夢の世界を救うには(仮)

雨野まいく

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学園編

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「お嬢様、朝ですよ!おはようございます。」

「うーん、おはよう…?」

魔道具のことを考えていたはずが、気がついたら朝だったようでマリアとメリアが起こしに来てくれたみたいです。うーん、眠たい…

「今日はよく眠れませんでしたか?」

「ううん、そんなことは無いんだけど考え事しながら寝ちゃってたからかな?」

「それでは、いつもより濃いめにいれておきましょう。」

「ありがとう!」

それからいつもより少し濃い紅茶を飲んで準備を始める。
そういえば、この世界の学校には制服があるということは毎日服を選ばなくていいってことよね! この世界では毎日マリアとメリアが準備してくれてるけど、日本では服選びとか結構大変だったなぁ~。この世界に来て3年もたったら元の世界が懐かしく感じるなぁ。

『お姉様、元の世界に戻りたい?』
『うーん、元の世界に戻っても勉強ばっかりだったしな。それに、学校以外はひきこもり気味でいてもいなくても変わらないくらいだったから、案外この世界にいる方がいい気がするかも。』
『そうなの?でも、お姉様は時々寂しそうな時とかあるから気になってたのよ。』
『え、そんな時あったの? 寂しいといえば、両親や仲良しの友達に会えないって言うのはたまに寂しくなるけど… でも、この世界ではマグノリアやこの世界の両親、お兄様やゼフ様という沢山の人に大切にされてるって感じるからそこまで寂しくないよ?私のことを秘密にしてるのは申し訳なく感じてるけど…』
『ふふっ!まだそんなこと気にしてたのね!もしかしたら気づいてる人はいるかもしれないけれど…誰も気にしてないわよ!それにしても、レイとシュリは今どこにいるのかしら。』
『そうね、毎日報告はくれるけれど最近姿を見てないものね… 精霊王についても進歩はないし。』
実は今、レイとシュリには精霊王の封印を解く方法を探すために各地て情報収集してもらっている最中で、最近は私の近くにはいない…。
もしかしたら入学式が何事もなく済んだのは、近くにレイとシュリがいなかったからとか??いや考えすぎか!
でも、精霊と契約することで繋がるラインは繋がったままなので、レイとシュリへの魔力供給は普通にできてるし、念話での会話も可能!あと、ラインが繋がっていることによって召喚することもできるようなので、いざと言う時は呼び出すように言われております。本当に、頼りにしてますよ!

『今のところ、精霊王はお姉様が身につけていたら安定することしか分かってないものね。』
『うん…』
精霊王の封印石について分かっていることは今までと変わらない。一度はずしてみたことがあったんだけど、建物が揺れ始めて大変だったわ…。急いで触れると安定したからよかったけれど、もう絶対に外せない。
でも、あの研究施設では暴走を止めたり、暴走を引き起こしたり自分達でしていたくらいだからなにか方法があるはずなのに全然情報がない。お父様に聞いてみたけど、あの施設は無くなっていたようで手がかりをつかめなかったみたいだし… 振り出しに戻るって感じだよね。


「お嬢様、髪型は昨日と同じでよろしかったでしようか?」

「ええ。あの髪型は邪魔にならないしちょうど良かったわ!」

「それなら良かったです!私はもう少し凝ったもが良かったのですが… はい、できましたよ!」

「完璧ね!マリア、メリア今日もありがとう!」

「いえ、とてもお似合いですよ!」

「今日も学園で無理をなさらず帰ってきてくださいませね!」

「ふふ!心配しすぎよ?ありがとう、行ってくるわね!」

準備が終わった私は、心配性なメイド2人を置いて、お兄様とゼフ様とファミリールームで合流し、学園に向かった。




教室に着くとデイジー様とバーチ様はまだのようだけど、ローズマリー様は席について読書をされていた。
とりあえず、昨日心配していたサークル勧誘は放課後に予定されているのでまだ時間はあるけど、ローズマリー様はまだ不安かもしれないので話しておかなくては!

「ローズマリー様、ごきげんよう!」

「ごきげんよう!マグノリア様、オリバー様、ゼファー様。昨日はよく眠れましたか?私はあのことが不安で…」

「ローズマリー様、それについてお話があるのですがよろしいでしょうか?」

「ええ…」

ローズマリー様の許可を貰った私は、机に荷物を置いて昨日分かったことを話した。

「え、そうでしたの!?私、噂を真に受けていたなんて、お恥ずかしい限りですわね…」

「いいえ、私も怖いと思いましたから、同じですわ!それに、最悪の事態を想定して行動することは大切なことですので、間違っていません。今後はきちんとした情報収集も大切になってきますけれど…」

「ありがとう。お茶会とメイドから聞いた話だったのだけれど、もう少し調べてみるべきだったのね… 勉強になったわ。」

「はい!それと、今回は誇張こちょうされた内容でしたが、このようなことはいつ起きてもおかしくはありません。なので、私達も気を引き締めて行きましょう!」

「ええ、そうね!私も気をつけるわね!」


この話が終わるとローズマリー様も安心したようで少し表情も和らいでいた。今日の授業は午前中はただの説明会で、多分授業の説明とかではないかと思う。
放課後のサークル勧誘まではまだ時間はありますが、何かが起きてからでは遅いので今日は私がいる間だけでもクラスに結界をはっておきましょう!

ローズマリー様との話が終わって少しするとデイジー様とバーチ様も到着されたようで、同じ話をすると授業の時間になった。
ダニエル先生、今日はちゃんと説明してくれるかな?



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