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桜花の姫
第三話
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「みんな、席に着け~!ホームルームを始めるぞ」
教室のドアが開き、担任の先生が入って来た。
担任の谷川遥先生は、その優美なイメージを裏切るような、ガタイのいい体育教師だ。
こう言ってはなんだけど、初めて名前を聞いた時は正直詐欺だと思ったよ……。
僕と雄哉は話をやめ、席に着いた。
「では、今日は早速だが学級委員を決めようと思う」
谷川先生は、生徒達が席に着いたのを見計らって、話し始めた。
(学級委員かぁ。誰がなるんだろう?)
僕は他人事のように考えていた。
「それじゃあ、俺の独断と偏見で――」
「???」
ぼんやり話を聞いていた僕は、谷川先生の言葉に驚いて顔を上げた。
(普通、こういうのって、立候補か多数決で決めるよね?)
それを担任の独断と偏見で決めるなんて……。
(もしかして、選ばれたら拒否権はないってこと?)
僕は周りを見回したが、誰も特に気にしていないみたいだ。
……っていうことは、この学校にしてみれば、当たり前の決め方なんだろう。
でも一応、民主主義の国なんだから、人の意見も聞こうよ!!
その時、谷川先生の視線が、僕の方に向き、ドキッとした。
(まさか、僕じゃないよね?)
さすがに、外部入学者を学級委員に選ぶことはないだろうな、と思いつつもドキドキしながら、先生の言葉を待った。
「それじゃ、矢吹。お願いしてもいいか?」
谷川先生の言葉に、僕は思わず胸を撫で下ろしたが――、
(……ん?矢吹??)
……って、雄哉じゃん!
「わかりました」
はたと気付いて前の席の雄哉を見ると、あっさりと承諾していた。
(え?いいの?そんな簡単にオッケーして……)
小中学校の時は学級委員になると面倒臭いから、嫌がる人が多かったけど、この学校は違うのかな?
「それじゃ、矢吹頼むな。みんなも矢吹でいいな?」
「は~い!」
周りの生徒達から、盛大な拍手が上がる。
「…………」
僕は一人だけ呆然として、周りについていけなかった。
「雄哉、本当にいいの?」
後ろの席から、小声で尋ねると、彼は不敵な笑みを浮かべた。
「たかが、学級委員だろ?たいしたことじゃないって。それに……」
「それに?」
なんだか嫌な予感がして、僕は恐る恐る尋ねた。
「担任に選ばれた学級委員にはある特権があるんだ」
にっと意地悪く笑った雄哉に、益々嫌な予感が高まる。
幼い頃から、こういう時の雄哉は、何か企んでいることが多い。
……今回は一体どんな爆弾を抱えているのやら……。
教室のドアが開き、担任の先生が入って来た。
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谷川先生は、生徒達が席に着いたのを見計らって、話し始めた。
(学級委員かぁ。誰がなるんだろう?)
僕は他人事のように考えていた。
「それじゃあ、俺の独断と偏見で――」
「???」
ぼんやり話を聞いていた僕は、谷川先生の言葉に驚いて顔を上げた。
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それを担任の独断と偏見で決めるなんて……。
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僕は周りを見回したが、誰も特に気にしていないみたいだ。
……っていうことは、この学校にしてみれば、当たり前の決め方なんだろう。
でも一応、民主主義の国なんだから、人の意見も聞こうよ!!
その時、谷川先生の視線が、僕の方に向き、ドキッとした。
(まさか、僕じゃないよね?)
さすがに、外部入学者を学級委員に選ぶことはないだろうな、と思いつつもドキドキしながら、先生の言葉を待った。
「それじゃ、矢吹。お願いしてもいいか?」
谷川先生の言葉に、僕は思わず胸を撫で下ろしたが――、
(……ん?矢吹??)
……って、雄哉じゃん!
「わかりました」
はたと気付いて前の席の雄哉を見ると、あっさりと承諾していた。
(え?いいの?そんな簡単にオッケーして……)
小中学校の時は学級委員になると面倒臭いから、嫌がる人が多かったけど、この学校は違うのかな?
「それじゃ、矢吹頼むな。みんなも矢吹でいいな?」
「は~い!」
周りの生徒達から、盛大な拍手が上がる。
「…………」
僕は一人だけ呆然として、周りについていけなかった。
「雄哉、本当にいいの?」
後ろの席から、小声で尋ねると、彼は不敵な笑みを浮かべた。
「たかが、学級委員だろ?たいしたことじゃないって。それに……」
「それに?」
なんだか嫌な予感がして、僕は恐る恐る尋ねた。
「担任に選ばれた学級委員にはある特権があるんだ」
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……今回は一体どんな爆弾を抱えているのやら……。
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