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ブラザー・キス
第四話
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なんだか気分が乗らないまま家事をこなした後、僕はコーヒーを飲みながらリビングで寛いでいた。
つけっぱなしのテレビから流れるバラエティー番組を見ていたら、ゴージャスな毛皮のコートを着た鷹兄が帰ってきた。
鷹兄は上から二番目の兄で、長男の麿兄と一緒にホストの仕事をしている。
麿兄と鷹兄は双子で、小さい頃に別々に引き取られたらしい。
たまたま仕事場で再会した鷹兄に、麿兄が一緒に暮らそうと誘い、うちの家族が増えたのはつい最近のことだ。
「お帰り、鷹兄」
「ただいま。俺もお前が飲んでるヤツくれ」
「了解」
僕はコーヒーメーカーで作り置きをしていたコーヒーを鷹兄専用のカップ淹れる。
それなりにいい豆を使っているからか、コーヒーメーカーで作り置きしていても、そんなに香りが飛んでない。
「鷹兄、ブラックでいいよね?」
「ああ、サンキュ」
鷹兄は甘党でもないし、この豆ならミルクで誤魔化さなくても大丈夫だろう。
「あのさ、ちょっと訊きたいことがあるんだけど……」
「なんだ?」
コーヒーに口をつけた鷹兄が目線で続きを促してくる。
「鷹兄って、夢精したことある?」
「……っつ!」
僕が訊いた瞬間、鷹兄がコーヒーを吹いた。
うわっ!
コーヒーはシミが残るから、掃除するの大変なんだけど。
僕は急いで、布巾を持ってきて鷹兄の服とテーブルを拭いた。
「いきなり、なんてこと言うんだ?」
僕、そんなに変なことを訊いたのだろうか。
鷹兄はここに来て日が浅いから慣れてないかもしれないけど、この程度の会話なら至る所で飛び交ってるよ?
「えっと、なんか変だった?」
「……もういい」
鷹兄が頭痛を堪えるように、頭を押さえた。
つけっぱなしのテレビから流れるバラエティー番組を見ていたら、ゴージャスな毛皮のコートを着た鷹兄が帰ってきた。
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たまたま仕事場で再会した鷹兄に、麿兄が一緒に暮らそうと誘い、うちの家族が増えたのはつい最近のことだ。
「お帰り、鷹兄」
「ただいま。俺もお前が飲んでるヤツくれ」
「了解」
僕はコーヒーメーカーで作り置きをしていたコーヒーを鷹兄専用のカップ淹れる。
それなりにいい豆を使っているからか、コーヒーメーカーで作り置きしていても、そんなに香りが飛んでない。
「鷹兄、ブラックでいいよね?」
「ああ、サンキュ」
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「あのさ、ちょっと訊きたいことがあるんだけど……」
「なんだ?」
コーヒーに口をつけた鷹兄が目線で続きを促してくる。
「鷹兄って、夢精したことある?」
「……っつ!」
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うわっ!
コーヒーはシミが残るから、掃除するの大変なんだけど。
僕は急いで、布巾を持ってきて鷹兄の服とテーブルを拭いた。
「いきなり、なんてこと言うんだ?」
僕、そんなに変なことを訊いたのだろうか。
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「……もういい」
鷹兄が頭痛を堪えるように、頭を押さえた。
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