【完結】ゲーム風世界にクラス転移するなんて誰が思う!?

雨野まいく

文字の大きさ
上 下
16 / 43
本編

11

しおりを挟む
 俺たちは、涼介にクラスチャットしてもらっている間に次の方針を立てることにした。

「すでにクラスで振り分けた場所の探索は終わったわけだけど、みんなこれからどうしたい?」
「えっと遥?元の部屋。あ、生贄製造室?に集合じゃなかったっけ?」

 今、リーダーの涼介はチャット中で手が離せないからサブリーダーの遥がしきるのは分かる。でも、麗奈の言った通り、俺達は別行動を開始する前に探索が終わればあの、このステージが始まった場所に集合しようと決めていた。だから俺も、遥がどうしたいか聞くのはおかしいと思った。

「ふふふ。晶以外は訳がわからないって顔してるわね?」
「えっ!あっきーは分かってるの!?」
「麗奈、そろそろあっきー呼びはよしてくれって言ってるだろ!?子どもっぽくって嫌なんだよ…。でも、確かに俺は遥が言いたいことは分かるかな?」
「うー、イライラするー!!」

 麗奈のいつも通りの「あっきー」呼びに晶は、呆れたように頭をポリポリかきながらツッコミを入れ、その後にお前ら分からないだろ?というかのようにドヤ顔で麗奈に返していた。
 また、晶は晶で挑発するようなことを…。
 まぁ、俺たちにとったらこの流れはお約束なようなものでもあるんだけど、麗奈はすぐ人を愛称で呼ぼうとするからなぁ。
 一応このメンバーの中で愛称で呼ばれてないのは遥くらいだから。ああ見えて、遥は怒ると怖いからな、あとは察してくれ…。
 俺は「ゆうくん」って感じでまだましだけど。晶はあっきーだからな。呼ばれてから晶が挑発して麗奈がむすっとするまでがいつものセットだな!


「まぁまあ、晶も喧嘩売らないの!このことはみんなにまだ伝えてなかったことじゃない。」
「そうだけどさ?アイツが何度言っても直そうとしないから…」
「麗奈は前からそういうとこあるじゃない。もう、ああいう子なのよ。」
「は、遥!?遥は私の味方だと思ってたのにー!」
「それで、みんなにはまだ説明してなかったんだけど…。私たちって情報を共有するために1日使ったじゃない?」
「ああ、そうだな。」
「うん。」
「それで、その間にほかのパーティーは振り分けられた部屋の探索が終了してるところが多くて、私たちが合流できるまで見逃したところがないか確認することも兼ねて自由探索することになったのよ。だからみんなにどうしたいかを聞いたってわけ!」
「そういうことだ!今、涼介は俺たちが合流できることも合わせてチャットしてくれてると思う。だけど、そうは言っても俺たちの回復が思ったより早くて、自由探索も途中ぽいから俺たちもどこか行きたいなって思ったわけよ!」
「私たちがクラスに共有する内容が、結構重大なことでもあるからすぐ集合かかるかもしれないけど、じっとしてるのも嫌じゃない?」
「そういうことだったのね!私も探索に賛成!」
「たしかに、じっとしてるのは時間も無駄だしな。」
「俺も性に合わない。」
「うん。みんなそう言うと思ってたわ!それから、言いにくいんだけど… 今言ったこと全部クラスチャットにあることだから、みんなもこまめに確認するよう習慣づけてよね?」
「「ゔっ」」

 遥と晶が説明してくれた内容。これは俺にとって初耳のことだったけど、たしかにリーダーとかサブリーダーでもないしって思ってクラスチャットを見てなかったことも確かだった。
 ダメだよな、人任せにして自分のすべきことを放棄するとか。このことだってみんな知ってれば、説明時間なんて無駄な時間は省略できたわけだし…。今回は別に命に関わることじゃなかったけど、もしかしたら時間を争う事態になる可能性もあったわけで…

「気をつけます…」
「それならよろしい!それで、どこ行く??」
「あ!それなんだけど、一旦初めの場所に戻るのはどう?」
「あら、裕也。それはどうして?」
「うん、俺たちはあの場所からこのステージ始まったけど、その場所自体はよくみてなかっただろ?だから何かあるんじゃないかと思ってさ。」
「なるほど、一理あるわね。私は賛成よ。」
「俺もいいと思う。」
「俺も裕也のに賛成!」
「ゆうくんさすがね!」
「じゃあ決まったところで、涼介が終わったら出発だな。それまで休憩!」
「「おー!」」


「ふぅ、待たせたな!結論から言うと明日の昼に初期位置に集合ってことになった」
「涼介ありがと」
「ありがとう、了解した!」
「はーい!わかった!」
「それで、今日はもう遅いし明日の午前中はあの初期位置の探索をするってことでいいのか?」
「ええ、涼介もそれでいいかしら?」
「ああ、おれもあの場所はあまりみてなかったしな。じゃあ、明日は6時ごろに出発できるように今日は早めに休むとしよう。」
「「おー!」」
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

[完結] 邪魔をするなら潰すわよ?

シマ
ファンタジー
私はギルドが運営する治療院で働く治療師の一人、名前はルーシー。 クエストで大怪我したハンター達の治療に毎日、忙しい。そんなある日、騎士の格好をした一人の男が運び込まれた。 貴族のお偉いさんを魔物から護った騎士団の団長さんらしいけど、その場に置いていかれたの?でも、この傷は魔物にヤられたモノじゃないわよ? 魔法のある世界で亡くなった両親の代わりに兄妹を育てるルーシー。彼女は兄妹と静かに暮らしたいけど何やら回りが放ってくれない。 ルーシーが気になる団長さんに振り回されたり振り回したり。 私の生活を邪魔をするなら潰すわよ? 1月5日 誤字脱字修正 54話 ★━戦闘シーンや猟奇的発言あり 流血シーンあり。 魔法・魔物あり。 ざぁま薄め。 恋愛要素あり。

子持ちの私は、夫に駆け落ちされました

月山 歩
恋愛
産まれたばかりの赤子を抱いた私は、砦に働きに行ったきり、帰って来ない夫を心配して、鍛錬場を訪れた。すると、夫の上司は夫が仕事中に駆け落ちしていなくなったことを教えてくれた。食べる物がなく、フラフラだった私は、その場で意識を失った。赤子を抱いた私を気の毒に思った公爵家でお世話になることに。

どうも、死んだはずの悪役令嬢です。

西藤島 みや
ファンタジー
ある夏の夜。公爵令嬢のアシュレイは王宮殿の舞踏会で、婚約者のルディ皇子にいつも通り罵声を浴びせられていた。 皇子の罵声のせいで、男にだらしなく浪費家と思われて王宮殿の使用人どころか通っている学園でも遠巻きにされているアシュレイ。 アシュレイの誕生日だというのに、エスコートすら放棄して、皇子づきのメイドのミュシャに気を遣うよう求めてくる皇子と取り巻き達に、呆れるばかり。 「幼馴染みだかなんだかしらないけれど、もう限界だわ。あの人達に罰があたればいいのに」 こっそり呟いた瞬間、 《願いを聞き届けてあげるよ!》 何故か全くの別人になってしまっていたアシュレイ。目の前で、アシュレイが倒れて意識不明になるのを見ることになる。 「よくも、義妹にこんなことを!皇子、婚約はなかったことにしてもらいます!」 義父と義兄はアシュレイが状況を理解する前に、アシュレイの体を持ち去ってしまう。 今までミュシャを崇めてアシュレイを冷遇してきた取り巻き達は、次々と不幸に巻き込まれてゆき…ついには、ミュシャや皇子まで… ひたすら一人づつざまあされていくのを、呆然と見守ることになってしまった公爵令嬢と、怒り心頭の義父と義兄の物語。 はたしてアシュレイは元に戻れるのか? 剣と魔法と妖精の住む世界の、まあまあよくあるざまあメインの物語です。 ざまあが書きたかった。それだけです。

極悪家庭教師の溺愛レッスン~悪魔な彼はお隣さん~

恵喜 どうこ
恋愛
「高校合格のお礼をくれない?」 そう言っておねだりしてきたのはお隣の家庭教師のお兄ちゃん。 私よりも10歳上のお兄ちゃんはずっと憧れの人だったんだけど、好きだという告白もないままに男女の関係に発展してしまった私は苦しくて、どうしようもなくて、彼の一挙手一投足にただ振り回されてしまっていた。 葵は私のことを本当はどう思ってるの? 私は葵のことをどう思ってるの? 意地悪なカテキョに翻弄されっぱなし。 こうなったら確かめなくちゃ! 葵の気持ちも、自分の気持ちも! だけど甘い誘惑が多すぎて―― ちょっぴりスパイスをきかせた大人の男と女子高生のラブストーリーです。

元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~

おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。 どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。 そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。 その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。 その結果、様々な女性に迫られることになる。 元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。 「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」 今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。

【書籍化進行中、完結】私だけが知らない

綾雅(ヤンデレ攻略対象、電子書籍化)
ファンタジー
書籍化進行中です。詳細はしばらくお待ちください(o´-ω-)o)ペコッ 目が覚めたら何も覚えていなかった。父と兄を名乗る二人は泣きながら謝る。痩せ細った体、痣が残る肌、誰もが過保護に私を気遣う。けれど、誰もが何が起きたのかを語らなかった。 優しい家族、ぬるま湯のような生活、穏やかに過ぎていく日常……その陰で、人々は己の犯した罪を隠しつつ微笑む。私を守るため、そう言いながら真実から遠ざけた。 やがて、すべてを知った私は――ひとつの決断をする。 記憶喪失から始まる物語。冤罪で殺されかけた私は蘇り、陥れようとした者は断罪される。優しい嘘に隠された真実が徐々に明らかになっていく。 【同時掲載】 小説家になろう、アルファポリス、カクヨム、エブリスタ 2024/12/26……書籍化確定、公表 2023/12/20……小説家になろう 日間、ファンタジー 27位 2023/12/19……番外編完結 2023/12/11……本編完結(番外編、12/12) 2023/08/27……エブリスタ ファンタジートレンド 1位 2023/08/26……カテゴリー変更「恋愛」⇒「ファンタジー」 2023/08/25……アルファポリス HOT女性向け 13位 2023/08/22……小説家になろう 異世界恋愛、日間 22位 2023/08/21……カクヨム 恋愛週間 17位 2023/08/16……カクヨム 恋愛日間 12位 2023/08/14……連載開始

父が再婚しました

Ruhuna
ファンタジー
母が亡くなって1ヶ月後に 父が再婚しました

処理中です...