいのだが相手が悪かった。今年20才になったばかりのレジーナ・サザーランドは、ロザリンドに決まる前は、レグルスの花嫁候補の筆頭だったと言う。
(どうして退役軍人夫人の会にこんな若い令嬢が来るの?)
それは、レジーナの父が退役軍人だかららしい。だからって、周りは妙齢の婦人ばかりなのに。レジーナがわざわざここに来たのは、どうやらロザリンドに会うのが目的らしかった。
「初めてお目にかかります。ロザリンド様。ぜひお会いしたいと思っておりました」
レジーナのルーツは豹らしく、耳だけでなく、流線形のような美しい体のラインがそれを雄弁に物語っていた。彫りの深い顔に長いまつ毛、ぱっと人目を惹く容姿はネコ科の特徴を備えており女優のように美しい。レグルスの隣に並び立つ者として、どちらがふさわしいか誰の目にも明らかだ。ロザリンドは、恥ずかしくて消え去りたい気持ちでいっぱいになった。
「こ、こちらこそよろしくお願いします」
普段ならもっと頭が働いてもう少しましなことが言えるのに。ロザリンドはすっかり委縮してしまった。元々自分に自信がないのに、これだけ完璧な令嬢と相まみえてしまっては、早くも勝負ありだ。これ以上顔を上げているのすら大義になってきた。
それからは、レジーナを中心に話の輪ができた。美容化粧品は何を使っているのか、そのドレスはどこでオーダーしたものか、最近気になっているスイーツの話など。
心にもないお世辞をどう交わそうかと身構えていたロザリンドは、周囲で愛想笑いをして相槌を打つその他大勢の一人になっていた。異国からやって来た花嫁候補なぞお呼びでないと言われたも同然だ。
そんなロザリンドだが、やっと話の輪に入れてもらえる時がやって来た。しかし、それは思いも寄らない話題だった。
「ロザリンド様はカルランスの第一王女と伺っていたのですが、カルランスの王宮に招かれた時はお会いしなかったのですが……?」
突然出自を聞かれる質問をされて、ロザリンドは頭が真っ白になった。堂々とその話を振られるとは思ってなかった。まさかここまでだったとはと言うのが正直な気持ちだ。見込みが甘かったとしか言いようがない。
「その……王女に戻ったのはごく最近なのです。その前は平民として働いてました」
「まあ! 働いていたなんてご苦労されたのね! でも一体どうして?」
一同はわざとらしく手や扇を口に当ててまあと驚いて見せた。
何と説明すればいいのだろう? 好奇の目がロザリンドに集中する中、脂汗を流しながら考える。母が処刑されて王位をはく奪されましたなどと、馬鹿正直に言えるわけがない。
「母が亡くなって後ろ盾を失ったのです。それからは母の実家に引き取られました」
「普通お母様が亡くなられても王位は関係ないはずよ? それともカルランスではそうなっているの?」
ロザリンドがこわばった表情のまま押し黙っていると、どこからかぷっと吹き出す声がしてこうたしなめた。
「まあまあ、ロザリンド様が困っているじゃないの。これ以上いじめるのはかわいそうよ。平民だった人を送ってよこすなんて、我が国の沽券に関わるとはいえ、本人に罪はないのだから」
その一言でロザリンドは解放された。ふっと緊張が解けた瞬間、周りの者たちから自分の一挙手一投足が面白がられていたことに気付く。真相を知った上でロザリンドの反応を楽しんでいたのだ。むきだしの悪意に触れてしまったショックで、これ以上この場に留まることすら苦痛で仕方ない。
こんな目にあっても、早めに暇を申し出る勇気はなかった。何とか残りの地獄のような時間を耐え忍び、ぐったりした状態でお茶会を後にする。すっかり憔悴した彼女を見て、出迎えたハンナは仰天した。
「一体何があったんですか? え? 過去のことを聞かれた? そんな、未来の皇后に何てことを!」
「ありがとう……私のためにそこまで怒ってくれて。あなたの存在はとても心強いわ」
「今日のことは陛下にも知らせましょう! お茶会の主催は誰? 責任を取らせるべきです! ロザリンド様を公然と侮辱するなんて、陛下への反逆行為に等しいです!」
ハンナは強く主張したが、ロザリンドは静かに首を横に振った。
「いいえ、どうか陛下には知らせないで欲しいの」
「でも、このままではロザリンド様が!」
「確かに、隠し事をするなと陛下には言われたわ。でも、陛下のご威光で上から押しつけるように黙らせても、内心では不満がくすぶったままで、決していいことにはならないと思う。何かいい方法があればいいんだけど……」
「でも……それじゃ陛下が可哀想……」
ハンナは長い耳を垂らし、消え入りそうな声で呟いたが、ロザリンドはそれを聞き逃さなかった。
「え? 今なんて言った?」
「いいえ、今のはお気になさらないでください。とにかく、ロザリンド様にはご自身の中にため込まず、積極的に周りを頼っていただきたいのです」
「それはもちろん。あなたという心強い相談相手がいるから、存分に頼らせていただくわ。ありがとう、気遣ってくれて」
ハンナが味方になってくれるのは嬉しいが、ロザリンドはふさぎ込んだままだった。結局、その日は早めに湯に浸かって疲れを取って就寝することにした。
その夜、ロザリンドは不思議な夢を見た。前に高熱が出た時に温かい動物にくるまれる夢を見たが、また同じ夢を見たのだ。ふかふかした毛に包み込まれ、涙で濡れる彼女の頬をぺろぺろと舐めてくれる。優しい温もりと天国のような心地よさに、悲しみがすーっと癒えていくのを感じた。獣人の国だからこのような夢を見るのだろうか。この国はまだまだ不思議なことがたくさんある。
朝目覚めた時は、彼女以外に誰の姿も見当たらなかった。ハンナに尋ねても知りませんの一点張りである。詳しいことは何も分からないが、ロザリンドの心は前日から大分持ち直していたのは確かだった。
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