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精霊王救出編
侍女と朝の支度
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マグノリアとの意識の世界での対面を終えると元気な小鳥の囀りが聞こえ、目を覚ました。
あまり眠った気がしないけど体はスッキリしている。もちろん昨日色々あった疲労も残っていない。
ベッドの上で体を起こしレイの方を見ると枕元で眠っていた。気持ちよさそうに眠っているのでそっとしておく。
すると、私が起きたことに気づいたのかノックの音が聞こえメイドさんが入ってきた。
「お嬢様、おはようございます。お加減はいかがでしょうか?目覚ましにお紅茶でもいかがですか?」
このメイドさん、名前は…
『左はマリアで、右はメリアよ。私の双子の専属次女なの。物心ついた時から一緒にいてくれてとっても頼りになるの。』
このように疑問に思ったことはマグノリアが答えてくれるようになったので問題は無い。
マグノリアが教えてくれたようにマリアとメリアのことを思い出してみる。彼女たちはマグノリアが産まれる前からこの侯爵邸で侍女として働いているようで、幼いマグノリアがマリアとメリアにとても懐いていたからこのまま専属侍女になったらしい。
そして、体調も悪くないし、眠たくもないけど朝の日課のようなものなのでマリアの入れる紅茶をいただく。
「マリア、メリア、おはよう。体調は大丈夫よ。いつもの目覚めの紅茶を頂きたいわ。紅茶を飲んだら着替え手伝ってもらえるかしら?」
「かしこまりました。準備致しますね。」
マリアの紅茶は本当に美味しい、この香りはダージリンのファーストフラッシュかしら?私好みにミルクと砂糖が入れられた紅茶をいただく。
まずは香りを嗅いで堪能し、少し口に含んで味わう…。うん、いつも通りの味でとても美味しい。この紅茶を飲まないと一日が始まらない!と思えるほどである。
紅茶を頂いていると枕元のレイがおきたようだ。今はマリアとメリアがいるから声を出すわけにはいかないし…
そういえばマグノリアからの話でイメージすればなんでもできるって言っていたので念話を試してみる。
『レイ、おはよう?よく眠れたかしら?』
「おはよう、マグノリア~。え、マグノリア!念話が使えるの!?すごい!」
もちろんレイの声は私とマグノリアにしか聞こえていないので問題は無い。でも、レイが念話にとても驚いている。かわいい!
かわいいレイを堪能したいのは山々だが、紅茶を飲み終わったら着替えを手伝ってもらう。
純日本人の私にとって着替えを手伝ってもらうことは初めてであるが、マグノリアの記憶を持つ私にとって、自分で着替えることが逆に不自然な事だということがよく分かる。
なので、紅茶を飲み終わった私はいつも通りにマリアとメリアに身支度をしてもらうことにした。
マグノリアの記憶が私がどのようにすればいいのか教えてくれる。
それに従って目を瞑るとマリアが暖かいタオルで顔を拭き清めてくれる。
そしてドレッサーの前に移動すればメリアにサッとパジャマのワンピースを脱がされ準備されていた薄い青色のドレスを着させてもらう。腕を上げるタイミングだとかは体に染み付いているようですごいスピードで着付けられていく。
有難いことに、この世界はコルセットをつける風習はないようで大人も子どももウエストを締め付けていない。よく言う拷問を受けることが無いようで良かった。
ササッとドレスを着せられ、ドレッサー前の椅子に座れば、マリアに毛先から丁寧にブラシを入れられ髪の毛がツヤツヤになっていく。
ついでに言うとドレッサー前の椅子に座るとレイも着いてきて、ドレッサーにちょこんと座ってこちらを見ている。
「お嬢様、朝食はどちらで召し上がられますか?」
レイを見ながら髪をブラッシングされているとマリアから朝食について尋ねられる。このどちらで、というのは自室で食べるのか、食堂で食べるのかということである。今日はお父様に話もあるので食堂の一択である。
「そうね、お父様にお話もあるし、食堂でいただくわ。」
「かしこまりました。旦那様、奥様、坊っちゃまも昨夜もっと話したがっていましたよ。」
こうして家族の話を聞きながら髪を整えてもらう。
あ、今日のヘアオイルはローマンカモミールの香りだ。私のお気に入りの香りでほんのり甘い香りがとても落ち着く…。
香油でよりつやつやになった髪は、髪型に希望はないのでマリアの思うようにヘアセットをしてもらう。今日の髪型はサイド編みこみのハーフアップ!下ろしてある髪の毛もツヤツヤふわふわに仕上げられ、動くと微かに香るローマンカモミールの香り…さすがマリアである。
髪をセットしてもらっている間はメリアがメイクをしてくれる。と言ってもまだ8歳なのでファンデーションを塗ったりする訳では無い。化粧水や乳液を塗り込んでスキンケアするだけである。「小さくてもレディーには大切なことなのよ?お母様みたいになりたいなら続けましょうね?」とお母様に言われたらしい。確かに小さな時からスキンケアを続ければ年齢不詳のお母様のような美貌がゲット出来るのかもしれない。そして、ちょっと外遊びがしたくなる活発な年頃と性格でもあるのでそのことをお母様は気にされているのかもしれない?
スキンケアが終わってもヘアセットはまだ終わっていないので、メリアに手や腕、足をクリームでマッサージされる。メリアはプロなのでとても気持ちがいい。こんなマッサージを毎日受けていれば自分の肌が乾燥ひとつ無い、肌荒れ知らずのサラサラお肌なのも納得がいく。逆に乾燥していればメリアが荒れてしまいそうだ。
最後は立ち上がり、ドレスのリボンを整えて、おかしな所はないか確認をする。これで朝の支度は完了である。
やっぱりマグノリアは可愛い。黒髪に水色のドレスはとても映えている!本当に自分だとは思えない!
鏡に映る自分についつい見惚れてしまう。
「お嬢様は本当に愛らしいですわ!」
「こんなに愛らしいとどんな格好でもお似合いになりますわ!」
私が自分に見とれているのに気づいたのかマリアとメリアが声をかけてくる。それに少し恥ずかしく感じながらも嬉しいので「ありがとう。あなた達のおかげよ」と返す。
着替えが終われば、久しぶりの家族での食事なので、早速レイと一緒に食堂に向かう。
レイと精霊王のことをお話するのを忘れないようにしなきゃ!
あまり眠った気がしないけど体はスッキリしている。もちろん昨日色々あった疲労も残っていない。
ベッドの上で体を起こしレイの方を見ると枕元で眠っていた。気持ちよさそうに眠っているのでそっとしておく。
すると、私が起きたことに気づいたのかノックの音が聞こえメイドさんが入ってきた。
「お嬢様、おはようございます。お加減はいかがでしょうか?目覚ましにお紅茶でもいかがですか?」
このメイドさん、名前は…
『左はマリアで、右はメリアよ。私の双子の専属次女なの。物心ついた時から一緒にいてくれてとっても頼りになるの。』
このように疑問に思ったことはマグノリアが答えてくれるようになったので問題は無い。
マグノリアが教えてくれたようにマリアとメリアのことを思い出してみる。彼女たちはマグノリアが産まれる前からこの侯爵邸で侍女として働いているようで、幼いマグノリアがマリアとメリアにとても懐いていたからこのまま専属侍女になったらしい。
そして、体調も悪くないし、眠たくもないけど朝の日課のようなものなのでマリアの入れる紅茶をいただく。
「マリア、メリア、おはよう。体調は大丈夫よ。いつもの目覚めの紅茶を頂きたいわ。紅茶を飲んだら着替え手伝ってもらえるかしら?」
「かしこまりました。準備致しますね。」
マリアの紅茶は本当に美味しい、この香りはダージリンのファーストフラッシュかしら?私好みにミルクと砂糖が入れられた紅茶をいただく。
まずは香りを嗅いで堪能し、少し口に含んで味わう…。うん、いつも通りの味でとても美味しい。この紅茶を飲まないと一日が始まらない!と思えるほどである。
紅茶を頂いていると枕元のレイがおきたようだ。今はマリアとメリアがいるから声を出すわけにはいかないし…
そういえばマグノリアからの話でイメージすればなんでもできるって言っていたので念話を試してみる。
『レイ、おはよう?よく眠れたかしら?』
「おはよう、マグノリア~。え、マグノリア!念話が使えるの!?すごい!」
もちろんレイの声は私とマグノリアにしか聞こえていないので問題は無い。でも、レイが念話にとても驚いている。かわいい!
かわいいレイを堪能したいのは山々だが、紅茶を飲み終わったら着替えを手伝ってもらう。
純日本人の私にとって着替えを手伝ってもらうことは初めてであるが、マグノリアの記憶を持つ私にとって、自分で着替えることが逆に不自然な事だということがよく分かる。
なので、紅茶を飲み終わった私はいつも通りにマリアとメリアに身支度をしてもらうことにした。
マグノリアの記憶が私がどのようにすればいいのか教えてくれる。
それに従って目を瞑るとマリアが暖かいタオルで顔を拭き清めてくれる。
そしてドレッサーの前に移動すればメリアにサッとパジャマのワンピースを脱がされ準備されていた薄い青色のドレスを着させてもらう。腕を上げるタイミングだとかは体に染み付いているようですごいスピードで着付けられていく。
有難いことに、この世界はコルセットをつける風習はないようで大人も子どももウエストを締め付けていない。よく言う拷問を受けることが無いようで良かった。
ササッとドレスを着せられ、ドレッサー前の椅子に座れば、マリアに毛先から丁寧にブラシを入れられ髪の毛がツヤツヤになっていく。
ついでに言うとドレッサー前の椅子に座るとレイも着いてきて、ドレッサーにちょこんと座ってこちらを見ている。
「お嬢様、朝食はどちらで召し上がられますか?」
レイを見ながら髪をブラッシングされているとマリアから朝食について尋ねられる。このどちらで、というのは自室で食べるのか、食堂で食べるのかということである。今日はお父様に話もあるので食堂の一択である。
「そうね、お父様にお話もあるし、食堂でいただくわ。」
「かしこまりました。旦那様、奥様、坊っちゃまも昨夜もっと話したがっていましたよ。」
こうして家族の話を聞きながら髪を整えてもらう。
あ、今日のヘアオイルはローマンカモミールの香りだ。私のお気に入りの香りでほんのり甘い香りがとても落ち着く…。
香油でよりつやつやになった髪は、髪型に希望はないのでマリアの思うようにヘアセットをしてもらう。今日の髪型はサイド編みこみのハーフアップ!下ろしてある髪の毛もツヤツヤふわふわに仕上げられ、動くと微かに香るローマンカモミールの香り…さすがマリアである。
髪をセットしてもらっている間はメリアがメイクをしてくれる。と言ってもまだ8歳なのでファンデーションを塗ったりする訳では無い。化粧水や乳液を塗り込んでスキンケアするだけである。「小さくてもレディーには大切なことなのよ?お母様みたいになりたいなら続けましょうね?」とお母様に言われたらしい。確かに小さな時からスキンケアを続ければ年齢不詳のお母様のような美貌がゲット出来るのかもしれない。そして、ちょっと外遊びがしたくなる活発な年頃と性格でもあるのでそのことをお母様は気にされているのかもしれない?
スキンケアが終わってもヘアセットはまだ終わっていないので、メリアに手や腕、足をクリームでマッサージされる。メリアはプロなのでとても気持ちがいい。こんなマッサージを毎日受けていれば自分の肌が乾燥ひとつ無い、肌荒れ知らずのサラサラお肌なのも納得がいく。逆に乾燥していればメリアが荒れてしまいそうだ。
最後は立ち上がり、ドレスのリボンを整えて、おかしな所はないか確認をする。これで朝の支度は完了である。
やっぱりマグノリアは可愛い。黒髪に水色のドレスはとても映えている!本当に自分だとは思えない!
鏡に映る自分についつい見惚れてしまう。
「お嬢様は本当に愛らしいですわ!」
「こんなに愛らしいとどんな格好でもお似合いになりますわ!」
私が自分に見とれているのに気づいたのかマリアとメリアが声をかけてくる。それに少し恥ずかしく感じながらも嬉しいので「ありがとう。あなた達のおかげよ」と返す。
着替えが終われば、久しぶりの家族での食事なので、早速レイと一緒に食堂に向かう。
レイと精霊王のことをお話するのを忘れないようにしなきゃ!
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