上 下
27 / 61
精霊王救出編

兄の気持ち(オリバー視点)

しおりを挟む
僕は旅から帰ったあと、毎朝屋敷の庭10週を走りはじめた。これは旅で自分の力不足を実感したから量を増やしたんだ。
僕は今まで剣術の方は父上を見てたからそのあこがれもあって毎日続けてだいぶ強くなったかなって思うけど、今回の旅で体力の無さをすごく感じたんだよね。
それに、建物の中だったり武器を持ってない時に敵に遭遇したりすると剣術だけじゃどうしようもなくなることにも気づいたんだ。だから体術の授業も習い始めたよ。

初めの頃はランニングや体術を増やして続けられるか不安に思うこともあったけど「これはリアや家族を守るためだ!」って毎日自分に気合を入れると頑張れるんだよね。
それに案外楽しんでる自分もいるんだ。体を動かすのは初めから好きだし、自分が強くなっていくのを実感するのとても楽しいからね。
あ、ランニングの件はまだリアには言ってないよ。知ると一緒に走るって言い出しそうだからね。

今のリアは旅から戻ったばかりだし、魔法に関する授業が始まったから自覚はしてないと思うけどとても体に負担がかかってると思うんだ。なんなら少し休んで欲しいくらいかな?
でも、精霊王の封印石を手に入れたことによって、多分これから危険が付きまとうようになるから強さも身につけて欲しいし、難しいところだよね… 僕がリアを守れるくらい強かったらまだ良かったのかな…
父上もリアの負担について考えたみたいだけど、魔法が使えるようになったリアに魔法の授業だけは無くす訳には行かないからって、それ以外の授業は無くすことでリアの負担も軽減させようと考えたみたい。
最近父上も王様に相談に行ったりとかで忙しそうにしてるから代わりに僕がリアのことを守れるように強くなるよ!



そして、リアの初めての魔法の授業が終わった翌日である今日。朝食の席でリアが授業が休みと言っていたので、本当は授業があったけど自分の授業や予定も急遽変更して、リアに城下町に降りようと提案した。
リアに休日を楽しんでもらうことと、精霊王の封印石を身につけやすくするためにネックレスを探すのが目的だ。ネックレスの事は、リアには父上とのサプライズで渡す予定なのでまだ内緒にしておかなきゃ。あと、リアが好きそうな人気のお店を、着替えを手伝ってくれるメイドから聞いておこう!

「ねえ、城下町でリアが喜んでくれそうなお店とかないかな?甘いお菓子が出るお店とかがいいんだけど。」

「お嬢様と行かれるのですね!それでしたら広場近くにある大通りのカフェが今人気ですよ。それにお嬢様の好きなイチゴのケーキもあります!予約しておきますか?」

大通りなら宝飾品店からも近場だし、おやつの時間にもちょうど良さそうだね。

「うん、そこが良さそうだね。お願いできるかな?」

「はい、任せてください!!おやつの時間に予約しておきますね!」

よし、これでリアの喜んだ顔が見れるはずだ。僕も甘いものが好きだし、半分ずつ食べればリアが夕食が食べられなくなるような心配もないし、計画も完璧かな?

リアの支度も終わった頃だし迎えに行こう。外出するからって、きっと可愛くなってるんだろうなぁ…
リアを迎えに行くとやっぱり可愛くて、瞳と同じピンク色のワンピースがとても似合ってて、ついつい頬が緩んでしまった。



宝飾品店に行った時、ちょっとリアを見すぎていたようで、リアのネックレスを選んでるのを気づかれたかと思った。でも、リアが気にいったものがあって良かったな。
宝石にツタが絡まるようなデザインだと精霊王の封印石を宝石に見立ててもちょうどいいし、リアもそのことを考えながら見てたのかもね?
ペンダントにして身につけるようになれば、今後ドレスを着た時もつけて貰える。父上にも確認しないといけないけど、選ばせてもらえて良かったな。

リアに似合うアクセサリーを見てたら思ったよりも時間が経っていたようで、おやつの時間だった。リアには馬車の中でカフェのことを話した時からとても楽しみにしてくれてたみたいで、メニューを前にしたら面白いくらい真剣に悩んでた。よく見てみるとイチゴのショートケーキとチョコのロールケーキで迷っていたみたいで、リアがイチゴのショートケーキに決めたみたいだったから僕はもうひとつのチョコのロールケーキにした。
ケーキが来た後に、僕が注文したチョコのロールケーキを半分あげるって言った時は、「なんで分かったの!?」というかのようにすごく驚いたような顔してたけど、やっぱり欲しかったのかニコニコ笑いながら食べる姿が可愛くて、あげて良かったなって自分を褒めたくなった。



マグノリアと城下町の買い物から屋敷に戻ったあと、父上の部屋に行って今回見つけたペンダントの話をする。すると、父上も似合うと思ったのかすんなりとデザインが決まった。なので、そこから宝石商を呼んで、封印石自体が大きい石なのでゴテゴテしたデザインにならないように慎重に色とか考えながら注文した。
3日後くらいにできるって言ってたから早くリアにつけてもらいたいな!


しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうやら夫に疎まれているようなので、私はいなくなることにします

文野多咲
恋愛
秘めやかな空気が、寝台を囲う帳の内側に立ち込めていた。 夫であるゲルハルトがエレーヌを見下ろしている。 エレーヌの髪は乱れ、目はうるみ、体の奥は甘い熱で満ちている。エレーヌもまた、想いを込めて夫を見つめた。 「ゲルハルトさま、愛しています」 ゲルハルトはエレーヌをさも大切そうに撫でる。その手つきとは裏腹に、ぞっとするようなことを囁いてきた。 「エレーヌ、俺はあなたが憎い」 エレーヌは凍り付いた。

仲の良かったはずの婚約者に一年無視され続け、婚約解消を決意しましたが

ゆらゆらぎ
恋愛
エルヴィラ・ランヴァルドは第二王子アランの幼い頃からの婚約者である。仲睦まじいと評判だったふたりは、今では社交界でも有名な冷えきった仲となっていた。 定例であるはずの茶会もなく、婚約者の義務であるはずのファーストダンスも踊らない そんな日々が一年と続いたエルヴィラは遂に解消を決意するが──

好きでした、さようなら

豆狸
恋愛
「……すまない」 初夜の床で、彼は言いました。 「君ではない。私が欲しかった辺境伯令嬢のアンリエット殿は君ではなかったんだ」 悲しげに俯く姿を見て、私の心は二度目の死を迎えたのです。 なろう様でも公開中です。

元侯爵令嬢は冷遇を満喫する

cyaru
恋愛
第三王子の不貞による婚約解消で王様に拝み倒され、渋々嫁いだ侯爵令嬢のエレイン。 しかし教会で結婚式を挙げた後、夫の口から開口一番に出た言葉は 「王命だから君を娶っただけだ。愛してもらえるとは思わないでくれ」 夫となったパトリックの側には長年の恋人であるリリシア。 自分もだけど、向こうだってわたくしの事は見たくも無いはず!っと早々の別居宣言。 お互いで交わす契約書にほっとするパトリックとエレイン。ほくそ笑む愛人リリシア。 本宅からは屋根すら見えない別邸に引きこもりお1人様生活を満喫する予定が・・。 ※専門用語は出来るだけ注釈をつけますが、作者が専門用語だと思ってない専門用語がある場合があります ※作者都合のご都合主義です。 ※リアルで似たようなものが出てくると思いますが気のせいです。 ※架空のお話です。現実世界の話ではありません。 ※爵位や言葉使いなど現実世界、他の作者さんの作品とは異なります(似てるモノ、同じものもあります) ※誤字脱字結構多い作者です(ごめんなさい)コメント欄より教えて頂けると非常に助かります。

幼妻は、白い結婚を解消して国王陛下に溺愛される。

秋月乃衣
恋愛
旧題:幼妻の白い結婚 13歳のエリーゼは、侯爵家嫡男のアランの元へ嫁ぐが、幼いエリーゼに夫は見向きもせずに初夜すら愛人と過ごす。 歩み寄りは一切なく月日が流れ、夫婦仲は冷え切ったまま、相変わらず夫は愛人に夢中だった。 そしてエリーゼは大人へと成長していく。 ※近いうちに婚約期間の様子や、結婚後の事も書く予定です。 小説家になろう様にも掲載しています。

異世界転生したら悪役令嬢じゃなくイケメン達に囲まれちゃいましたっ!!

杏仁豆腐
恋愛
17歳の女子高生が交通事故で即死。その後女神に天国か地獄か、それとも異世界に転生するかの選択肢を与えられたので、異世界を選択したら……イケメンだらけの世界に来ちゃいました。それも私って悪役令嬢!? いやそれはバッドエンドになるから勘弁してほしいわっ! 逆ハーレム生活をエンジョイしたいのっ!! ※不定期更新で申し訳ないです。順調に進めばアップしていく予定です。設定めちゃめちゃかもしれません……本当に御免なさい。とにかく考え付いたお話を書いていくつもりです。宜しくお願い致します。 ※タイトル変更しました。3/31

深窓の悪役令嬢~死にたくないので仮病を使って逃げ切ります~

白金ひよこ
恋愛
 熱で魘された私が夢で見たのは前世の記憶。そこで思い出した。私がトワール侯爵家の令嬢として生まれる前は平凡なOLだったことを。そして気づいた。この世界が乙女ゲームの世界で、私がそのゲームの悪役令嬢であることを!  しかもシンディ・トワールはどのルートであっても死ぬ運命! そんなのあんまりだ! もうこうなったらこのまま病弱になって学校も行けないような深窓の令嬢になるしかない!  物語の全てを放棄し逃げ切ることだけに全力を注いだ、悪役令嬢の全力逃走ストーリー! え? シナリオ? そんなの知ったこっちゃありませんけど?

王妃さまは断罪劇に異議を唱える

土岐ゆうば(金湯叶)
恋愛
パーティー会場の中心で王太子クロードが婚約者のセリーヌに婚約破棄を突きつける。彼の側には愛らしい娘のアンナがいた。 そんな茶番劇のような場面を見て、王妃クラウディアは待ったをかける。 彼女が反対するのは、セリーヌとの婚約破棄ではなく、アンナとの再婚約だったーー。 王族の結婚とは。 王妃と国王の思いや、国王の愛妾や婚外子など。 王宮をとりまく複雑な関係が繰り広げられる。 ある者にとってはゲームの世界、ある者にとっては現実のお話。

処理中です...