28 / 68
ヴォイス
第一話
しおりを挟む
僕は窓から入ってくる日差しが眩しくて目を覚ました。
「……う~ん……。今何時?」
枕元に置いてある時計を見ると、11時を指している。
(ふ―ん。11時ね)
…………。
ん……?
11時!?
「遅刻だぁ!!」
僕は勢いよくベッドから飛び起きた。
入学して早々、遅刻なんて最悪だ。
なんで兄ちゃん達、起こしてくれないんだよ!!
僕は急いで階段を下りて、ダイニングの扉を開けた。
もちろん、誰もいない。
テーブルの上には、ラップが掛けられた料理が載っていた。
(朝食作ってくれるのはありがたいけど、ついでに起こしてよ!)
僕は少し泣きそうになりながら、僕のために用意された朝食を見た。
その時、突然リビングの電話が鳴った。
(この忙しい時に誰なの?)
「……もしもし……」
『ああ、塔哉か』
僕が自分の名前を名乗る前に、聞き覚えのある声が遮った。
「響兄ちゃん!!」
今日は撮影があるから、朝早く出掛けたはずだけど、何かあったのだろうか。
『塔哉、悪いんだけどさ。俺の机の上にある封筒をスタジオまで届けてくれないか?』
「え?無理だよ!!僕、今から学校に行かなきゃいけないし」
今から行っても遅刻は免れないが、流石に無断欠席はマズイだろう。
入学早々、サボるなんてありえないし。
『はぁ?お前、何言ってんの?』
電話の向こうで、響兄ちゃんがため息を吐いている。
(……え?)
僕、そんなにおかしいこと言ってないよね?
『お前、まだ寝ぼけてんのか?今日は土曜で学校休みだぞ』
「え?」
僕は壁に貼ってあるカレンダーを見た。
(本当だ!)
なんか僕、一人でテンパって馬鹿みたいだ。
あまりの間抜けさに、朝から気分が沈んでくる。
『まぁ、誰にでも勘違いはあるんだから気にするな。学校行く前にわかって良かったじゃないか』
(……確かに)
学校に行って誰も居ないんじゃ虚しい。
『ってことで、塔哉。封筒よろしくな』
「えっ!?ちょっと待って。響兄ちゃん……!!」
響兄ちゃんは、言いたいことだけ言って電話を切ってしまった。
(僕、何も返事してないよ!なんて自己中なんだ)
僕は憤慨しながら、受話器を置いた。
「……う~ん……。今何時?」
枕元に置いてある時計を見ると、11時を指している。
(ふ―ん。11時ね)
…………。
ん……?
11時!?
「遅刻だぁ!!」
僕は勢いよくベッドから飛び起きた。
入学して早々、遅刻なんて最悪だ。
なんで兄ちゃん達、起こしてくれないんだよ!!
僕は急いで階段を下りて、ダイニングの扉を開けた。
もちろん、誰もいない。
テーブルの上には、ラップが掛けられた料理が載っていた。
(朝食作ってくれるのはありがたいけど、ついでに起こしてよ!)
僕は少し泣きそうになりながら、僕のために用意された朝食を見た。
その時、突然リビングの電話が鳴った。
(この忙しい時に誰なの?)
「……もしもし……」
『ああ、塔哉か』
僕が自分の名前を名乗る前に、聞き覚えのある声が遮った。
「響兄ちゃん!!」
今日は撮影があるから、朝早く出掛けたはずだけど、何かあったのだろうか。
『塔哉、悪いんだけどさ。俺の机の上にある封筒をスタジオまで届けてくれないか?』
「え?無理だよ!!僕、今から学校に行かなきゃいけないし」
今から行っても遅刻は免れないが、流石に無断欠席はマズイだろう。
入学早々、サボるなんてありえないし。
『はぁ?お前、何言ってんの?』
電話の向こうで、響兄ちゃんがため息を吐いている。
(……え?)
僕、そんなにおかしいこと言ってないよね?
『お前、まだ寝ぼけてんのか?今日は土曜で学校休みだぞ』
「え?」
僕は壁に貼ってあるカレンダーを見た。
(本当だ!)
なんか僕、一人でテンパって馬鹿みたいだ。
あまりの間抜けさに、朝から気分が沈んでくる。
『まぁ、誰にでも勘違いはあるんだから気にするな。学校行く前にわかって良かったじゃないか』
(……確かに)
学校に行って誰も居ないんじゃ虚しい。
『ってことで、塔哉。封筒よろしくな』
「えっ!?ちょっと待って。響兄ちゃん……!!」
響兄ちゃんは、言いたいことだけ言って電話を切ってしまった。
(僕、何も返事してないよ!なんて自己中なんだ)
僕は憤慨しながら、受話器を置いた。
0
お気に入りに追加
492
あなたにおすすめの小説
転生したら弟がブラコン重傷者でした!!!
Lynne
BL
俺の名前は佐々木塁、元高校生だ。俺は、ある日学校に行く途中、トラックに轢かれて死んでしまった...。
pixivの方でも、作品投稿始めました!
名前やアイコンは変わりません
主にアルファポリスで投稿するため、更新はアルファポリスのほうが早いと思います!
愛され末っ子
西条ネア
BL
本サイトでの感想欄は感想のみでお願いします。全ての感想に返答します。
リクエストはTwitter(@NeaSaijou)にて受付中です。また、小説のストーリーに関するアンケートもTwitterにて行います。
(お知らせは本編で行います。)
********
上園琉架(うえぞの るか)四男 理斗の双子の弟 虚弱 前髪は後々左に流し始めます。髪の毛の色はご想像にお任せします。深い赤みたいなのアースアイ 後々髪の毛を肩口くらいまで伸ばしてゆるく結びます。アレルギー多め。その他の設定は各話で出てきます!
上園理斗(うえぞの りと)三男 琉架の双子の兄 琉架が心配 琉架第一&大好き 前髪は後々右に流します。髪の毛の色はご想像にお任せします。深い緑みたいなアースアイ 髪型はずっと短いままです。 琉架の元気もお母さんのお腹の中で取っちゃった、、、
上園静矢 (うえぞの せいや)長男 普通にサラッとイケメン。なんでもできちゃうマン。でも弟(特に琉架)絡むと残念。弟達溺愛。深い青色の瞳。髪の毛の色はご想像にお任せします。
上園竜葵(うえぞの りゅうき)次男 ツンデレみたいな、考えと行動が一致しないマン。でも弟達大好きで奮闘して玉砕する。弟達傷つけられたら、、、 深い青色の瞳。兄貴(静矢)と一個差 ケンカ強い でも勉強できる。料理は壊滅的
上園理玖斗(うえぞの りくと)父 息子達大好き 藍羅(あいら・妻)も愛してる 家族傷つけるやつ許さんマジ 琉架の身体が弱すぎて心配 深い緑の瞳。普通にイケメン
上園藍羅(うえぞの あいら) 母 子供達、夫大好き 母は強し、の具現化版 美人さん 息子達(特に琉架)傷つけるやつ許さんマジ。
てか普通に上園家の皆さんは顔面偏差値馬鹿高いです。
(特に琉架)の部分は家族の中で順列ができているわけではなく、特に琉架になる場面が多いという意味です。
琉架の従者
遼(はる)琉架の10歳上
理斗の従者
蘭(らん)理斗の10歳上
その他の従者は後々出します。
虚弱体質な末っ子・琉架が家族からの寵愛、溺愛を受ける物語です。
前半、BL要素少なめです。
この作品は作者の前作と違い毎日更新(予定)です。
できないな、と悟ったらこの文は消します。
※琉架はある一定の時期から体の成長(精神も若干)がなくなる設定です。詳しくはその時に補足します。
皆様にとって最高の作品になりますように。
※作者の近況状況欄は要チェックです!
西条ネア
転生令息は冒険者を目指す!?
葛城 惶
BL
ある時、日本に大規模災害が発生した。
救助活動中に取り残された少女を助けた自衛官、天海隆司は直後に土砂の崩落に巻き込まれ、意識を失う。
再び目を開けた時、彼は全く知らない世界に転生していた。
異世界で美貌の貴族令息に転生した脳筋の元自衛官は憧れの冒険者になれるのか?!
とってもお馬鹿なコメディです(;^_^A
主人公の兄になったなんて知らない
さつき
BL
レインは知らない弟があるゲームの主人公だったという事を
レインは知らないゲームでは自分が登場しなかった事を
レインは知らない自分が神に愛されている事を
表紙イラストは マサキさんの「キミの世界メーカー」で作成してお借りしています⬇ https://picrew.me/image_maker/54346
3人の弟に逆らえない
ポメ
BL
優秀な3つ子に調教される兄の話です。
主人公:高校2年生の瑠璃
長男の嵐は活発な性格で運動神経抜群のワイルド男子。
次男の健二は大人しい性格で勉学が得意の清楚系王子。
三男の翔斗は無口だが機械に強く、研究オタクっぽい。黒髪で少し地味だがメガネを取ると意外とかっこいい?
3人とも高身長でルックスが良いと学校ではモテまくっている。
しかし、同時に超がつくブラコンとも言われているとか?
そんな3つ子に溺愛される瑠璃の話。
調教・お仕置き・近親相姦が苦手な方はご注意くださいm(_ _)m
ある日、人気俳優の弟になりました。
樹 ゆき
BL
母の再婚を期に、立花優斗は人気若手俳優、橘直柾の弟になった。顔良し性格良し真面目で穏やかで王子様のような人。そんな評判だったはずが……。
「俺の命は、君のものだよ」
初顔合わせの日、兄になる人はそう言って綺麗に笑った。とんでもない人が兄になってしまった……と思ったら、何故か大学の先輩も優斗を可愛いと言い出して……?
平凡に生きたい19歳大学生と、24歳人気若手俳優、21歳文武両道大学生の三角関係のお話。
【BL】国民的アイドルグループ内でBLなんて勘弁してください。
白猫
BL
国民的アイドルグループ【kasis】のメンバーである、片桐悠真(18)は悩んでいた。
最近どうも自分がおかしい。まさに悪い夢のようだ。ノーマルだったはずのこの自分が。
(同じグループにいる王子様系アイドルに恋をしてしまったかもしれないなんて……!)
(勘違いだよな? そうに決まってる!)
気のせいであることを確認しようとすればするほどドツボにハマっていき……。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる