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20 高人サイド①
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俺は旧財閥系の分家の家系に生まれたアルファだ。
もともと自由のきく分家だけどうちはそのなかでもさらに自由な家風だからか俺は上位アルファだけど次男だから仕事も恋愛も結婚も自分の好きなようにして良いっていわれて育ってきた。
それでも上位アルファだからか勉強もさほど苦労せず困ることもなく、そのかわり自分のやりたいこととかなりたいものとかそんな夢とか希望とかも特になく生きてきた。
アルファのエリート高校だってなんとなく惰性で決めた。
学年トップで入学して寮に入った。
学年2位だという同室になる子は入学式まで来ないらしい。
部屋にはすでに段ボールに入った荷物が置いてある。
なんだかその荷物からふんわりといい匂いがするのも気になった。
そしてアルファのエリート高校なのに2位になったこのまだ見ぬ同室の子はベータだと聞いてますます興味が湧いた。
入学式が終わって部屋へ戻る。
同室の子はまだきていないようだった。
落ち着かずソワソワと部屋をウロつく。
しばらくしてコンコンッとノックする音が聞こえた。
はやる胸を抑えてなるべく普通にどうぞーっと答えた。
彼は扉を開けて「失礼しまーす。今日から同室になる市原朔といいます。よろしくお願いします。」
と頭を下げた。
一目惚れだった。こんな綺麗な子初めて見た。
一応家柄の関係で沢山の見目麗しいと言われるアルファやオメガには沢山出会ってきた。
でもこんな気持ちになったのは初めてだった。
俺のものにしたい…ベータらしいが関係ない。
絶対に離したくないと強く思った。
荷物の片付けを手伝おうかと言ったら少ししかないから大丈夫といって手際良く片付けていく。
俺でも、丸一日かかったのにほんの数時間で片付いてしまった。
片付いた頃に夕飯の時間が迫っていて食堂へ誘おうと思ったら誰かだやってきた。
ベータの三枝くんという奴が同室のアルファと一緒に朔を迎えに来た。
聞けば朔と三枝くんは中学からの知り合いらしい。
自己紹介しあったら朔は三枝くんの名前すら知らないことがわかってちょっと嬉しくなる。
夕食を終えて部屋へ戻り2人になるとまずお互いを知ろうと持ちかけた。
自分の家柄やアルファであること、それから外国の血が色濃く出たクォーターであること。
4人兄弟の中で俺だけが金髪に青い目であとの3人は黒髪黒目の日本人らしい見た目なんだとはなしたら
「高人の髪の毛も目の色も王子様みたいでカッコいいよ。」って言ってくれて天にも昇りそうになる。
両親兄弟の中で自分だけが外国人のようでずっとコンプレックスだったこの見た目がいっぺんに好きになった。
それから朔の話を聞いた。
両親はごく普通のベータでお父さんはホテルのレストランで働いたこと。お母さんはあるお屋敷の使用人として働いてたこと。
朔の高校入学に合わせて仕事を辞めて田舎でペンションを始めたことなんかを話してくれた。
朔はものすごく美人なんだけど本人にはまるで自覚がない。ただのベータだと思ってる。
真っ黒でサラサラの髪に瞳はパッと見は黒いんだけど良く見ると深い碧色だった。
僕は朔に夢中になった。
そうして高校生活がスタートした。
もともと自由のきく分家だけどうちはそのなかでもさらに自由な家風だからか俺は上位アルファだけど次男だから仕事も恋愛も結婚も自分の好きなようにして良いっていわれて育ってきた。
それでも上位アルファだからか勉強もさほど苦労せず困ることもなく、そのかわり自分のやりたいこととかなりたいものとかそんな夢とか希望とかも特になく生きてきた。
アルファのエリート高校だってなんとなく惰性で決めた。
学年トップで入学して寮に入った。
学年2位だという同室になる子は入学式まで来ないらしい。
部屋にはすでに段ボールに入った荷物が置いてある。
なんだかその荷物からふんわりといい匂いがするのも気になった。
そしてアルファのエリート高校なのに2位になったこのまだ見ぬ同室の子はベータだと聞いてますます興味が湧いた。
入学式が終わって部屋へ戻る。
同室の子はまだきていないようだった。
落ち着かずソワソワと部屋をウロつく。
しばらくしてコンコンッとノックする音が聞こえた。
はやる胸を抑えてなるべく普通にどうぞーっと答えた。
彼は扉を開けて「失礼しまーす。今日から同室になる市原朔といいます。よろしくお願いします。」
と頭を下げた。
一目惚れだった。こんな綺麗な子初めて見た。
一応家柄の関係で沢山の見目麗しいと言われるアルファやオメガには沢山出会ってきた。
でもこんな気持ちになったのは初めてだった。
俺のものにしたい…ベータらしいが関係ない。
絶対に離したくないと強く思った。
荷物の片付けを手伝おうかと言ったら少ししかないから大丈夫といって手際良く片付けていく。
俺でも、丸一日かかったのにほんの数時間で片付いてしまった。
片付いた頃に夕飯の時間が迫っていて食堂へ誘おうと思ったら誰かだやってきた。
ベータの三枝くんという奴が同室のアルファと一緒に朔を迎えに来た。
聞けば朔と三枝くんは中学からの知り合いらしい。
自己紹介しあったら朔は三枝くんの名前すら知らないことがわかってちょっと嬉しくなる。
夕食を終えて部屋へ戻り2人になるとまずお互いを知ろうと持ちかけた。
自分の家柄やアルファであること、それから外国の血が色濃く出たクォーターであること。
4人兄弟の中で俺だけが金髪に青い目であとの3人は黒髪黒目の日本人らしい見た目なんだとはなしたら
「高人の髪の毛も目の色も王子様みたいでカッコいいよ。」って言ってくれて天にも昇りそうになる。
両親兄弟の中で自分だけが外国人のようでずっとコンプレックスだったこの見た目がいっぺんに好きになった。
それから朔の話を聞いた。
両親はごく普通のベータでお父さんはホテルのレストランで働いたこと。お母さんはあるお屋敷の使用人として働いてたこと。
朔の高校入学に合わせて仕事を辞めて田舎でペンションを始めたことなんかを話してくれた。
朔はものすごく美人なんだけど本人にはまるで自覚がない。ただのベータだと思ってる。
真っ黒でサラサラの髪に瞳はパッと見は黒いんだけど良く見ると深い碧色だった。
僕は朔に夢中になった。
そうして高校生活がスタートした。
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