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本編
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パキンっ!
全員での一斉攻撃を打った後、何かが割れたような軽い音が響き渡った。
「え!?」
「なに!?石、割れたんじゃ!?」
『そんなわけ…』
『…まじか』
最後のふたりはザガンと巨人。
巨人もザガンみたいに念話できたならしてくれてたら良かったのに。なんて思ったけど、してくれてても戦うことに変わりはなかったか。
攻撃した直後は煙で石の姿は見えていなかったけど、時間もたってだんだんと見えるようになってくる…
そして、煙の晴れたその先には… なんと、予想通りの綺麗にふたつに割れた石があった!
フラグにならなかった!
ガタガタガタガタ…
「なに!?」
「崩れるの!?」
割れた封印石を見たあと、ガタガタという振動がこの真っ暗な空間に響き始める。
ここは多分部屋なんだろうけど、割れた地面を飛び降りてきたわけで洞窟を削った場所だってことも考えられる…
それに、核となるものが破壊されたら洞窟が崩れるなんてことはお約束。
この場合、あの封印石が核だって答え、誰だって思いつくだろ…
振動が強くなって逃げようかと話し合っていた時、急に目の前から強く風が吹いてきた。
どこから風が吹いてきたのかと思ってクラスメイトから前に視線を向ける。
すると、石があった場所が強く光っていて…
「うわっ!?」
ハッと思った時には部屋中が強い光に包まれ、思わず目を閉じた。
「う、ん…?」
光は強かったけど、何も衝撃は来なくて、なんなら振動も収まってて、恐る恐る目を開く。
それに、どこか温かさも感じる…
すると、目の前は変わらない真っ黒な部屋のはずなのに、石のあった場所にはさっきの光を弱くしたような光を纏ったどこか見覚えのある人が立っていて、驚きからか固まったままのザガンと巨人の方を見ていた。
と思ってたけど、ぐるっと首をこちらに向けたと思ったら話しかけてくる。
『君たちが封印を解いてくれたのね!もうずっとこのままだと思って諦めてたのに!!ありがとうー!!』
「……?」
え…、何!?
俺たちクラスメイトの気持ちは多分同じ。
どこかで聞き覚えのあるようなすごいフレンドリーで一方的な話し方をする人。
うーん…
『ヨグ=ソトースだよ!一緒に遊んでたのに、もう忘れちゃってたなんて信じられないよ!』
「あ!」
誰かと思ってたけど、あの第三階層で急に攻撃をふっかけてきた神様にそっくりだったんだ!
たしかにこの感じ、わかる気がする!
でも、姿が…?
あの時は、ただ黒髪で女だなって思う印象くらいしか無かった。
なのに、今の姿は艶の見える紺色ストレートの髪と青い瞳、白く透き通るような肌に白い羽衣のような服…
…こんなに違ってて気づくわけないよね!
『まぁ、いいや!封印を解いてくれたおかげで全部思い出したんだ!この姿がホントのわたし。…あ、ちょっとまってて!』
え?と思ったけど疑問は一瞬で解消される。
さっきまで合流してなかったはずのクラスメイトが次々に現れ始めて、無理だと思っていたのにまた会えた。
「麗奈!」
「はるかー!!」
もちろん、俺たちも最後のパーティーメンバーの麗奈に会えて、ちょっと涙出た…
全員での一斉攻撃を打った後、何かが割れたような軽い音が響き渡った。
「え!?」
「なに!?石、割れたんじゃ!?」
『そんなわけ…』
『…まじか』
最後のふたりはザガンと巨人。
巨人もザガンみたいに念話できたならしてくれてたら良かったのに。なんて思ったけど、してくれてても戦うことに変わりはなかったか。
攻撃した直後は煙で石の姿は見えていなかったけど、時間もたってだんだんと見えるようになってくる…
そして、煙の晴れたその先には… なんと、予想通りの綺麗にふたつに割れた石があった!
フラグにならなかった!
ガタガタガタガタ…
「なに!?」
「崩れるの!?」
割れた封印石を見たあと、ガタガタという振動がこの真っ暗な空間に響き始める。
ここは多分部屋なんだろうけど、割れた地面を飛び降りてきたわけで洞窟を削った場所だってことも考えられる…
それに、核となるものが破壊されたら洞窟が崩れるなんてことはお約束。
この場合、あの封印石が核だって答え、誰だって思いつくだろ…
振動が強くなって逃げようかと話し合っていた時、急に目の前から強く風が吹いてきた。
どこから風が吹いてきたのかと思ってクラスメイトから前に視線を向ける。
すると、石があった場所が強く光っていて…
「うわっ!?」
ハッと思った時には部屋中が強い光に包まれ、思わず目を閉じた。
「う、ん…?」
光は強かったけど、何も衝撃は来なくて、なんなら振動も収まってて、恐る恐る目を開く。
それに、どこか温かさも感じる…
すると、目の前は変わらない真っ黒な部屋のはずなのに、石のあった場所にはさっきの光を弱くしたような光を纏ったどこか見覚えのある人が立っていて、驚きからか固まったままのザガンと巨人の方を見ていた。
と思ってたけど、ぐるっと首をこちらに向けたと思ったら話しかけてくる。
『君たちが封印を解いてくれたのね!もうずっとこのままだと思って諦めてたのに!!ありがとうー!!』
「……?」
え…、何!?
俺たちクラスメイトの気持ちは多分同じ。
どこかで聞き覚えのあるようなすごいフレンドリーで一方的な話し方をする人。
うーん…
『ヨグ=ソトースだよ!一緒に遊んでたのに、もう忘れちゃってたなんて信じられないよ!』
「あ!」
誰かと思ってたけど、あの第三階層で急に攻撃をふっかけてきた神様にそっくりだったんだ!
たしかにこの感じ、わかる気がする!
でも、姿が…?
あの時は、ただ黒髪で女だなって思う印象くらいしか無かった。
なのに、今の姿は艶の見える紺色ストレートの髪と青い瞳、白く透き通るような肌に白い羽衣のような服…
…こんなに違ってて気づくわけないよね!
『まぁ、いいや!封印を解いてくれたおかげで全部思い出したんだ!この姿がホントのわたし。…あ、ちょっとまってて!』
え?と思ったけど疑問は一瞬で解消される。
さっきまで合流してなかったはずのクラスメイトが次々に現れ始めて、無理だと思っていたのにまた会えた。
「麗奈!」
「はるかー!!」
もちろん、俺たちも最後のパーティーメンバーの麗奈に会えて、ちょっと涙出た…
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