平凡な君に愛を捧ぐ

椎奈風音

文字の大きさ
上 下
5 / 7
逃がさない

第五話

しおりを挟む
 ぐちゅぐちゅと濡れた音が聞こえ、次第に意識が浮上してくる。
 なんだか、腹が痛い。
 そして腹だけではなく、下半身に鈍い痛みを感じる。
 それは治まることなく、更に酷くなっていく。

(な、何?)
 目を開けると真っ暗で何も見えない。
 夜で暗いとしても、全く見えないなんてありえない。
 パニックになって暴れれようとするが、身体が何かに抑えつけられていて動かない。

「目が覚めた?」
「誰……?」
 一人暮らしの部屋に、見知らぬ他人がいる。
 正直、意味がわからない。

「君が暴れるから、手荒な真似をしてしまったよ。まだ、痛い?」
 労わるように、ゆっくりと腹を撫でられて、男に部屋に押し入られ、殴られたことを思い出す。
「……痛っ!!」
 無意識に逃げようとして腰を引いた瞬間、下半身に激痛が走り叫んでしまう。

「駄目だよ、そんなに急に動いたら。まだ慣れてないんだから」
「慣れて……?」
 一体、何に慣れるというのか。
「やっと、上手に俺のこと呑み込めるようになったばかりなのに。……君のここ」
 男の指が尻を掴んで広げ、穴の縁をなぞるように撫でる。
 普段は慎ましく閉じている穴はギリギリまで広がり、太い何かを呑み込んでいる。

「嬉しいよね、美咲。やっと俺達、ひとつになれて」
「……っ!」
 男が言った言葉の意味が分かった瞬間、俺は声にならない悲鳴を上げていた。

(なんで、なんで、なんで?)
 男に犯されている事実に頭がついていかない。
 相手は頭がおかしいストーカーかもしれないが、それでも普通男が男に強姦されるなんて思いもしない。

「ねぇ、美咲。もっと気持ちよくなりたいよね」 
「……嫌だ……っ!」
 知らないうちに尻の穴に突っ込まれて、気持ち悪さや痛みは感じても気持ちよさなんて感じるわけない。

「そうかな?君のここは、もう俺の味を覚え始めているよ」
「そんなわけない!」
 必死で否定すると、男の忍び笑いが聞こえた。
「嘘つき。本当は気持ちいいんだろ?太い物で中を擦られると」
 身体の内側の膨らんだ部分を執拗に責められ、抑えきれない喘ぎ声が漏れる。

(なんで……っ!)
 痛いはずなのに、その感覚は麻痺して、代わりに痺れるほどの快感を感じる。
 男が腰を揺らすと、濡れた音が更に酷くなる。
「どちらにしろ時間の問題だ。……君は必ず俺に堕ちる」
 俺は、その言葉をまるで解けない呪いのように感じていた。
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

アルバイトで実験台

夏向りん
BL
給料いいバイトあるよ、と教えてもらったバイト先は大人用玩具実験台だった! ローター、オナホ、フェラ、玩具責め、放置、等々の要素有り

熱しやすく冷めやすく、軽くて重い夫婦です。

七賀ごふん
BL
【何度失っても、日常は彼と創り出せる。】 ────────── 身の回りのものの温度をめちゃくちゃにしてしまう力を持って生まれた白希は、集落の屋敷に閉じ込められて育った。二十歳の誕生日に火事で家を失うが、彼の未来の夫を名乗る美青年、宗一が現れる。 力のコントロールを身につけながら、愛が重い宗一による花嫁修業が始まって……。 ※シリアス 溺愛御曹司×世間知らず。現代ファンタジー。 表紙:七賀

仕事ができる子は騎乗位も上手い

冲令子
BL
うっかりマッチングしてしまった会社の先輩後輩が、付き合うまでの話です。 後輩×先輩。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

目が覚めたら囲まれてました

るんぱっぱ
BL
燈和(トウワ)は、いつも独りぼっちだった。 燈和の母は愛人で、すでに亡くなっている。愛人の子として虐げられてきた燈和は、ある日家から飛び出し街へ。でも、そこで不良とぶつかりボコボコにされてしまう。 そして、目が覚めると、3人の男が燈和を囲んでいて…話を聞くと、チカという男が燈和を拾ってくれたらしい。 チカに気に入られた燈和は3人と共に行動するようになる。 不思議な3人は、闇医者、若頭、ハッカー、と異色な人達で! 独りぼっちだった燈和が非日常な幸せを勝ち取る話。

BL団地妻-恥じらい新妻、絶頂淫具の罠-

おととななな
BL
タイトル通りです。 楽しんでいただけたら幸いです。

【完結】義兄に十年片想いしているけれど、もう諦めます

夏ノ宮萄玄
BL
 オレには、親の再婚によってできた義兄がいる。彼に対しオレが長年抱き続けてきた想いとは。  ――どうしてオレは、この不毛な恋心を捨て去ることができないのだろう。  懊悩する義弟の桧理(かいり)に訪れた終わり。  義兄×義弟。美形で穏やかな社会人義兄と、つい先日まで高校生だった少しマイナス思考の義弟の話。短編小説です。

カテーテルの使い方

真城詩
BL
短編読みきりです。

処理中です...