57 / 61
学園編
隠し通路と生徒会
しおりを挟む
次の日の午前の授業が終わったあと、生徒会に加入することになったメンバーで生徒会室に向かうことにした。本当はサークルの出し物が見たいけど…
「皆バッチは襟に付けたわね?」
「もちろんです」
「いいわ。では行きますわよ!」
今日もローズマリー様がまとめてくれるようですね!公爵令嬢なだけあって、みんなを引っ張るのが好きなのかな?これが生まれながらの才能と言うやつか…なるほど。
今日の私たちは、昨日生徒会長に教えてもらった裏道を通って生徒会室に向かうことになっている。あれから凄かったんだから!
まず、食堂に向かうまでは昨日と同じ。
「えっと、ここで合っていたわよね。」
「はい、そのまま通れるはずですわ。」
えっとね、今は食堂から2階に上がる階段まで来たんだけど、普通には階段を登らないの!
階段の裏側の壁は、実は隠し通路に繋がってるみたいで、このバッチをつけていたら壁を通り抜けられるカラクリになってるんだって!さすが王族が作った学園って感じだよね。 王宮にも脱出のため、迷路のような隠し経路があるってよくいうけどそういう技術なんだろうなぁ…!
「ふぅ、通れたわ!あ、静かにしないといけないんだったわね…」
ふふっ、ローズマリー様けっこう緊張してますね!確かに、こんな一般生徒は知らないし、限られた人しか通れない通路だなんてワクワクしますし緊張もしますよね… 私はワクワクの方が大きいですけどね!
それから静かにしないといけないのは、壁の奥に入ってしまえば姿は見えませんけど、近くにいるのは確かなので外にいる人へ声が聞こえてしまうからなんですよね。うん、そこは難点かなって思ったりしますけど、階段の裏に近づくような人ってあまりいませんよね? なので、そこまで心配はないみたいですよ!
そして、階段の裏から隠し通路に入って、少し進むと階段があるのでその階段を昇っていけば、生徒会室のある3階の廊下にたどり着けるというわけです!
昨日バーチ様と息をひそめていた所に出てくるみたいですけど、その時に階段に気づけなかったのは、もちろんバッチがなかったからですね。 人が急に出てこなくてよかったですよ…
コンコンコン
「はい、どうぞ。」
あ、今日は副会長の声ではなく生徒会長の声みたいだ。副会長のテンションで出迎えられると少し驚くよね?あはは
「失礼致します。」
「いらっしゃい。今日は来てもらってすまないね… もう少ししたらエリアスも来ると思うから、そこのソファーで座って待っててもらえるかな。」
「はい、分かりましたわ」
それぞれ返事をしてからソファーに腰を下ろす。すると、机の魔法陣が発動して目の前に紅茶とお菓子が出てきた。えっと、なにこの無駄な魔法!?紅茶くらい自分で準備するのに…
「ああ、その魔法陣はね… ちょっとお茶の準備とかめんどくさくて…」
私の表情がそんなに分かりやすかったのか、説明してくれたけど…いや、私以外にも同じことを思ってそうな顔があったわ! えっと、王太子殿下って、実はめんどくさがりやなの!?
「そ、そうなんですのね?おほほ… いただきますわ。」
「どうぞ」
ローズマリー様もこの魔法陣には驚きなのか、戸惑っているのが分かりますね… はい、実は私以上に分かりやすい表情をしていたのはローズマリー様だったのでした!
それからしばらくするとノックが響いてから副会長のエリアス様が帰ってきた。
「アル、あの資料だけど…
あ、いらっしゃい!お待たせしてごめんね?」
あら?エリアス様が入ってきた時、なんだか雰囲気が違う気がしたけど気のせいかな。うん、昨日と同じ雰囲気だ!
「エリアス、ありがとう。
では、改めて生徒会へようこそ。そして、エリアスも来たところで昨日できなかった説明をしていこうと思う。」
生徒会長の話によると、この生徒会のメンバーは私たち1年生を除くと、生徒会長の王太子殿下と副会長のエリアス様の2人だけなんだとか。ここは大きな学園なのに人数が少ないと思うよね?
こんなに人数が少ない理由は、噂で聞いた話ではあるけれど… 王太子殿下が入学して生徒会に入ると生徒会への加入希望者が増え、それから生徒会内部で問題が起こり始め、その問題の生徒達を一掃したんだとか…怖っ!?
そして、生徒会での仕事は大きく資料整理やイベントの準備、要望や相談の対応があるけどそこまで大変ではないらしい。それについては、たぶん生徒会長達が優秀すぎるだけの気がするけど…
今年からは人数も増えたので、その内容に加えてボランティア活動も行っていく予定だとか。
それから、私達1年生の役職についてだけど、会議などの記録をする『書記』、金銭的な管理をする『会計』、イベントなどの告知をする『広報』、全般の雑務をする『庶務』。この4つに分けていくつもりだということの説明を受けた。
まずはどれに向いているか調べるために全部やってみるらしいけど、そういう所は普通だね?
「活動の開始としては、君達は学園に入学したばかりでまだ忙しいと思うから、来週から行いたいと思っているが大丈夫だろうか?」
生徒会の人数が足りていないことからすぐに活動を開始したいと言われると思っていたのに…!いい意味で、予想と違っていたのでびっくりしてます!ありがたいです!
「はい、大丈夫です。お気遣いありがとうございます!」
「いえいえ、では話は以上かな。早く学園になじめるように、分からないことがあったら聞きにおいでね。」
「明日は他のサークルの出し物を見て回っても楽しいと思うよ!顔繋ぎにもなるしね!では、来週楽しみにしてるねー」
「はい、ありがとうございました!失礼致します。」
サークル勧誘期間は明日で最後。今週の学園に行く日も明日で最後。ですが、残りの時間はサークルの出し物を満喫してみせますよ!
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
ひとりごと?余談?ですが…
生徒会で起きた問題といえば、王太子殿下への女子生徒による色じかけとか定番ですよね。多分それが起きたのでしょう。そりゃあ一掃されますよね!
そして、言葉には出してませんが、今のリアちゃんたちはどんな人か、人柄を試されている段階という感じですかね。お眼鏡にかなえば副会長の話し方も素になるのではないでしょうか!
今日も読んでいただけて嬉しいです!ありがとうございました!
「皆バッチは襟に付けたわね?」
「もちろんです」
「いいわ。では行きますわよ!」
今日もローズマリー様がまとめてくれるようですね!公爵令嬢なだけあって、みんなを引っ張るのが好きなのかな?これが生まれながらの才能と言うやつか…なるほど。
今日の私たちは、昨日生徒会長に教えてもらった裏道を通って生徒会室に向かうことになっている。あれから凄かったんだから!
まず、食堂に向かうまでは昨日と同じ。
「えっと、ここで合っていたわよね。」
「はい、そのまま通れるはずですわ。」
えっとね、今は食堂から2階に上がる階段まで来たんだけど、普通には階段を登らないの!
階段の裏側の壁は、実は隠し通路に繋がってるみたいで、このバッチをつけていたら壁を通り抜けられるカラクリになってるんだって!さすが王族が作った学園って感じだよね。 王宮にも脱出のため、迷路のような隠し経路があるってよくいうけどそういう技術なんだろうなぁ…!
「ふぅ、通れたわ!あ、静かにしないといけないんだったわね…」
ふふっ、ローズマリー様けっこう緊張してますね!確かに、こんな一般生徒は知らないし、限られた人しか通れない通路だなんてワクワクしますし緊張もしますよね… 私はワクワクの方が大きいですけどね!
それから静かにしないといけないのは、壁の奥に入ってしまえば姿は見えませんけど、近くにいるのは確かなので外にいる人へ声が聞こえてしまうからなんですよね。うん、そこは難点かなって思ったりしますけど、階段の裏に近づくような人ってあまりいませんよね? なので、そこまで心配はないみたいですよ!
そして、階段の裏から隠し通路に入って、少し進むと階段があるのでその階段を昇っていけば、生徒会室のある3階の廊下にたどり着けるというわけです!
昨日バーチ様と息をひそめていた所に出てくるみたいですけど、その時に階段に気づけなかったのは、もちろんバッチがなかったからですね。 人が急に出てこなくてよかったですよ…
コンコンコン
「はい、どうぞ。」
あ、今日は副会長の声ではなく生徒会長の声みたいだ。副会長のテンションで出迎えられると少し驚くよね?あはは
「失礼致します。」
「いらっしゃい。今日は来てもらってすまないね… もう少ししたらエリアスも来ると思うから、そこのソファーで座って待っててもらえるかな。」
「はい、分かりましたわ」
それぞれ返事をしてからソファーに腰を下ろす。すると、机の魔法陣が発動して目の前に紅茶とお菓子が出てきた。えっと、なにこの無駄な魔法!?紅茶くらい自分で準備するのに…
「ああ、その魔法陣はね… ちょっとお茶の準備とかめんどくさくて…」
私の表情がそんなに分かりやすかったのか、説明してくれたけど…いや、私以外にも同じことを思ってそうな顔があったわ! えっと、王太子殿下って、実はめんどくさがりやなの!?
「そ、そうなんですのね?おほほ… いただきますわ。」
「どうぞ」
ローズマリー様もこの魔法陣には驚きなのか、戸惑っているのが分かりますね… はい、実は私以上に分かりやすい表情をしていたのはローズマリー様だったのでした!
それからしばらくするとノックが響いてから副会長のエリアス様が帰ってきた。
「アル、あの資料だけど…
あ、いらっしゃい!お待たせしてごめんね?」
あら?エリアス様が入ってきた時、なんだか雰囲気が違う気がしたけど気のせいかな。うん、昨日と同じ雰囲気だ!
「エリアス、ありがとう。
では、改めて生徒会へようこそ。そして、エリアスも来たところで昨日できなかった説明をしていこうと思う。」
生徒会長の話によると、この生徒会のメンバーは私たち1年生を除くと、生徒会長の王太子殿下と副会長のエリアス様の2人だけなんだとか。ここは大きな学園なのに人数が少ないと思うよね?
こんなに人数が少ない理由は、噂で聞いた話ではあるけれど… 王太子殿下が入学して生徒会に入ると生徒会への加入希望者が増え、それから生徒会内部で問題が起こり始め、その問題の生徒達を一掃したんだとか…怖っ!?
そして、生徒会での仕事は大きく資料整理やイベントの準備、要望や相談の対応があるけどそこまで大変ではないらしい。それについては、たぶん生徒会長達が優秀すぎるだけの気がするけど…
今年からは人数も増えたので、その内容に加えてボランティア活動も行っていく予定だとか。
それから、私達1年生の役職についてだけど、会議などの記録をする『書記』、金銭的な管理をする『会計』、イベントなどの告知をする『広報』、全般の雑務をする『庶務』。この4つに分けていくつもりだということの説明を受けた。
まずはどれに向いているか調べるために全部やってみるらしいけど、そういう所は普通だね?
「活動の開始としては、君達は学園に入学したばかりでまだ忙しいと思うから、来週から行いたいと思っているが大丈夫だろうか?」
生徒会の人数が足りていないことからすぐに活動を開始したいと言われると思っていたのに…!いい意味で、予想と違っていたのでびっくりしてます!ありがたいです!
「はい、大丈夫です。お気遣いありがとうございます!」
「いえいえ、では話は以上かな。早く学園になじめるように、分からないことがあったら聞きにおいでね。」
「明日は他のサークルの出し物を見て回っても楽しいと思うよ!顔繋ぎにもなるしね!では、来週楽しみにしてるねー」
「はい、ありがとうございました!失礼致します。」
サークル勧誘期間は明日で最後。今週の学園に行く日も明日で最後。ですが、残りの時間はサークルの出し物を満喫してみせますよ!
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
ひとりごと?余談?ですが…
生徒会で起きた問題といえば、王太子殿下への女子生徒による色じかけとか定番ですよね。多分それが起きたのでしょう。そりゃあ一掃されますよね!
そして、言葉には出してませんが、今のリアちゃんたちはどんな人か、人柄を試されている段階という感じですかね。お眼鏡にかなえば副会長の話し方も素になるのではないでしょうか!
今日も読んでいただけて嬉しいです!ありがとうございました!
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
6
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる