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第一章
老学者の陶酔
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冒険者ギルドの中は非常に広く、エントランスと呼べるような広さの空間がまず広がっている。
そこには落ち着いて話し合いのできそうな丸テーブルが幾つか用意されていて、依頼主と冒険者と思われる人たちが軽く食事をしながら何やら話し込んでいる。仕切り等は特に無く、一階は難易度の低い依頼を紹介する場所となっているようだ。
その場所から少し奥に進むと、目的の受付が四つほど設置されていた。二人はそのうちの空いている受付を選んで要件を伝える。
すると受付の女性が手早く冒険者登録の手続きについて説明してくれた。ただ渡された用紙に必要事項を記入するだけで登録が済むことを知ると、ザルムはあっと驚いた。
「こうもすんなりと登録できるんだな」
対応の早さを褒めたつもりのザルムだったが、受付の女性は気まずそうに口元を緩めるだけだった。仮パーティの申請をしてから近くの席に着き、ついでに受ける依頼をアロイスと眺めているときにようやく彼の謎が解けた。
「やはり簡単に登録が済みましたね。冒険者が増えればそれだけ国の戦力が増えるのと同じことと言えますから、登録することに関しては規制が緩いのでしょう」
アロイスに理由を言われたことで、まさかと思っていたことが現実になってしまった。こうも簡単に登録が済むということは冒険者を見る目もピンからキリということだ。
しかもそれは、国が低ランク冒険者を丁重に扱っていないということも示している。危険に飛び込むことはどうぞお好きに。ただしあくまで自己責任でとでも言われているかのようだ。
しかし同時に希望もあった。一流の冒険者ともなれば待遇が変わることを彼は知っている。平民上がりにもかかわらず、貴族に忠義を尽くさせるまで至った冒険者が彼の目指すところなのだから。
そうして気を取り直して紹介されている依頼を見ていくと、ちょうど一つの依頼が目に留まった。
「おい、この依頼……」
「ええ、この依頼が良さそうですね」
二人がそう言った依頼は当然魔物退治であったが、場所が枯れた遺跡とのことだった。依頼主もそれなりに名の知れた学者らしく、身元はしっかりしているところも二人を頷かせるポイントだ。
「枯れた遺跡なら罠の心配もそこまで必要ありませんし、このあたりの魔物であれば私たちが逃げることすらできないほどではないでしょう」
「だよな。駆け出しの冒険者にはぴったりの依頼だろう」
二人の意見が一致すると、受付の女性が慣れた手つきで手続きを済ませて、依頼人の住む家の住所を二人に伝えた。
学者の住む家はそれほど広くなく、応接間にも仕舞いきれないほどの本の山が見え隠れするような有様だ。
しかし散らかっているという印象はなく、独自の世界観が構成されているように感じられる。アロイスはその光景に何とも言えない懐かしさを感じながら依頼について聞きたいと学者に伝えた。
年の功なのか、はたまたたくさんの冒険者の世話になって慣れているのかは定かではないが、それなりの地位にいる学者の彼は、異種族や冒険者について偏見は持っていないらしい。
彼は片眼鏡越しにアロイスとザルムを見つめると、くしゃりと笑って本当に嬉しそうに感謝を述べた。齢七十は超えていそうであるが、ハキハキとした調子で依頼の内容を説明してくれる。
「ワシは古代の遺跡を調査して研究する考古学者なんじゃが、実地に赴いてこの目で遺跡を見るのが好みでの。今回の遺跡もワシが気に入っている遺跡の一つなんじゃよ。それでその遺跡に定期的に行っては中を眺めていたんじゃが、ちょっとこの街を離れている隙に魔物が棲みついたようなんじゃ」
ボーレンと名乗った学者は、ときには悔しそうに、ときには目を輝かせながら遺跡と依頼について語った。
「そういう訳で調査自体は終わっているんじゃが、どうしても魔物に占拠されているというのは許せないのじゃわ。あくまでワシ個人の願望じゃから、そこまでの大金は出せないんじゃが、その代わり魔物を殲滅でずに帰ってきても報酬の金額の一部は支払うぞい。協力してくれることへのサービスじゃ」
「依頼に失敗しても最低限の金額は保障してくださるということですね。これ以上ないほどの良い条件です」
「そうだな。ところでその遺跡までの距離はどれくらいなんだ? あと棲みついた魔物はどんなヤツなのかわかるのか?」
「距離は歩いて六時間ほどじゃろうな。ワシの馬車で四時間くらいかかるからのう。魔物はコボルトがいたことは確かじゃ。一目見て逃げ帰ってきたからあとはわからんがの」
コボルトは狼のような魔物だが、対して強くはないし、対処も簡単だ。他の魔物がいる可能性はあれど、とりあえずは問題なさそうだと思ったアロイスは申し訳なさそうに切り出した。
「遺跡にある魔晶石を少し頂いても構いませんか? 訳があって必要なのですが……」
「構わんぞ。魔晶石は自然に出来上がるものじゃしな。遺跡が残っておることに比べれば大した価値にもならんわ」
「ありがとうございます。それで具体的に報酬の方はどれくらい頂けるのでしょうか?」
「依頼を達成してくれれば二人で1000ナッシュ支払おう。失敗の場合は100ナッシュじゃな」
「なるほど。それでは二人で相談させていただきますので少々お待ちください」
そう言ってから二人は小声で話し始めた。
「私たちの冒険者ランクであればこの金額は相場通りと言えますね」
「一日の生活費が45ナッシュだったよな。だいたい十一日分だな」
「やはり新米のうちは少し厳しいですね。Gランクパーティの冒険者では戦闘能力がどれくらいかもわかりませんし仕方ありませんが」
「依頼自体は大したことはなさそうだし受けるでいいか?」
「いいと思います」
話がまとまったところで、ザルムがボーレンに依頼を受けると宣言した。すると学者は再びくしゃりと笑って喜ぶ。
「おお、引き受けてくれるか。それはありがたいのう。あそこは暗い地下遺跡じゃし、狭い通路が続く場所じゃ。くれぐれも気を付けて進むんじゃぞ」
そう言って遺跡までの道のりと遺跡内部の構造が書かれた二枚の地図を渡してくれた。
そこには落ち着いて話し合いのできそうな丸テーブルが幾つか用意されていて、依頼主と冒険者と思われる人たちが軽く食事をしながら何やら話し込んでいる。仕切り等は特に無く、一階は難易度の低い依頼を紹介する場所となっているようだ。
その場所から少し奥に進むと、目的の受付が四つほど設置されていた。二人はそのうちの空いている受付を選んで要件を伝える。
すると受付の女性が手早く冒険者登録の手続きについて説明してくれた。ただ渡された用紙に必要事項を記入するだけで登録が済むことを知ると、ザルムはあっと驚いた。
「こうもすんなりと登録できるんだな」
対応の早さを褒めたつもりのザルムだったが、受付の女性は気まずそうに口元を緩めるだけだった。仮パーティの申請をしてから近くの席に着き、ついでに受ける依頼をアロイスと眺めているときにようやく彼の謎が解けた。
「やはり簡単に登録が済みましたね。冒険者が増えればそれだけ国の戦力が増えるのと同じことと言えますから、登録することに関しては規制が緩いのでしょう」
アロイスに理由を言われたことで、まさかと思っていたことが現実になってしまった。こうも簡単に登録が済むということは冒険者を見る目もピンからキリということだ。
しかもそれは、国が低ランク冒険者を丁重に扱っていないということも示している。危険に飛び込むことはどうぞお好きに。ただしあくまで自己責任でとでも言われているかのようだ。
しかし同時に希望もあった。一流の冒険者ともなれば待遇が変わることを彼は知っている。平民上がりにもかかわらず、貴族に忠義を尽くさせるまで至った冒険者が彼の目指すところなのだから。
そうして気を取り直して紹介されている依頼を見ていくと、ちょうど一つの依頼が目に留まった。
「おい、この依頼……」
「ええ、この依頼が良さそうですね」
二人がそう言った依頼は当然魔物退治であったが、場所が枯れた遺跡とのことだった。依頼主もそれなりに名の知れた学者らしく、身元はしっかりしているところも二人を頷かせるポイントだ。
「枯れた遺跡なら罠の心配もそこまで必要ありませんし、このあたりの魔物であれば私たちが逃げることすらできないほどではないでしょう」
「だよな。駆け出しの冒険者にはぴったりの依頼だろう」
二人の意見が一致すると、受付の女性が慣れた手つきで手続きを済ませて、依頼人の住む家の住所を二人に伝えた。
学者の住む家はそれほど広くなく、応接間にも仕舞いきれないほどの本の山が見え隠れするような有様だ。
しかし散らかっているという印象はなく、独自の世界観が構成されているように感じられる。アロイスはその光景に何とも言えない懐かしさを感じながら依頼について聞きたいと学者に伝えた。
年の功なのか、はたまたたくさんの冒険者の世話になって慣れているのかは定かではないが、それなりの地位にいる学者の彼は、異種族や冒険者について偏見は持っていないらしい。
彼は片眼鏡越しにアロイスとザルムを見つめると、くしゃりと笑って本当に嬉しそうに感謝を述べた。齢七十は超えていそうであるが、ハキハキとした調子で依頼の内容を説明してくれる。
「ワシは古代の遺跡を調査して研究する考古学者なんじゃが、実地に赴いてこの目で遺跡を見るのが好みでの。今回の遺跡もワシが気に入っている遺跡の一つなんじゃよ。それでその遺跡に定期的に行っては中を眺めていたんじゃが、ちょっとこの街を離れている隙に魔物が棲みついたようなんじゃ」
ボーレンと名乗った学者は、ときには悔しそうに、ときには目を輝かせながら遺跡と依頼について語った。
「そういう訳で調査自体は終わっているんじゃが、どうしても魔物に占拠されているというのは許せないのじゃわ。あくまでワシ個人の願望じゃから、そこまでの大金は出せないんじゃが、その代わり魔物を殲滅でずに帰ってきても報酬の金額の一部は支払うぞい。協力してくれることへのサービスじゃ」
「依頼に失敗しても最低限の金額は保障してくださるということですね。これ以上ないほどの良い条件です」
「そうだな。ところでその遺跡までの距離はどれくらいなんだ? あと棲みついた魔物はどんなヤツなのかわかるのか?」
「距離は歩いて六時間ほどじゃろうな。ワシの馬車で四時間くらいかかるからのう。魔物はコボルトがいたことは確かじゃ。一目見て逃げ帰ってきたからあとはわからんがの」
コボルトは狼のような魔物だが、対して強くはないし、対処も簡単だ。他の魔物がいる可能性はあれど、とりあえずは問題なさそうだと思ったアロイスは申し訳なさそうに切り出した。
「遺跡にある魔晶石を少し頂いても構いませんか? 訳があって必要なのですが……」
「構わんぞ。魔晶石は自然に出来上がるものじゃしな。遺跡が残っておることに比べれば大した価値にもならんわ」
「ありがとうございます。それで具体的に報酬の方はどれくらい頂けるのでしょうか?」
「依頼を達成してくれれば二人で1000ナッシュ支払おう。失敗の場合は100ナッシュじゃな」
「なるほど。それでは二人で相談させていただきますので少々お待ちください」
そう言ってから二人は小声で話し始めた。
「私たちの冒険者ランクであればこの金額は相場通りと言えますね」
「一日の生活費が45ナッシュだったよな。だいたい十一日分だな」
「やはり新米のうちは少し厳しいですね。Gランクパーティの冒険者では戦闘能力がどれくらいかもわかりませんし仕方ありませんが」
「依頼自体は大したことはなさそうだし受けるでいいか?」
「いいと思います」
話がまとまったところで、ザルムがボーレンに依頼を受けると宣言した。すると学者は再びくしゃりと笑って喜ぶ。
「おお、引き受けてくれるか。それはありがたいのう。あそこは暗い地下遺跡じゃし、狭い通路が続く場所じゃ。くれぐれも気を付けて進むんじゃぞ」
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