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悪夢
第四話
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「お前、面白いな。お前が男ってことはわかってるさ」
(なら、変な呼び方するなよ)
俺は呆れて、言葉もない。
「……いや、まだこの街で、俺に対してそんな態度をとれる奴がいるなんて思わなかった」
男は笑いを堪えながら、俺に近づいてきた。
「気に入った。……だから……」
「え……?」
男の声が低くなり、周りの空気が一気に冷たくなる。
「だから……、俺のものになれよ」
男の声は聞こえたが、意味がわからない。
男の雰囲気に完全に呑まれてしまい、声さえ出ない。
男は硬直した俺を引き寄せて、耳元で囁いた。
「これからは、お前の意志は関係ない。お前の全ては俺のものだ」
直接吹き込まれる声と言い知れぬ恐怖に、俺は無意識に震えた。
「止めてください、総長。素性のわからないものを入れるのは……」
「……黙れ」
男が冷えた視線をもう一人の男に向けた。
倉庫は更に緊迫した雰囲気になった。
正直、こんな男の言いなりになんかなりたくない。
だけど、断れば何をされるかわからない。
男の闇色の瞳には、狂気が宿っている。
(……逆らえない)
俺は諦めたように目を閉じた。
(なら、変な呼び方するなよ)
俺は呆れて、言葉もない。
「……いや、まだこの街で、俺に対してそんな態度をとれる奴がいるなんて思わなかった」
男は笑いを堪えながら、俺に近づいてきた。
「気に入った。……だから……」
「え……?」
男の声が低くなり、周りの空気が一気に冷たくなる。
「だから……、俺のものになれよ」
男の声は聞こえたが、意味がわからない。
男の雰囲気に完全に呑まれてしまい、声さえ出ない。
男は硬直した俺を引き寄せて、耳元で囁いた。
「これからは、お前の意志は関係ない。お前の全ては俺のものだ」
直接吹き込まれる声と言い知れぬ恐怖に、俺は無意識に震えた。
「止めてください、総長。素性のわからないものを入れるのは……」
「……黙れ」
男が冷えた視線をもう一人の男に向けた。
倉庫は更に緊迫した雰囲気になった。
正直、こんな男の言いなりになんかなりたくない。
だけど、断れば何をされるかわからない。
男の闇色の瞳には、狂気が宿っている。
(……逆らえない)
俺は諦めたように目を閉じた。
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