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本編
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「みんな!今日は転校生がいますよ!」
元の世界に帰ってきて1週間が経った頃、朝のホームルームで先生が転校生がいると言う。
今の時期は春でもなければ、夏休みの休み明けとか言うわけでもなく、とてつもなく中途半端な時期でこんな時に転校なんて聞いたことがなかった。
「さぁ、入ってきてー!」
ガラガラ…
「え…!?」
先生のいつもよりテンションの高く感じる声とともに、見覚えのある艶のある紺色ストレートヘアの女子が入ってくるので教室が騒がしくなる。
そりゃ、1週間くらい前に色々ありましたんで、覚えてますよ。
「え、あなたは!」
「…あら?皆さんこの方を知ってるのですか?じゃあ話は早そうですね!では曽戸さん、簡単に自己紹介お願いします!」
曽戸さん…?
「はい!私は曽戸優夜です。改めまして、よろしくお願いします!」
は!?にっこり笑いながら挨拶してるけど、なんか日本人らしい名前になってる!?
それに気づいたけど、入れ替えればヨグソトース!当て字なんだ!?
「席はー、あ。…あの席、どうしてかずっと空いてるんだよね…? 曽戸さんはあの席に座ってね!」
「はい!」
え、あの席は…
先生は覚えてないみたいだけど、あの席は、向こうの世界にいた頃に死んでしまったクラスメイト、宮本真弘の席だった。
少し戻ってきた頃の話に戻る…
この世界に戻ってきて初めにやろうとしたこと、それは宮本の遺体をご遺族に届けることだった。
クラス全員で行く訳にも行かなかったし、どう説明していいのかも分からなかったから、とりあえず委員長と、宮本を見つけた遥と俺の3人で担任のところに話に行った。
でも、担任のところに行くと
「もう!からかわないでくださいっ!そういうの苦手なの知ってるでしょ??私のクラスには宮本真尋くんなんて子はいません!」
って言われて、ほんとに覚えてなさそうだし、こんなこと言われたらなんも言えないし…
でも宮本の親なら覚えてるかもしれないと思って、遥が宮本の家を知ってるって言うから案内してもらった。でも、そこでは
「あら遥ちゃんじゃない!でも、うちに息子が居ないの知ってるでしょ?今どきは変わった遊びが流行ってるのね??」
って言われて全く覚えてなかった…
宮本との関係について後で遥に聞いたら、宮本の親と遥の親が仲良くて、ご飯食べたり遊んだりしたことがあったらしいけど、遥のこと以外何も覚えてなさそうだった…
…そのまま宮本についてはどうすることもできず、気がつけば1週間経ってた。
「あ!その指輪!あなたが持ってたのね!!」
え?
ヨグ=ソトースならぬ曽戸さんが、遥の隣を通り過ぎる時に指に嵌っていた指輪に気づいて話し始める。
でも、あの指輪って曽戸さんのものなの!?
「え?この指輪、あなたのなの!?お返しします!」
「いやいや、そうじゃないよ!今はあなたのよ!ただ、使い方を知ってなさそうだったからね。」
遥の反応には納得… 俺も絶対そうなるわ。
それにしても、指輪の使い方って何…
「使い方?」
「ええ、ちょっと借りてもいい?損はさせないから!」
「え、ええ。」
指輪が曽戸さんの手に乗ると、急に光が漏れ始める。
そして、光が収まると曽戸さんの隣に宮本が立っていた。
「え!?宮本くん!?」
どうして!?っと教室が騒がしくなる。
そりゃ、今まで死んでたはずのクラスメイトが生きてるんだからね…
それに、遥なんて驚きすぎてか言葉にならない口を開けて、目からは涙がこぼれてるし。
あの時も思ったけど、宮本のことがよっぽど大切らしい。
「ほら、みんな静かに!曽戸さんと宮本くんは席に着いてー!授業を始めるよ!」
こんなにツッコミどころ満載のはずなのに、担任にはただ騒がしいだけに見えるみたい。
それに、宮本のことも何故か思い出しているようだった。
そして、異世界に行く前と同じメンバー+転校生での学校生活が始まった。
[完]
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
最後までお付き合いいただきありがとうございました!!
最後まで書けたのは皆さんが見てくださったおかげです(´இωஇ`)
24hポイントとお気に入り、しおりが私のやる気につながってました!!!
最後はちょっと駆け足?になってしまいましたが、これからは不定期で番外編とか書いていきたいと思います!
応援ありがとうございました!
Maiku
元の世界に帰ってきて1週間が経った頃、朝のホームルームで先生が転校生がいると言う。
今の時期は春でもなければ、夏休みの休み明けとか言うわけでもなく、とてつもなく中途半端な時期でこんな時に転校なんて聞いたことがなかった。
「さぁ、入ってきてー!」
ガラガラ…
「え…!?」
先生のいつもよりテンションの高く感じる声とともに、見覚えのある艶のある紺色ストレートヘアの女子が入ってくるので教室が騒がしくなる。
そりゃ、1週間くらい前に色々ありましたんで、覚えてますよ。
「え、あなたは!」
「…あら?皆さんこの方を知ってるのですか?じゃあ話は早そうですね!では曽戸さん、簡単に自己紹介お願いします!」
曽戸さん…?
「はい!私は曽戸優夜です。改めまして、よろしくお願いします!」
は!?にっこり笑いながら挨拶してるけど、なんか日本人らしい名前になってる!?
それに気づいたけど、入れ替えればヨグソトース!当て字なんだ!?
「席はー、あ。…あの席、どうしてかずっと空いてるんだよね…? 曽戸さんはあの席に座ってね!」
「はい!」
え、あの席は…
先生は覚えてないみたいだけど、あの席は、向こうの世界にいた頃に死んでしまったクラスメイト、宮本真弘の席だった。
少し戻ってきた頃の話に戻る…
この世界に戻ってきて初めにやろうとしたこと、それは宮本の遺体をご遺族に届けることだった。
クラス全員で行く訳にも行かなかったし、どう説明していいのかも分からなかったから、とりあえず委員長と、宮本を見つけた遥と俺の3人で担任のところに話に行った。
でも、担任のところに行くと
「もう!からかわないでくださいっ!そういうの苦手なの知ってるでしょ??私のクラスには宮本真尋くんなんて子はいません!」
って言われて、ほんとに覚えてなさそうだし、こんなこと言われたらなんも言えないし…
でも宮本の親なら覚えてるかもしれないと思って、遥が宮本の家を知ってるって言うから案内してもらった。でも、そこでは
「あら遥ちゃんじゃない!でも、うちに息子が居ないの知ってるでしょ?今どきは変わった遊びが流行ってるのね??」
って言われて全く覚えてなかった…
宮本との関係について後で遥に聞いたら、宮本の親と遥の親が仲良くて、ご飯食べたり遊んだりしたことがあったらしいけど、遥のこと以外何も覚えてなさそうだった…
…そのまま宮本についてはどうすることもできず、気がつけば1週間経ってた。
「あ!その指輪!あなたが持ってたのね!!」
え?
ヨグ=ソトースならぬ曽戸さんが、遥の隣を通り過ぎる時に指に嵌っていた指輪に気づいて話し始める。
でも、あの指輪って曽戸さんのものなの!?
「え?この指輪、あなたのなの!?お返しします!」
「いやいや、そうじゃないよ!今はあなたのよ!ただ、使い方を知ってなさそうだったからね。」
遥の反応には納得… 俺も絶対そうなるわ。
それにしても、指輪の使い方って何…
「使い方?」
「ええ、ちょっと借りてもいい?損はさせないから!」
「え、ええ。」
指輪が曽戸さんの手に乗ると、急に光が漏れ始める。
そして、光が収まると曽戸さんの隣に宮本が立っていた。
「え!?宮本くん!?」
どうして!?っと教室が騒がしくなる。
そりゃ、今まで死んでたはずのクラスメイトが生きてるんだからね…
それに、遥なんて驚きすぎてか言葉にならない口を開けて、目からは涙がこぼれてるし。
あの時も思ったけど、宮本のことがよっぽど大切らしい。
「ほら、みんな静かに!曽戸さんと宮本くんは席に着いてー!授業を始めるよ!」
こんなにツッコミどころ満載のはずなのに、担任にはただ騒がしいだけに見えるみたい。
それに、宮本のことも何故か思い出しているようだった。
そして、異世界に行く前と同じメンバー+転校生での学校生活が始まった。
[完]
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
最後までお付き合いいただきありがとうございました!!
最後まで書けたのは皆さんが見てくださったおかげです(´இωஇ`)
24hポイントとお気に入り、しおりが私のやる気につながってました!!!
最後はちょっと駆け足?になってしまいましたが、これからは不定期で番外編とか書いていきたいと思います!
応援ありがとうございました!
Maiku
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