【完結】ゲーム風世界にクラス転移するなんて誰が思う!?

雨野まいく

文字の大きさ
上 下
15 / 43
本編

10.5

しおりを挟む
健(モブくん)日記の続き

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 俺たちのパーティーは朝起きて準備をすましてから、昨日見つけた地下室の階段を降りてみた。
 あの、叫び声にびっくりしてテーブル吹っ飛ばして見つけたあの地下室への階段のことだ…
 うっ、書いてて恥ずかしいな!


 地下室の階段はよくあるように、真っ暗で何も見えない…ということも無く、真っ白の壁と階段が淡く光を放っていてとても見やすかった。
 だから降りてみたんだけど、もちろん誰も足を踏み外して落ちるようなトラブルはなかった。

 まぁ、この地下室への階段が真っ暗だったら降りるのを躊躇ためらっていたはずだから、あとから考えると真っ暗の方が良かったかもしれないけどね…





 地下室に降りてみて1番はじめに見えてきたものは、大きな扉だった。
 その扉をよくみてみると、太陽をバックにこちらに手を差し伸べるキラキラした人が彫られててキレイだし、空間自体が白いからか神聖さを感じた。

 はじめに言っておくと、俺は神様とかそんな非科学的なものは信じてない。
 まぁ、元旦とかは親に連れられて神社に初詣に行って「彼女できますように!」とか「赤点取りませんように!」とかお願いするけど、そんなの誰だってそうだろ??
 ついでに言えば、実際どんな神様がまつられてるのかとかもよく知らないし、お願いしといてなんだけど叶うとか期待もしてない。
 だって、生まれてこの方告白はもちろん、彼女なんてできたこともされたこともないし、英語も毎回赤点だし…

 はぁ…
 どうして俺は、こんな悲しくなるようなこと考えてるんだか。
 とにかく!こんな神様なんてよく知らない俺でも鳥肌が立つくらい神聖な気を扉から感じたってこと!
 それに大袈裟だと思うかもしれないけど、ヒーラーの遠坂とおさかなんて真っ青になりながら、反射的に膝をついて祈りのポーズをとるくらいだったんだからな!?
 あれは、見てるこっちが心配するレベルだった。

 まぁ、都合のいい時だけ神頼みするような俺はもちろんのこと、治癒とか神様と関係のあるやつは咄嗟に行動に出るくらい神力をビシビシと感じたということを分かってくれたらいい。
 そんくらいやばい扉が地下には隠されていたんだ。





 もちろん、俺たちの目的は地下室の捜索なわけだから扉を見つけて終わったわけではない。

 でも、一応休憩を挟むことにした。
 遠坂の様子の状態を見ておいたほうがいいと直感が言っていたからな!
 それに、遠坂は俺たちパーティーの命綱でもあるということもあって、どんな変化があったのかもしっかり把握しておくことにした。


 それで遠坂の言葉を聞いた俺たちは驚いた。

「あ!私の治癒スキルのレベルが上がってる!それに、神聖力に満ちた空間にいると私のステータスが全体的に2倍になるみたい!」

 これはすごい発見だと思った!
 遠坂の治癒のレベルは元々レベル3だった。
 一応言うと、一般的なスキルレベルの目安は、1が素人、2~3が見習い、4~6が一人前、7~8がベテラン、9~10が達人と言う感じ。
 それが、レベル4まで上がったのだ。見習いレベルから一人前まで上がるのも大変だから相当すごい空間だってことが分かると思う。

 でもそれだけじゃない、ステータスが全体的に2倍になるって言うのはチームの総合力も上がるし、結構大きなことだった。

 この確認で、遠坂にはこの空間にいる限りバフがかかるという重大な情報を得ることができた。
 それにこれは予想だけど、遠坂みたいなヒーラーとか僧侶など、神に関わる職業を持つ人はだれでも当てはまるようなことかもしれない。


 今回地下に降りてみて、まだ扉もくぐってない状態なのに役立つ情報が手に入った。
 こんな美味しい環境で、この先。この扉の向こうには何が待ち受けているのか、俺は少しワクワクした。
 俺の評価も変わるかもしれないし、みんなに報告するのが楽しみだ!


 今思えばこの選択は正解でもあり、間違いでもあったのだと思う。




 休憩を終えてから俺たちは、期待をふくらませて扉を潜った。


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

続きは同じく、〇.5のような感じで書いていきます!
何だか第2の主人公みたいな気持ちですね(笑)
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

[完結] 邪魔をするなら潰すわよ?

シマ
ファンタジー
私はギルドが運営する治療院で働く治療師の一人、名前はルーシー。 クエストで大怪我したハンター達の治療に毎日、忙しい。そんなある日、騎士の格好をした一人の男が運び込まれた。 貴族のお偉いさんを魔物から護った騎士団の団長さんらしいけど、その場に置いていかれたの?でも、この傷は魔物にヤられたモノじゃないわよ? 魔法のある世界で亡くなった両親の代わりに兄妹を育てるルーシー。彼女は兄妹と静かに暮らしたいけど何やら回りが放ってくれない。 ルーシーが気になる団長さんに振り回されたり振り回したり。 私の生活を邪魔をするなら潰すわよ? 1月5日 誤字脱字修正 54話 ★━戦闘シーンや猟奇的発言あり 流血シーンあり。 魔法・魔物あり。 ざぁま薄め。 恋愛要素あり。

子持ちの私は、夫に駆け落ちされました

月山 歩
恋愛
産まれたばかりの赤子を抱いた私は、砦に働きに行ったきり、帰って来ない夫を心配して、鍛錬場を訪れた。すると、夫の上司は夫が仕事中に駆け落ちしていなくなったことを教えてくれた。食べる物がなく、フラフラだった私は、その場で意識を失った。赤子を抱いた私を気の毒に思った公爵家でお世話になることに。

どうも、死んだはずの悪役令嬢です。

西藤島 みや
ファンタジー
ある夏の夜。公爵令嬢のアシュレイは王宮殿の舞踏会で、婚約者のルディ皇子にいつも通り罵声を浴びせられていた。 皇子の罵声のせいで、男にだらしなく浪費家と思われて王宮殿の使用人どころか通っている学園でも遠巻きにされているアシュレイ。 アシュレイの誕生日だというのに、エスコートすら放棄して、皇子づきのメイドのミュシャに気を遣うよう求めてくる皇子と取り巻き達に、呆れるばかり。 「幼馴染みだかなんだかしらないけれど、もう限界だわ。あの人達に罰があたればいいのに」 こっそり呟いた瞬間、 《願いを聞き届けてあげるよ!》 何故か全くの別人になってしまっていたアシュレイ。目の前で、アシュレイが倒れて意識不明になるのを見ることになる。 「よくも、義妹にこんなことを!皇子、婚約はなかったことにしてもらいます!」 義父と義兄はアシュレイが状況を理解する前に、アシュレイの体を持ち去ってしまう。 今までミュシャを崇めてアシュレイを冷遇してきた取り巻き達は、次々と不幸に巻き込まれてゆき…ついには、ミュシャや皇子まで… ひたすら一人づつざまあされていくのを、呆然と見守ることになってしまった公爵令嬢と、怒り心頭の義父と義兄の物語。 はたしてアシュレイは元に戻れるのか? 剣と魔法と妖精の住む世界の、まあまあよくあるざまあメインの物語です。 ざまあが書きたかった。それだけです。

極悪家庭教師の溺愛レッスン~悪魔な彼はお隣さん~

恵喜 どうこ
恋愛
「高校合格のお礼をくれない?」 そう言っておねだりしてきたのはお隣の家庭教師のお兄ちゃん。 私よりも10歳上のお兄ちゃんはずっと憧れの人だったんだけど、好きだという告白もないままに男女の関係に発展してしまった私は苦しくて、どうしようもなくて、彼の一挙手一投足にただ振り回されてしまっていた。 葵は私のことを本当はどう思ってるの? 私は葵のことをどう思ってるの? 意地悪なカテキョに翻弄されっぱなし。 こうなったら確かめなくちゃ! 葵の気持ちも、自分の気持ちも! だけど甘い誘惑が多すぎて―― ちょっぴりスパイスをきかせた大人の男と女子高生のラブストーリーです。

元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~

おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。 どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。 そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。 その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。 その結果、様々な女性に迫られることになる。 元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。 「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」 今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。

【完結】あなたに知られたくなかった

ここ
ファンタジー
セレナの幸せな生活はあっという間に消え去った。新しい継母と異母妹によって。 5歳まで令嬢として生きてきたセレナは6歳の今は、小さな手足で必死に下女見習いをしている。もう自分が令嬢だということは忘れていた。 そんなセレナに起きた奇跡とは?

【完結】もう…我慢しなくても良いですよね?

アノマロカリス
ファンタジー
マーテルリア・フローレンス公爵令嬢は、幼い頃から自国の第一王子との婚約が決まっていて幼少の頃から厳しい教育を施されていた。 泣き言は許されず、笑みを浮かべる事も許されず、お茶会にすら参加させて貰えずに常に完璧な淑女を求められて教育をされて来た。 16歳の成人の義を過ぎてから王子との婚約発表の場で、事あろうことか王子は聖女に選ばれたという男爵令嬢を連れて来て私との婚約を破棄して、男爵令嬢と婚約する事を選んだ。 マーテルリアの幼少からの血の滲むような努力は、一瞬で崩壊してしまった。 あぁ、今迄の苦労は一体なんの為に… もう…我慢しなくても良いですよね? この物語は、「虐げられる生活を曽祖母の秘術でざまぁして差し上げますわ!」の続編です。 前作の登場人物達も多数登場する予定です。 マーテルリアのイラストを変更致しました。

処理中です...