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21 高人サイド②
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授業が本格的に始まって、朔と海里がベータだからアルファの授業についていくのが大変だと話していた。
海里の同室の悠斗までアルファでも大変だよってこぼしてる。
朔が困るのは嫌だから俺の方から提案した。
「じゃぁ勉強会しようか。夕飯食べた後で俺たちの部屋で出された課題片付けながらわからないところを教えるよ。」
朔が本当に嬉しそうな顔で俺を見るからドキドキしたけど頑張って平静を装う。
朔も海里も悠斗も優秀でわからないと言っても少しヒントを出すだけですぐに理解するから教えるのは本当に簡単だった。
自分達が優秀なだけなのに俺の教え方がいいからだって褒めてくれる。
今までいろんな人に沢山褒められてきたけど朔に褒められるのはこの上ない幸せだった。
朔は見た目も中身も魅力的で学校中のアルファがお近づきになりたいオーラを出している。
俺は上位でもさらに上位アルファの威圧を出して牽制しまくった。
中学から一緒という海里はベータながら朔のことをわかっているようでなんとなく朔を守っているようだった。
だから俺のことも最初警戒していたようだけど朔が俺に心を許してくるにつれて態度も軟化していったように思う。
朔は休みの日も学校の敷地から出たがらなかった。
何か訳がありそうだったけど理由は聞かなかった。
そんな朔も月に一度外へ出かけていくことがわかった。
寮の前までタクシーを呼んでバースセンターまで行くと言う。
どこか悪いのか聞いたら体質が変わっているからと言われた。
いつも付けてるリストバンドも関係あるみたい。
朔のいない休日は酷く退屈だった。
部屋の掃除や洗濯を済ませて本を読んでぼーっとする。
休みの日の昼ごはんはいつも朔のお手製ランチを食べるけど今日は駅前のカフェまで行って食べた。
自分に自信のあるっぽいオメガが声をかけてきたけど何の興味も湧かなかった。
はぁ朔に会いたい。
夕方帰ってきてご飯を作る朔を手伝う。ご飯を作るなんてやったことがないからすごく新鮮で朔と一緒ってだけでもめちゃくちゃ楽しい。
朔のご飯は料理人だったお父さん仕込みですごく美味しい、海里は中学の頃に朔のお弁当を見てたらしくてずっと食べてみたかったんだ!って言ってた。
そうやってみんなで食べてる時とか時々朔の表情が沈む瞬間があることを俺は気づいていた。
すぐに元気な顔に戻るんだけど時々ふっと一瞬悲しげな表情になるのがずっと気になっていた。
きっと学校の敷地から出ないようにしているのも関係あることなんじゃないかって思ってたけど聞くことは出来なかった。
少しでも気が紛れたらと休みの日は朔とテニスしたりバスケしたりとにかく学校や寮のなかで楽しく過ごせるようにした。
朔が心穏やか過ごせるように自分にできることはなんでもしてあげたかった。
ある日思い切って朔に学校の敷地から出ない理由を聞いてみた。
心配しすぎて俺の心が限界だったから。
海里の同室の悠斗までアルファでも大変だよってこぼしてる。
朔が困るのは嫌だから俺の方から提案した。
「じゃぁ勉強会しようか。夕飯食べた後で俺たちの部屋で出された課題片付けながらわからないところを教えるよ。」
朔が本当に嬉しそうな顔で俺を見るからドキドキしたけど頑張って平静を装う。
朔も海里も悠斗も優秀でわからないと言っても少しヒントを出すだけですぐに理解するから教えるのは本当に簡単だった。
自分達が優秀なだけなのに俺の教え方がいいからだって褒めてくれる。
今までいろんな人に沢山褒められてきたけど朔に褒められるのはこの上ない幸せだった。
朔は見た目も中身も魅力的で学校中のアルファがお近づきになりたいオーラを出している。
俺は上位でもさらに上位アルファの威圧を出して牽制しまくった。
中学から一緒という海里はベータながら朔のことをわかっているようでなんとなく朔を守っているようだった。
だから俺のことも最初警戒していたようだけど朔が俺に心を許してくるにつれて態度も軟化していったように思う。
朔は休みの日も学校の敷地から出たがらなかった。
何か訳がありそうだったけど理由は聞かなかった。
そんな朔も月に一度外へ出かけていくことがわかった。
寮の前までタクシーを呼んでバースセンターまで行くと言う。
どこか悪いのか聞いたら体質が変わっているからと言われた。
いつも付けてるリストバンドも関係あるみたい。
朔のいない休日は酷く退屈だった。
部屋の掃除や洗濯を済ませて本を読んでぼーっとする。
休みの日の昼ごはんはいつも朔のお手製ランチを食べるけど今日は駅前のカフェまで行って食べた。
自分に自信のあるっぽいオメガが声をかけてきたけど何の興味も湧かなかった。
はぁ朔に会いたい。
夕方帰ってきてご飯を作る朔を手伝う。ご飯を作るなんてやったことがないからすごく新鮮で朔と一緒ってだけでもめちゃくちゃ楽しい。
朔のご飯は料理人だったお父さん仕込みですごく美味しい、海里は中学の頃に朔のお弁当を見てたらしくてずっと食べてみたかったんだ!って言ってた。
そうやってみんなで食べてる時とか時々朔の表情が沈む瞬間があることを俺は気づいていた。
すぐに元気な顔に戻るんだけど時々ふっと一瞬悲しげな表情になるのがずっと気になっていた。
きっと学校の敷地から出ないようにしているのも関係あることなんじゃないかって思ってたけど聞くことは出来なかった。
少しでも気が紛れたらと休みの日は朔とテニスしたりバスケしたりとにかく学校や寮のなかで楽しく過ごせるようにした。
朔が心穏やか過ごせるように自分にできることはなんでもしてあげたかった。
ある日思い切って朔に学校の敷地から出ない理由を聞いてみた。
心配しすぎて俺の心が限界だったから。
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