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モーブルのひとりごと
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拝啓 テスカ家の皆さま
お久しぶりです。皆さまお元気でしょうか?
今年もテスカ領のワインを送ってくださりありがとうございます。
今年のものもとても甘味が強くてとても美味しいと王様も喜んでおられました。
故郷のテスカ領が豊かになって僕もうれしいです。
僕は先日結婚30年を迎えて沢山の人たちにお祝いをしてもらいました。
カリタスは相変わらず僕に甘く仲良くしています。
3年前に世界中で大流行した流行病はカサブランカ王国ではエリクサーを作り誰が作ったかは秘匿として薬師に配り先日どうにか終息させることができました。
ホワイトローズ王国でも神子様が大活躍されたと聞きました。
神子様も沢山の平民をお救い出来るようになったと聞いてとても安心いたしました。
子供の頃に加護があることがわかって、それを隠して生きていくために僕はずっとひっそりと生きていくと思っていました。
それなのに大切な人ができて愛すること愛されることを知り、その愛する人に加護を受け入れてもらえて周りの人たちに祝福されて生きている。
僕は本当に幸せです。
また手紙を書きますね。
テスカ家の皆さまに愛を込めて。
モーブル・カサブランカ
手紙を書き終えて封蝋をする。
窓の外を見ると夕陽が差して部屋の中をオレンジ色に染め上げる……。
ふ……と前世の記憶が戻ってからの日々を思い出す。
雷の衝撃で前世の記憶が甦ったときは本当にビックリしたなぁ。
まさか自分がBL漫画の世界のモブになってるなんて思いもしなかった。
それにお話の中では全く絡みのなかったカリタスと結婚までするなんて……。
カリタスは不思議な人だ……まるでずっと昔から知っているかのような感覚になる時がある。
カリタスに抱かれた時に懐かしい感じがした。
身体中を愛撫される感覚が前世の奥さんに身体を開かれた時のようだったから。
奥さんは女という性別で身体は僕より小さいから、手も口も小さかった、カリタスはそれらが大きくなった状態で同じように僕の身体を開いていった。
何よりも驚いたのがカリタスのイチモツだ……。
前世では奥さんにイチモツがなかったためにディルドというイチモツを模した物を使っていた。
市販されているものは嫌だと自分で粘土を使って細部にこだわったディルド型を作り、オーダーメイドで作ったディルドを僕に使っていたんだけど、今思い出すと何故だかその形・大きさ共にカリタスのとそっくりだったんだ。
前世の僕の身体と、今のモーブルの身体は違うはずなのに同じところで同じように喘がされてしまって不思議な感覚がする。
まぁだからと言ってそれを何故か?と追求することもないけれど。
〈聖なる神子は白薔薇と共に〉の中で生きていたはずのモーブル・テスカとしての記憶は全くなくて、前世で読んだ漫画の中で誰とも会話を交わしたり接したりすることもなく時折姿を見せるだけだった僕は今の人生では全く違う、家族に愛されて周りの人たちにも慕ってもらえて何よりもカリタスという愛する人ができてその人に愛される……僕は今本当に幸せだ。
僕はモブだけどモブじゃなかった
お久しぶりです。皆さまお元気でしょうか?
今年もテスカ領のワインを送ってくださりありがとうございます。
今年のものもとても甘味が強くてとても美味しいと王様も喜んでおられました。
故郷のテスカ領が豊かになって僕もうれしいです。
僕は先日結婚30年を迎えて沢山の人たちにお祝いをしてもらいました。
カリタスは相変わらず僕に甘く仲良くしています。
3年前に世界中で大流行した流行病はカサブランカ王国ではエリクサーを作り誰が作ったかは秘匿として薬師に配り先日どうにか終息させることができました。
ホワイトローズ王国でも神子様が大活躍されたと聞きました。
神子様も沢山の平民をお救い出来るようになったと聞いてとても安心いたしました。
子供の頃に加護があることがわかって、それを隠して生きていくために僕はずっとひっそりと生きていくと思っていました。
それなのに大切な人ができて愛すること愛されることを知り、その愛する人に加護を受け入れてもらえて周りの人たちに祝福されて生きている。
僕は本当に幸せです。
また手紙を書きますね。
テスカ家の皆さまに愛を込めて。
モーブル・カサブランカ
手紙を書き終えて封蝋をする。
窓の外を見ると夕陽が差して部屋の中をオレンジ色に染め上げる……。
ふ……と前世の記憶が戻ってからの日々を思い出す。
雷の衝撃で前世の記憶が甦ったときは本当にビックリしたなぁ。
まさか自分がBL漫画の世界のモブになってるなんて思いもしなかった。
それにお話の中では全く絡みのなかったカリタスと結婚までするなんて……。
カリタスは不思議な人だ……まるでずっと昔から知っているかのような感覚になる時がある。
カリタスに抱かれた時に懐かしい感じがした。
身体中を愛撫される感覚が前世の奥さんに身体を開かれた時のようだったから。
奥さんは女という性別で身体は僕より小さいから、手も口も小さかった、カリタスはそれらが大きくなった状態で同じように僕の身体を開いていった。
何よりも驚いたのがカリタスのイチモツだ……。
前世では奥さんにイチモツがなかったためにディルドというイチモツを模した物を使っていた。
市販されているものは嫌だと自分で粘土を使って細部にこだわったディルド型を作り、オーダーメイドで作ったディルドを僕に使っていたんだけど、今思い出すと何故だかその形・大きさ共にカリタスのとそっくりだったんだ。
前世の僕の身体と、今のモーブルの身体は違うはずなのに同じところで同じように喘がされてしまって不思議な感覚がする。
まぁだからと言ってそれを何故か?と追求することもないけれど。
〈聖なる神子は白薔薇と共に〉の中で生きていたはずのモーブル・テスカとしての記憶は全くなくて、前世で読んだ漫画の中で誰とも会話を交わしたり接したりすることもなく時折姿を見せるだけだった僕は今の人生では全く違う、家族に愛されて周りの人たちにも慕ってもらえて何よりもカリタスという愛する人ができてその人に愛される……僕は今本当に幸せだ。
僕はモブだけどモブじゃなかった
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