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ジュエル・キス
第四話
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一瞬、緊迫した空気が流れるが、兄貴と対等に張り合える男は色んな意味で強者だった。
「あ、ヤバッ。もうこんな時間だ。僕帰るね」
男は腕時計で時間を確認し、本当に時間がなかったのか、急いで帰って行った。
「え?ちょっと待って……!」
引っ掻き回すだけ引っ掻き回して、早々に自分だけ撤退するなんてズルイ。
……この最悪な状況を俺一人でどうしろと?
「……慎吾」
「な、なに?」
声が上擦るのは、もう仕様がないと思う。
「さっきのはなんだ?」
「なんだって言われても……」
「お前は無理矢理キスされても感じるのか?」
「……っ!」
ここ最近ご無沙汰だったせいか、あの男が上手かったせいかわからないが、俺の中心は熱を持ち始めていた。
まさか、それを兄貴に見透かされているとは思わなかった。
「でも、兄貴!あれは生理現象というか……」
言い訳をしようとして、俺はその場に固まった。
自分の言ったことをこれ程後悔したのは初めてかもしれない。
「ふ~ん。お前は好きでもないヤツからキスされても感じるんだ?じゃあ、俺がキスしても文句ないよな?」
……ん?
俺の空耳だよな?
……なんか、聞いちゃいけないことが、聞こえたような……?
次の瞬間、ぐいっと上向かされ無理矢理唇を奪われた。
兄貴の舌が唇を割って、中に入ってくる。
舌を執拗なほどに貪られ、頭がぼんやりしてくる。
あの男も上手かったが、兄貴もかなりキスが上手い。
兄貴の舌が口内の感じる所をくすぐり、再び身体熱くなってくる。
男が一番感じる場所を直接触られたわけでもない。
なのに、こんなに気持ちいいなんて……。
足に力が入らず、その場に崩れ落ちそうになった俺を兄貴は力強い腕で支えた。
「ごちそうさま」
唇を舐める兄貴が妙に艶めかしい。
これが男の色気というヤツだろうか。
俺には効かないが、兄貴に気のある女や男だったら一発で落ちるだろう。
「お前、10時からバイトだろ?始まる前になんとかしとけよ、それ」
どこのことを言っているかわかった瞬間、俺は真っ赤になった。
(誰のせいだと、思ってんだ!馬鹿!!)
弟にここまでする兄貴は、鬼畜としか言いようがないし、マジで最低だ。
「あ、ヤバッ。もうこんな時間だ。僕帰るね」
男は腕時計で時間を確認し、本当に時間がなかったのか、急いで帰って行った。
「え?ちょっと待って……!」
引っ掻き回すだけ引っ掻き回して、早々に自分だけ撤退するなんてズルイ。
……この最悪な状況を俺一人でどうしろと?
「……慎吾」
「な、なに?」
声が上擦るのは、もう仕様がないと思う。
「さっきのはなんだ?」
「なんだって言われても……」
「お前は無理矢理キスされても感じるのか?」
「……っ!」
ここ最近ご無沙汰だったせいか、あの男が上手かったせいかわからないが、俺の中心は熱を持ち始めていた。
まさか、それを兄貴に見透かされているとは思わなかった。
「でも、兄貴!あれは生理現象というか……」
言い訳をしようとして、俺はその場に固まった。
自分の言ったことをこれ程後悔したのは初めてかもしれない。
「ふ~ん。お前は好きでもないヤツからキスされても感じるんだ?じゃあ、俺がキスしても文句ないよな?」
……ん?
俺の空耳だよな?
……なんか、聞いちゃいけないことが、聞こえたような……?
次の瞬間、ぐいっと上向かされ無理矢理唇を奪われた。
兄貴の舌が唇を割って、中に入ってくる。
舌を執拗なほどに貪られ、頭がぼんやりしてくる。
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男が一番感じる場所を直接触られたわけでもない。
なのに、こんなに気持ちいいなんて……。
足に力が入らず、その場に崩れ落ちそうになった俺を兄貴は力強い腕で支えた。
「ごちそうさま」
唇を舐める兄貴が妙に艶めかしい。
これが男の色気というヤツだろうか。
俺には効かないが、兄貴に気のある女や男だったら一発で落ちるだろう。
「お前、10時からバイトだろ?始まる前になんとかしとけよ、それ」
どこのことを言っているかわかった瞬間、俺は真っ赤になった。
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