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とある研究員の軌跡
とある大学生が研究員になるまで(2)
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私は卒業してから数日でその謎の研究機関である『曙光研究所』という施設へと出向くこととなった。しかし、その研究所に向かう途中で、私は研究機関の方からとても怪しいことをされてしまうのだった。
私は研究所に向かう際に、研究所から迎えの車が来るということで、指定された場所で待つように言われていたため、私はまずその待ち合わせの場所に向かった。
しかし、私は指示された通りにのんびりと待ち合わせの場所に向かったが、目的の場所の最寄り駅に着いた時に、こんな大学の都合で怪しい研究所に就職することとなった状況に不安を抱えてしまっている自分にさらに追い打ちをかけるような疑問が頭を過った。
研究所から迎えの車を用意してくれているということは別に問題ではない。だが、問題は最寄り駅を降りた先にあった。
そこは田んぼや畑だらけで何もなく、もう見た目で分かるほどの田舎だった。
確かに研究所みたいなところは住んでいる人の迷惑とかにならないように山奥とか海の近くとかで、邪魔にならなそうなところに構えているイメージがあるけど、こんな田舎のような場所からどこに向かえば研究所なんてあるのだろうか。もしや変なところに連れていかれるんじゃなかろうか。
私はそんな疑問を抱えながら、その駅から降りてすぐに待ち合わせの場所に向かって歩いた。と言っても、降りてから歩いてすぐの場所なので、ほとんど何もないような場所であるため迷うことはなかった。
その場所の近くまで向かうと、そこにはハイエースみたいな車と黒服を着た二人組が立っていた。私はあまりにも怪しい風貌から、この人達が迎えの人ではありませんようにと心の中で祈ったけど、私の祈りはどこにも届かなかったことをすぐさま知ることとなった。
それは黒服の二人組が懐から写真をおもむろに取り出して、何もない道にただ棒立ちしている私の顔と写真を交互に見比べだしたからだ。その後に、こいつが例の人物かと言わんばかりに私のことを視界に捉え出したので、私はこの人達が迎えの人なんだなと悲しみが混じりながら悟った。
そこからは今となっては分かるけど、初めは何がなんだか分からなかった。
私は棒立ちのままその場所にいると、黒服の一人が私の方に向かっていき、身分を明かしてはくれた。
「私は曙光研究所から派遣された案内担当です。こちらに車を用意しておりますのでお乗りください」
「あの、名刺とかはないんですか?」
「すみません、名刺などは持ち合わせていなくてですね。ただ、待ち合わせはここだと聞いていますよね? それが証拠になりませんか?」
普通ならこんなことで納得がいくはずがないが、黒服の威圧感が凄くて、人間っていざという時に威圧感で圧されたら意外にも何も出来なくなるんだなと自身の不甲斐なさに嘆いた。こんなマズい状況で私が取るべき行動は、悔しいが大人しく黒服の言う通りに従って車に乗り込むしかなかった。
車に乗せられて、私はどうなるんだと不安になっていたが、さらに私を追い込むように、私の隣りに座った黒服の一人がおもむろに黒い布を取り出した。黒服曰く、車での移動する景色は見せられないということで目隠しをしてほしいらしい。私はもし断ればどうするつもりかと聞いてみると、申し訳ないけど無理にでも被ってもらうとのことらしい。私はこの時点でもう逃げることが出来ないんだと悟った。
私はもおうどうしようもないと諦めて自ら目隠しすることにした。そして、私が目隠しをしたと同時に車はエンジン音を鳴らしてすぐさま動き出した。
こんな怪しいやり取りばかりしていたから、もしかしたらこの人達は詐欺集団で、私は誘拐されているんじゃないかという疑問を持ったけど、私は大丈夫だと自分に言い聞かせた。これは現実逃避ではなく、一応は根拠があるものだ。それは黒服が私に近づいてきて話しをした際に、黒服の胸にバッジのようなものが付いているのが見えたからだ。そのバッジは前に大学で研究所の説明を受けていた時に、職員の人が同じバッジを付けていたのをたまたま見ていた。それで多分職員は全員同じバッジを付けているはずだと踏んでいた。でも、目隠しされてどこかに連れていかれている状況になっているため、この人は職員だと信じ込んだとしても、非日常的な状況のため落ち着くことなど出来なかった。
私は研究所に向かう際に、研究所から迎えの車が来るということで、指定された場所で待つように言われていたため、私はまずその待ち合わせの場所に向かった。
しかし、私は指示された通りにのんびりと待ち合わせの場所に向かったが、目的の場所の最寄り駅に着いた時に、こんな大学の都合で怪しい研究所に就職することとなった状況に不安を抱えてしまっている自分にさらに追い打ちをかけるような疑問が頭を過った。
研究所から迎えの車を用意してくれているということは別に問題ではない。だが、問題は最寄り駅を降りた先にあった。
そこは田んぼや畑だらけで何もなく、もう見た目で分かるほどの田舎だった。
確かに研究所みたいなところは住んでいる人の迷惑とかにならないように山奥とか海の近くとかで、邪魔にならなそうなところに構えているイメージがあるけど、こんな田舎のような場所からどこに向かえば研究所なんてあるのだろうか。もしや変なところに連れていかれるんじゃなかろうか。
私はそんな疑問を抱えながら、その駅から降りてすぐに待ち合わせの場所に向かって歩いた。と言っても、降りてから歩いてすぐの場所なので、ほとんど何もないような場所であるため迷うことはなかった。
その場所の近くまで向かうと、そこにはハイエースみたいな車と黒服を着た二人組が立っていた。私はあまりにも怪しい風貌から、この人達が迎えの人ではありませんようにと心の中で祈ったけど、私の祈りはどこにも届かなかったことをすぐさま知ることとなった。
それは黒服の二人組が懐から写真をおもむろに取り出して、何もない道にただ棒立ちしている私の顔と写真を交互に見比べだしたからだ。その後に、こいつが例の人物かと言わんばかりに私のことを視界に捉え出したので、私はこの人達が迎えの人なんだなと悲しみが混じりながら悟った。
そこからは今となっては分かるけど、初めは何がなんだか分からなかった。
私は棒立ちのままその場所にいると、黒服の一人が私の方に向かっていき、身分を明かしてはくれた。
「私は曙光研究所から派遣された案内担当です。こちらに車を用意しておりますのでお乗りください」
「あの、名刺とかはないんですか?」
「すみません、名刺などは持ち合わせていなくてですね。ただ、待ち合わせはここだと聞いていますよね? それが証拠になりませんか?」
普通ならこんなことで納得がいくはずがないが、黒服の威圧感が凄くて、人間っていざという時に威圧感で圧されたら意外にも何も出来なくなるんだなと自身の不甲斐なさに嘆いた。こんなマズい状況で私が取るべき行動は、悔しいが大人しく黒服の言う通りに従って車に乗り込むしかなかった。
車に乗せられて、私はどうなるんだと不安になっていたが、さらに私を追い込むように、私の隣りに座った黒服の一人がおもむろに黒い布を取り出した。黒服曰く、車での移動する景色は見せられないということで目隠しをしてほしいらしい。私はもし断ればどうするつもりかと聞いてみると、申し訳ないけど無理にでも被ってもらうとのことらしい。私はこの時点でもう逃げることが出来ないんだと悟った。
私はもおうどうしようもないと諦めて自ら目隠しすることにした。そして、私が目隠しをしたと同時に車はエンジン音を鳴らしてすぐさま動き出した。
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