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第二章
囚われの物売り
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豪傑の虎亭はいつも平和だ。それは上品かつ愛くるしいと評判の店主によるところが大きいだろう。
しかしそのファムですら、ミアが顔を赤らめるのがどういう意味なのかいまいち判断しかねていた。
ミアの手料理を美味しいねと食べるモレノにはもっとわからないはずであろう。彼のことが気になっていて顔を赤らめているのか、ただ単純に料理を褒められたのが気恥ずかしいからなのか。
どちらにせよ可愛らしいと思うモレノだったが、この神と本人のみぞ知る問題については是非とも解き明かしたいと切に願っていた。
モレノ自身、なかなか顔立ちは爽やかであるし、そう性格が悪いわけではない。しかし何故か女性から声がかかることがなく、そろそろ冒険以外で心躍る体験をしてみたかった。
そういう必死さがあったかもしれない。リュドミーラの本性が見抜けなかったのは汚点だ。別に彼女が悪い訳では決してない。ただ、あそこまでになるとは思わなかったから恐ろしくなっただけなのだ。
それはある日の冒険での出来事……。
「やっと終わったな」
モレノとそのパーティは、休みなく襲いかかって来る山賊たちを片付けて、やっと訪れた休憩に喜びを感じていた。少し休んだら、見張り番のいなくなった宝物庫と念願のご対面だ。はやる気持を誰もが抑えていた。
依頼の内容は、近くの砦に住む山賊にある宝石を取られたから取り返してほしい。ついでにその山賊たちを倒してくれれば報酬は弾むということだった。つまり、その宝石以外のいくらか手に入れられる可能性も秘めている訳で、パーティ全員が心を弾ませて依頼を受けたのだった。
大変な思いをして山賊たちを殲滅したのも、追加報酬に期待したからだ。そんな理由もあって待ちきれなくなったベリウスが、座って休んでいる他のメンバーを差し置いて立ち上がる。
「もう行こうぜ。多分全員倒しただろう」
「そうね。宝物庫付近はまだ見ていないけどきっと誰もいないはずよね」
先急ぐ彼らに巻き込まれる形でモレノとリュドミーラは承諾すると、全員で宝物庫へと向かった。宝物庫の扉にはさすがに罠が張られていたが、それをモレノが解除すると、装飾が施された扉がついに開いた。
その先に見えた光景は全員の目をくらませた。沢山の宝箱に金貨や紙幣がまとめて置いてあり、高価だと思われる宝石類がこれでもかとキラキラと輝いてまばゆい。こんな野望の塊のような光景を目の前にして、冷静さを保てるような人間はそれはもはや人間ではなく妖怪か神仏のような類だろう。
だから、自分たちが隙だらけの大馬鹿者だなんて夢にも思わなかったのだ。足元に小さな玉が投げ込まれていることに気付いたときにはもう遅かった。黄色い煙を吸い込んでしまうとすぐに体が麻痺し始めて、全く身動きが取れなくなりそのまま倒れてしまった。煙が収まった頃に今回の依頼主もとい別の砦の山賊リーダーがやってきて高笑いしだす。
「雑魚の掃除と罠の解除までどうもご苦労さん。部下を使わずヤツらのシマを荒らせて満足だぜ。それじゃあな。マヌケな冒険者ども」
そんな捨て台詞を残して、元依頼主は部下と一緒に宝を持ち去っていった。そしてやっと動けるようになったとき、一番キレていたのはなんとあのリュドミーラであった。
彼女はそれきり呪詛のような言葉を延々と繰り返し、大丈夫かと聞かれると大丈夫ですわと笑顔で返事はするものの、しまいには持っていたメイスで近くの巨木を何度も何度も殴り続け、結局その巨木をぶち倒してしまったのである。
それから数日後、落ち着いてから彼女に話を聞くと、犯罪組織育ちという生い立ちから、裏切り行為はどうしても許せないということがわかったのであった……。
というリュドミーラ伝説に彼は完全に怯えてしまった。裏切り行為はもちろんすることはないだろうが、人間同士、合わないことだってあり得るのだ。
それを理由に別れただけで裏切り行為とみなされたらと思うと、彼は今でも顔面が蒼白になった。だ、大丈夫ですか? とミアに聞かれて、自分が今ヒドイ顔をしていると気付いたモレノは、ちょっと嫌なことを思い出してねと焦って取り繕って、ミアの手料理を美味しそうにかき込んだ。
気の利いたことは何も思い付かず、やっぱり美味しいねという安直な言葉でお茶を濁しつつ、どんなに待つことになってもおしとやかな女性と付き合いたいと彼は改めて思うのであった。
そんなこんなでミア渾身のサービスメニュー、絶品とろとろプリンがデザートに出されたとき、突然、憎しみの表情をした商人が店内へと駈け込んできた。彼は今にも人を殺めかねないほど尖った光を目に宿しており、ただならぬ雰囲気を纏っている。
ファムが恐る恐る、いらっしゃいと声をかけたその瞬間、商人のシミターは鞘から抜かれ、近くの人物に刃を振るった。
飛び散る赤い飛沫――。
それが床に落ちるのと同じくして、刃を受けた人物、モレノが倒れた。そのすぐ数秒後、アロイスとカティが、さらにそれに続けてマデリエネとリュドミーラがその惨状を目撃した。
一瞬息を飲んだ彼らだったが、すぐに各々武器を構えた。マデリエネがダガーで牽制しながら、店の奥へと商人を引き付ける。そうしてモレノから距離を離そうとしていた。
リュドミーラはその意図を即座に察すると渾身の力を込めて五レベルの操原魔法、“トリートメントアザー”を発動して傷の治療に当たった。
深く切られた胴からは血が溢れるように染み出ていて、彼女の魔法はそれを止めつつ僅かに回復させてはいくが、まだまだ力が足りないようである。
そろそろマデリエネが引き付けるのに限界を感じ始めたところで魔術師二人は連携攻撃を決めに行く。
カティは黒い魔法陣を床に描くと、そこから精霊を呼び出す。三レベルの召喚魔法で呼び出されたこの闇の精霊、シェイドは彼女の指示を受けるのと同時に自身から黒い閃光を放ち、商人の視覚を封じた。
何も見えなくなってその場で暴れまわる商人に、今度はアロイスが、大きな不可視のハンマーを創りだし、彼の頭部に叩きつけた。
その攻撃によって商人は気絶し、最後に店に入ってきたザルムとベリウスによって、彼は縄で縛られ武器を没収された。
しかしそのファムですら、ミアが顔を赤らめるのがどういう意味なのかいまいち判断しかねていた。
ミアの手料理を美味しいねと食べるモレノにはもっとわからないはずであろう。彼のことが気になっていて顔を赤らめているのか、ただ単純に料理を褒められたのが気恥ずかしいからなのか。
どちらにせよ可愛らしいと思うモレノだったが、この神と本人のみぞ知る問題については是非とも解き明かしたいと切に願っていた。
モレノ自身、なかなか顔立ちは爽やかであるし、そう性格が悪いわけではない。しかし何故か女性から声がかかることがなく、そろそろ冒険以外で心躍る体験をしてみたかった。
そういう必死さがあったかもしれない。リュドミーラの本性が見抜けなかったのは汚点だ。別に彼女が悪い訳では決してない。ただ、あそこまでになるとは思わなかったから恐ろしくなっただけなのだ。
それはある日の冒険での出来事……。
「やっと終わったな」
モレノとそのパーティは、休みなく襲いかかって来る山賊たちを片付けて、やっと訪れた休憩に喜びを感じていた。少し休んだら、見張り番のいなくなった宝物庫と念願のご対面だ。はやる気持を誰もが抑えていた。
依頼の内容は、近くの砦に住む山賊にある宝石を取られたから取り返してほしい。ついでにその山賊たちを倒してくれれば報酬は弾むということだった。つまり、その宝石以外のいくらか手に入れられる可能性も秘めている訳で、パーティ全員が心を弾ませて依頼を受けたのだった。
大変な思いをして山賊たちを殲滅したのも、追加報酬に期待したからだ。そんな理由もあって待ちきれなくなったベリウスが、座って休んでいる他のメンバーを差し置いて立ち上がる。
「もう行こうぜ。多分全員倒しただろう」
「そうね。宝物庫付近はまだ見ていないけどきっと誰もいないはずよね」
先急ぐ彼らに巻き込まれる形でモレノとリュドミーラは承諾すると、全員で宝物庫へと向かった。宝物庫の扉にはさすがに罠が張られていたが、それをモレノが解除すると、装飾が施された扉がついに開いた。
その先に見えた光景は全員の目をくらませた。沢山の宝箱に金貨や紙幣がまとめて置いてあり、高価だと思われる宝石類がこれでもかとキラキラと輝いてまばゆい。こんな野望の塊のような光景を目の前にして、冷静さを保てるような人間はそれはもはや人間ではなく妖怪か神仏のような類だろう。
だから、自分たちが隙だらけの大馬鹿者だなんて夢にも思わなかったのだ。足元に小さな玉が投げ込まれていることに気付いたときにはもう遅かった。黄色い煙を吸い込んでしまうとすぐに体が麻痺し始めて、全く身動きが取れなくなりそのまま倒れてしまった。煙が収まった頃に今回の依頼主もとい別の砦の山賊リーダーがやってきて高笑いしだす。
「雑魚の掃除と罠の解除までどうもご苦労さん。部下を使わずヤツらのシマを荒らせて満足だぜ。それじゃあな。マヌケな冒険者ども」
そんな捨て台詞を残して、元依頼主は部下と一緒に宝を持ち去っていった。そしてやっと動けるようになったとき、一番キレていたのはなんとあのリュドミーラであった。
彼女はそれきり呪詛のような言葉を延々と繰り返し、大丈夫かと聞かれると大丈夫ですわと笑顔で返事はするものの、しまいには持っていたメイスで近くの巨木を何度も何度も殴り続け、結局その巨木をぶち倒してしまったのである。
それから数日後、落ち着いてから彼女に話を聞くと、犯罪組織育ちという生い立ちから、裏切り行為はどうしても許せないということがわかったのであった……。
というリュドミーラ伝説に彼は完全に怯えてしまった。裏切り行為はもちろんすることはないだろうが、人間同士、合わないことだってあり得るのだ。
それを理由に別れただけで裏切り行為とみなされたらと思うと、彼は今でも顔面が蒼白になった。だ、大丈夫ですか? とミアに聞かれて、自分が今ヒドイ顔をしていると気付いたモレノは、ちょっと嫌なことを思い出してねと焦って取り繕って、ミアの手料理を美味しそうにかき込んだ。
気の利いたことは何も思い付かず、やっぱり美味しいねという安直な言葉でお茶を濁しつつ、どんなに待つことになってもおしとやかな女性と付き合いたいと彼は改めて思うのであった。
そんなこんなでミア渾身のサービスメニュー、絶品とろとろプリンがデザートに出されたとき、突然、憎しみの表情をした商人が店内へと駈け込んできた。彼は今にも人を殺めかねないほど尖った光を目に宿しており、ただならぬ雰囲気を纏っている。
ファムが恐る恐る、いらっしゃいと声をかけたその瞬間、商人のシミターは鞘から抜かれ、近くの人物に刃を振るった。
飛び散る赤い飛沫――。
それが床に落ちるのと同じくして、刃を受けた人物、モレノが倒れた。そのすぐ数秒後、アロイスとカティが、さらにそれに続けてマデリエネとリュドミーラがその惨状を目撃した。
一瞬息を飲んだ彼らだったが、すぐに各々武器を構えた。マデリエネがダガーで牽制しながら、店の奥へと商人を引き付ける。そうしてモレノから距離を離そうとしていた。
リュドミーラはその意図を即座に察すると渾身の力を込めて五レベルの操原魔法、“トリートメントアザー”を発動して傷の治療に当たった。
深く切られた胴からは血が溢れるように染み出ていて、彼女の魔法はそれを止めつつ僅かに回復させてはいくが、まだまだ力が足りないようである。
そろそろマデリエネが引き付けるのに限界を感じ始めたところで魔術師二人は連携攻撃を決めに行く。
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