愛されベータ

マロン

文字の大きさ
上 下
24 / 39

24 高人サイド⑤

しおりを挟む
 クリスマスに結ばれたあと、朔の心の状態が安定してきたのが見ているだけでも分かった。

 そうして少しずつ俺と一緒なら外へ出かけることができるようになっていった。

 買い物やカフェ、映画も言った。俺たちは本当に幸せだった。

 今でも思う。あの日出かけなければ良かった…。

 春休みに入ったある日、朝ご飯を食堂で食べてる時に駅前の本屋へ行こうと朔を誘った。

 ちょうど愛読しているミステリー小説の発売日だったのだ。

 すると一緒に食べていた悠斗が

 「僕これから駅前のホテルで商談があるんだ。午前で終わるからお昼を一緒にたべない?」

 というので昼にホテルの前で待ち合わせようという話になった。

 海里と3人で本屋へ向かう。

 お目当ての本は発売日ということで目立つ場所に平積みされていてすぐに見つかった。

 レジが混んでたから朔と海里は先に外で待っててもらった。

 レジを済ませ外へ出ると朔の様子がおかしい…近寄ると後退りして俺にぶつかった。

「どうした?朔?」と聞いて朔の見つめている方を向いた時息が止まった。

 そこには上位オメガが居た。

 目が合った瞬間ブワッとお互いのフェロモンが立ち上がった。

 コントロールしようにも抗えない瞬発力で立ち上るフェロモン。

 お互いが上位アルファと上位オメガだからフェロモンコントロールは上手く出来る…ただ運命の番と言われる相性のよいフェロモンはコントロールするのに時間とパワーがいるからお互い睨み合ってフェロモンを抑え込む。

 どうにか抑えてから慌てて朔を探すがそこには俺たちの威圧にやられたひとたちと悠斗に掴み掛かられている海里しかおらず、朔はいなくなっていた…。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

キサラギムツキ
BL
長い間アプローチし続け恋人同士になれたのはよかったが…………… 攻め視点から最後受け視点。 残酷な描写があります。気になる方はお気をつけください。

芽吹く二人の出会いの話

むらくも
BL
「俺に協力しろ」 入学したばかりの春真にそう言ってきたのは、入学式で見かけた生徒会長・通称β様。 とあるトラブルをきっかけに関わりを持った2人に特別な感情が芽吹くまでのお話。 学園オメガバース(独自設定あり)の【αになれないβ×βに近いΩ】のお話です。

黄色い水仙を君に贈る

えんがわ
BL
────────── 「ねぇ、別れよっか……俺たち……。」 「ああ、そうだな」 「っ……ばいばい……」 俺は……ただっ…… 「うわああああああああ!」 君に愛して欲しかっただけなのに……

初恋はおしまい

佐治尚実
BL
高校生の朝好にとって卒業までの二年間は奇跡に満ちていた。クラスで目立たず、一人の時間を大事にする日々。そんな朝好に、クラスの頂点に君臨する修司の視線が絡んでくるのが不思議でならなかった。人気者の彼の一方的で執拗な気配に朝好の気持ちは高ぶり、ついには卒業式の日に修司を呼び止める所までいく。それも修司に無神経な言葉をぶつけられてショックを受ける。彼への思いを知った朝好は成人式で修司との再会を望んだ。 高校時代の初恋をこじらせた二人が、成人式で再会する話です。珍しく攻めがツンツンしています。 ※以前投稿した『初恋はおしまい』を大幅に加筆修正して再投稿しました。現在非公開の『初恋はおしまい』にお気に入りや♡をくださりありがとうございました!こちらを読んでいただけると幸いです。 今作は個人サイト、各投稿サイトにて掲載しています。

仕事ができる子は騎乗位も上手い

冲令子
BL
うっかりマッチングしてしまった会社の先輩後輩が、付き合うまでの話です。 後輩×先輩。

フローブルー

とぎクロム
BL
——好きだなんて、一生、言えないままだと思ってたから…。 高二の夏。ある出来事をきっかけに、フェロモン発達障害と診断された雨笠 紺(あまがさ こん)は、自分には一生、パートナーも、子供も望めないのだと絶望するも、その後も前向きであろうと、日々を重ね、無事大学を出て、就職を果たす。ところが、そんな新社会人になった紺の前に、高校の同級生、日浦 竜慈(ひうら りゅうじ)が現れ、紺に自分の息子、青磁(せいじ)を預け(押し付け)ていく。——これは、始まり。ひとりと、ひとりの人間が、ゆっくりと、激しく、家族になっていくための…。

『これで最後だから』と、抱きしめた腕の中で泣いていた

和泉奏
BL
「…俺も、愛しています」と返した従者の表情は、泣きそうなのに綺麗で。 皇太子×従者

キミと2回目の恋をしよう

なの
BL
ある日、誤解から恋人とすれ違ってしまった。 彼は俺がいない間に荷物をまとめて出てってしまっていたが、俺はそれに気づかずにいつも通り家に帰ると彼はもうすでにいなかった。どこに行ったのか連絡をしたが連絡が取れなかった。 彼のお母さんから彼が病院に運ばれたと連絡があった。 「どこかに旅行だったの?」 傷だらけのスーツケースが彼の寝ている病室の隅に置いてあって俺はお母さんにその場しのぎの嘘をついた。 彼との誤解を解こうと思っていたのに目が覚めたら彼は今までの全ての記憶を失っていた。これは神さまがくれたチャンスだと思った。 彼の荷物を元通りにして共同生活を再開させたが… 彼の記憶は戻るのか?2人の共同生活の行方は?

処理中です...