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精霊王救出編
馬車のたび
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私たちは馬車に揺られている。
今は整った道を走っているけれど、これから整備されていない山道を走ることになり、その道を長時間進むのはお尻がしんどいということで、大量のクッションが座席に敷きつめられている。ちょっとだけ安心?
今日の予定を確認してみよう。まずはパパラチアの領地が通り道になっているようなので、一旦領地の屋敷に向かってから昼食を食べる。そして、次は隣のジェダイト伯爵領領主の屋敷へ向かう予定ではあるが、そこまでジェール山という山を越えることもあり1日はかかるということで、山の麓にある大きな街ジェルーラで今日は夜を越す。今回は最短距離で目的地まで進むので山を迂回せずに突き進む予定である。
今日の日程では危険な道は通ることは無いので魔物や盗賊が現れないと言われている。しかし、この世界で絶対安全という場所は存在しないので常に護衛が馬車の周囲を警戒しながら進んでいく。
そして王都を出て、領地の屋敷まであと半分かな?と思った時、急に馬車が止まりお父様がため息をついて馬車を降りていった。
それから10分くらいだったかなと言うくらいでお父様が誰かを連れて戻ってきた。それはお兄様だった…
そう、お兄様は私たちの精霊王探しの旅には同行せず、王都の屋敷で留守番をしているはずだった。しかし、何故か無表情のお父様の後ろからニコニコ顔のお兄様馬車に乗り込んで来た。そして、何を思ったのかマリアがお父様の隣に座ると、お兄様がニコニコしたまま私の隣に座る。わけが分からない… しかし、私の疑問はそのままに、旅のメンバーにお兄様が増えて馬車は再び走り出した。
お兄様は馬車に乗ってからずっと、ニコニコしながら馬車の外を眺めている。そんなに馬車に乗りたかったのか、領地の屋敷に用があったのか分からないがご機嫌な様子。
私が少しの間ではあったがお兄様の方を見ていると、それに気づいたのかお兄様がこちらを向いてどうして馬車に乗ったのか話し始めた。
「リア、突然来て驚いたでしょ?はじめはちゃんと大人しく留守番してるつもりだったんだけど、やっぱり寂しくてきちゃった!リアが頑張ってるのに僕だけ留守番なんてできないよね~」
きちゃった!じゃないから~!
これを聞いたお父様がため息をついたということは、お父様も同行に許可を出したということだろうか?という気持ちを込めてお父様を見つめてみる。すると、
「リア、急だがオリバーも同行することになった。実は、王都の屋敷を出た頃から後ろを着いてきていることはわかっていた。それでも途中で諦めて引き返すものだと思っていたんだ。だが、オリバーは引き返すことなく着いてくるものだから直接説得しようとしたんだが、この通りだ…」
これは、お兄様の粘り勝ち?ということでしょうか。お兄様はよっぽど旅、と言うより冒険をしてみたかったのですね。男の子らしい!
でもやっぱり、お父様だけでなくお兄様もいるのは嬉しいので、お兄様には抱きついて甘えることにします!お兄様も嬉しそうなのでいいのです!
それから少しすると、無事領地の屋敷に着いたのでちょっと早いお昼を食べることにした。
お兄様の分は予定されていなかったはずなのに昼食の席に着くと3人分用意されており、パパラチア侯爵家の使用人の情報力?や対応力に驚かされた。
お昼を食べて少し休んだら再度出発である。次のジェルーラの街までは少し休憩はあると思うけどノンストップである!まだ旅をしている実感わかないけど、もう引き返せない。でも、とてもワクワクする!
それから馬車に乗り込み、お父様とお兄様とこれから行く街の話をしていると、だんだん眠たくなってきた。ウトウトしてるとお兄さまが私のほうに寄って肩を貸してくれたので寄りかかると眠ってしまったようで、気がついたら目的地であるジェルーラの街に着いていた。
一般的に山には魔物が多く生息している。そのため山の麓にあるジェルーラの街は、冒険者が多い。そして、冒険者で栄えた街であるため、冒険者向けの手軽に食べられる屋台が多く見られる。また、山の近くにあるため山越えを考えている商人の姿も結構ある。それから、まだ見たことはいないが冒険者ギルドもあるらしい。
今は夕方なので帰ってきた冒険者が多い時間のようで、屋台がとても賑わっている。私もその賑わっている屋台に行ってみたいが、初めての旅で疲れているため今はその賑わいの中を馬車で進み、予約しているらしい宿屋に向かう。到着した宿屋はこのジェルーラの街では一番豪華な高級宿屋だった。
宿屋の前で馬車が止まると、宿屋の中から人が数名出てきて宿の部屋に案内してくれる。部屋割りとしては、私はメリアと同室で、私の右隣の部屋はお父様で、左隣はお兄様が休むことになる。
今回私と同室なのがメリアなのは、馬車でマリアが一緒に乗っていたから交代したためらしい。その他の人は別の宿で休み、夜間には護衛が2人ずつで私たちの部屋を何も無いように見張っているらしい。だから安心して眠るように言われた。多分普通に寝てる気がする…
そして夕食を食べて、明日に備えて早く眠った。
明日は朝食を食べたら直ぐに出発するようなのでしっかり疲れを取ろうと思います!
今は整った道を走っているけれど、これから整備されていない山道を走ることになり、その道を長時間進むのはお尻がしんどいということで、大量のクッションが座席に敷きつめられている。ちょっとだけ安心?
今日の予定を確認してみよう。まずはパパラチアの領地が通り道になっているようなので、一旦領地の屋敷に向かってから昼食を食べる。そして、次は隣のジェダイト伯爵領領主の屋敷へ向かう予定ではあるが、そこまでジェール山という山を越えることもあり1日はかかるということで、山の麓にある大きな街ジェルーラで今日は夜を越す。今回は最短距離で目的地まで進むので山を迂回せずに突き進む予定である。
今日の日程では危険な道は通ることは無いので魔物や盗賊が現れないと言われている。しかし、この世界で絶対安全という場所は存在しないので常に護衛が馬車の周囲を警戒しながら進んでいく。
そして王都を出て、領地の屋敷まであと半分かな?と思った時、急に馬車が止まりお父様がため息をついて馬車を降りていった。
それから10分くらいだったかなと言うくらいでお父様が誰かを連れて戻ってきた。それはお兄様だった…
そう、お兄様は私たちの精霊王探しの旅には同行せず、王都の屋敷で留守番をしているはずだった。しかし、何故か無表情のお父様の後ろからニコニコ顔のお兄様馬車に乗り込んで来た。そして、何を思ったのかマリアがお父様の隣に座ると、お兄様がニコニコしたまま私の隣に座る。わけが分からない… しかし、私の疑問はそのままに、旅のメンバーにお兄様が増えて馬車は再び走り出した。
お兄様は馬車に乗ってからずっと、ニコニコしながら馬車の外を眺めている。そんなに馬車に乗りたかったのか、領地の屋敷に用があったのか分からないがご機嫌な様子。
私が少しの間ではあったがお兄様の方を見ていると、それに気づいたのかお兄様がこちらを向いてどうして馬車に乗ったのか話し始めた。
「リア、突然来て驚いたでしょ?はじめはちゃんと大人しく留守番してるつもりだったんだけど、やっぱり寂しくてきちゃった!リアが頑張ってるのに僕だけ留守番なんてできないよね~」
きちゃった!じゃないから~!
これを聞いたお父様がため息をついたということは、お父様も同行に許可を出したということだろうか?という気持ちを込めてお父様を見つめてみる。すると、
「リア、急だがオリバーも同行することになった。実は、王都の屋敷を出た頃から後ろを着いてきていることはわかっていた。それでも途中で諦めて引き返すものだと思っていたんだ。だが、オリバーは引き返すことなく着いてくるものだから直接説得しようとしたんだが、この通りだ…」
これは、お兄様の粘り勝ち?ということでしょうか。お兄様はよっぽど旅、と言うより冒険をしてみたかったのですね。男の子らしい!
でもやっぱり、お父様だけでなくお兄様もいるのは嬉しいので、お兄様には抱きついて甘えることにします!お兄様も嬉しそうなのでいいのです!
それから少しすると、無事領地の屋敷に着いたのでちょっと早いお昼を食べることにした。
お兄様の分は予定されていなかったはずなのに昼食の席に着くと3人分用意されており、パパラチア侯爵家の使用人の情報力?や対応力に驚かされた。
お昼を食べて少し休んだら再度出発である。次のジェルーラの街までは少し休憩はあると思うけどノンストップである!まだ旅をしている実感わかないけど、もう引き返せない。でも、とてもワクワクする!
それから馬車に乗り込み、お父様とお兄様とこれから行く街の話をしていると、だんだん眠たくなってきた。ウトウトしてるとお兄さまが私のほうに寄って肩を貸してくれたので寄りかかると眠ってしまったようで、気がついたら目的地であるジェルーラの街に着いていた。
一般的に山には魔物が多く生息している。そのため山の麓にあるジェルーラの街は、冒険者が多い。そして、冒険者で栄えた街であるため、冒険者向けの手軽に食べられる屋台が多く見られる。また、山の近くにあるため山越えを考えている商人の姿も結構ある。それから、まだ見たことはいないが冒険者ギルドもあるらしい。
今は夕方なので帰ってきた冒険者が多い時間のようで、屋台がとても賑わっている。私もその賑わっている屋台に行ってみたいが、初めての旅で疲れているため今はその賑わいの中を馬車で進み、予約しているらしい宿屋に向かう。到着した宿屋はこのジェルーラの街では一番豪華な高級宿屋だった。
宿屋の前で馬車が止まると、宿屋の中から人が数名出てきて宿の部屋に案内してくれる。部屋割りとしては、私はメリアと同室で、私の右隣の部屋はお父様で、左隣はお兄様が休むことになる。
今回私と同室なのがメリアなのは、馬車でマリアが一緒に乗っていたから交代したためらしい。その他の人は別の宿で休み、夜間には護衛が2人ずつで私たちの部屋を何も無いように見張っているらしい。だから安心して眠るように言われた。多分普通に寝てる気がする…
そして夕食を食べて、明日に備えて早く眠った。
明日は朝食を食べたら直ぐに出発するようなのでしっかり疲れを取ろうと思います!
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