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結城家の兄弟達
第四話
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ダイニングのドアを開けると、一番上の兄ちゃんが新聞を読みながら座っていた。
「おはよ。春兄ちゃん」
「おはよう」
僕らが来たのに気付いた春兄ちゃんは、読んでいた新聞をたたんだ。
春兄ちゃんは僕と6歳違いで大学4年生だ。
頭が凄く良くて、いつも朝は難しそうな経済新聞を読んでいる。
前に見せてもらったことがあるけど、さっぱり意味がわからなかった。
それって、僕と春兄ちゃんの頭の差だよね……。
「お前らだけか?戒と響吾はどうした?」
「…いつもみたいに洗面所でじゃれあってたよ」
僕は洗面所にいる兄ちゃん達を思い浮かべる。
あれはどう見ても、じゃれあってるだけだよね……。
「またか、アイツらはいい歳して……」
春兄ちゃんは、いつもの騒がしい光景を思い出したのだろう。
端正な顔に苦笑を浮かべた。
その時、僕らが入ってきたドアから、兄ちゃん達が入ってきた。
「あ、兄貴おはよう」
戒兄ちゃんと響兄ちゃんの声が見事なまでにハモった。
やっぱり、双子なんだなぁ、と僕は妙な所で感心した。
「これで全員揃ったな」
みんなそれぞれの席に着く。
「塔哉、入学おめでとう(これからどう手懐けていこうかな)」
「その制服、似合うぜ!(早く脱がしてみたいぜ)」
「お前も、もう高校生なんだな(子供じゃないなら、ヤリ放題だな)」
「これから一緒に登校できるね!(誰にも邪魔はさせないからね)」
兄ちゃん達から口々にお祝いを言われ、僕は嬉しくなった。
しかし……、なぜか言葉に含みがある気がするのは、僕の気のせいか?
「おはよ。春兄ちゃん」
「おはよう」
僕らが来たのに気付いた春兄ちゃんは、読んでいた新聞をたたんだ。
春兄ちゃんは僕と6歳違いで大学4年生だ。
頭が凄く良くて、いつも朝は難しそうな経済新聞を読んでいる。
前に見せてもらったことがあるけど、さっぱり意味がわからなかった。
それって、僕と春兄ちゃんの頭の差だよね……。
「お前らだけか?戒と響吾はどうした?」
「…いつもみたいに洗面所でじゃれあってたよ」
僕は洗面所にいる兄ちゃん達を思い浮かべる。
あれはどう見ても、じゃれあってるだけだよね……。
「またか、アイツらはいい歳して……」
春兄ちゃんは、いつもの騒がしい光景を思い出したのだろう。
端正な顔に苦笑を浮かべた。
その時、僕らが入ってきたドアから、兄ちゃん達が入ってきた。
「あ、兄貴おはよう」
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やっぱり、双子なんだなぁ、と僕は妙な所で感心した。
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「これから一緒に登校できるね!(誰にも邪魔はさせないからね)」
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しかし……、なぜか言葉に含みがある気がするのは、僕の気のせいか?
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