愛されベータ

マロン

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 中学2年生になるとベータの子たちは性別検査を受ける。

 産まれた時にアルファかオメガで判定されるとほぼ100%確定なんだけど、ベータと判定された場合時々アルファやオメガだったということがあるんだそうだ。

 中学生になって再検査をすると確実に判定できるということで、万が一オメガだった場合に思いがけないヒートで困らないようにするために発情期が来る前に再検査をする。

 僕も検査を受けたんだけど、検査して数日後にバースセンターから親子で来てほしいと呼び出しがあった。

 アルファやオメガと診断された場合は学校で話を聞いてから対応をするっていう話だったのに呼び出しって…。
 なんだろう?僕なんか変な病気かな?

 両親とバースセンターのロビーへ足を踏み入れた。

 バースセンターのロビーは大きなガラス張りで日の光が燦々と差し込んで明るくて綺麗だった。
 受付を済ませると診察室からさらに奥の部屋へ通される。

 ソファに座ってドキドキしてると男の人が2人入ってきた。

「はじめまして。私は湯川と言います。バース科の専門医をしています。」

 30歳くらいでなんだか物凄くカッコいい。アルファかな?って思ってたら

「朔くんだよね?君の主治医になるよ。ちなみにベータだよ。」ってニッコリした。

 心読まれたかな?

「で、こちらにいるのが梶浦先生、バースセンターの所長です。アルファですが番がいるのでフェロモンの影響はありません。」

 番がいることを最初に言わないと患者さんが不安になるんだそうだ。

 梶浦先生はニコニコしながら僕を見て、お母さんの方をみてから「なるほど、これは珍しいな。」と言った。

 湯川先生は今回の性別検査の結果で市原さんたちにお知らせしなくてはいけないことがあったので来てもらいました。と言ったあとこう続けた。


「皆さんは両性ベータというのをご存知ですか?」
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