降る、ふる、かれる。

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第四章 ライブ

ローハイ少女は今日も行く

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「ローハイ少女は今日も行く」

 長時間、セーラー服を着た少女が電車に揺られている。

美しい夕日が海を抉った。濃い、赤い口紅を施し、白い手袋をつけ、学ランを来た少年たちは妙なダンスを踊っていた。

砂漠には、スパンコールの雨が降ってきた。虐待を受け、体にあざばかりの小さな女の子は、親に生ごみだらけのベランダに放り出されており、唯一の親友である黒い大きなカラスとしゃべっていた。

学校の消火器が影をつくり、青空に雲が流れた。




マイクを持たない無夢の右手は宙に舞う蝶のようであった。ひらひらと頭の上を過ぎ、時には心臓に止まった。そして、心臓から蜜を吸い上げた。


無夢はシラフであるはずなのに酔っているようみえた。色を、音を、光、を飲み込んで無夢自身の細胞から溶け、発散させていた。



「テリアリズム」

 愛に溺れて、互いに依存しあう男女が手を伸ばしている。自分を愛せなくて、相手に縋って、奪って、騙して、洗脳して、病んで、ディスって、イキって、エゴを抑えていた。離れてほしいけど、そばにいたい。二人は、手を繋ぎながら海の底へ沈んでいった。



無夢は、何もかも見抜いているかのような目でカメラの向こうがわに微笑みかけた。

触れば壊れてしまうような歌声は中には血液が潜んでいて、音一粒一粒に心臓がある。音のカーテンが人々を包み込んだ。

大型スクリーンに映し出される無夢の顎から喉をたどり鎖骨へと延びる曲線は、思わず口を付けをしやくなるほど神々しかった。
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