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第二章 歌い手
壊れた世界に請い、恋、雨夜
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僕は一体何者かと問われれば僕は間違いなく無夢という皆の内に存在するものだと即答するだろう。
チャンネル登録者数は三百万人を突破しようとしていた。変わらない日常の中、登録者数だけが増えてゆく。
三百万人。僕にはもう、想像がつかない。ある一定の数までは想像できるけど、その数を超えると、二万だろうが百万だろうが「沢山」という漠然としたものにしかなりえない。
皆が僕の存在を許してくれるから、こうやって息をしている。
今は、好き、とか一生ファンですとかもっと声を聞きたいって言ってくれる人々がいるけど、いずれは僕の目の前からは消えてゆく。その時、僕はどうなるのだろう。何になるのだろう。
考えてもしょうがない未来を考えてしまう。
人間を辞め、人から僕が忘れ去られたら、僕には何も残らない。
永遠なんてないのに、永遠を願ってしまう。惨めに、無様に縋ってしまう。
お願い、僕を忘れないで。
嫌いにならないで。
無夢になる前と変わらない茫漠とした寂しさ。謎の虚無感。
これは一体どこからやってくる感情なのだろう。
性欲はない。お金が欲しいと思わない。食欲もない。睡眠欲もない。だけど、相変わらず僕は孤独だ。アカサカイオリの時と変わらず、苦しみ、涙を流す。
僕は、生きている。まだ生きている。まだ、前を進んでいる。周りには誰もいない。誰も僕には追い付けない。人の轍を歩きたくない。それじゃ、無夢にはならない。
この眼が、肌が、骨が、心臓が失われるとき、一体僕は何を思うのだろうか。
壊れた世界に請い、恋、雨夜。/無夢
一千万回視聴・半年前
チャンネル登録者数は三百万人を突破しようとしていた。変わらない日常の中、登録者数だけが増えてゆく。
三百万人。僕にはもう、想像がつかない。ある一定の数までは想像できるけど、その数を超えると、二万だろうが百万だろうが「沢山」という漠然としたものにしかなりえない。
皆が僕の存在を許してくれるから、こうやって息をしている。
今は、好き、とか一生ファンですとかもっと声を聞きたいって言ってくれる人々がいるけど、いずれは僕の目の前からは消えてゆく。その時、僕はどうなるのだろう。何になるのだろう。
考えてもしょうがない未来を考えてしまう。
人間を辞め、人から僕が忘れ去られたら、僕には何も残らない。
永遠なんてないのに、永遠を願ってしまう。惨めに、無様に縋ってしまう。
お願い、僕を忘れないで。
嫌いにならないで。
無夢になる前と変わらない茫漠とした寂しさ。謎の虚無感。
これは一体どこからやってくる感情なのだろう。
性欲はない。お金が欲しいと思わない。食欲もない。睡眠欲もない。だけど、相変わらず僕は孤独だ。アカサカイオリの時と変わらず、苦しみ、涙を流す。
僕は、生きている。まだ生きている。まだ、前を進んでいる。周りには誰もいない。誰も僕には追い付けない。人の轍を歩きたくない。それじゃ、無夢にはならない。
この眼が、肌が、骨が、心臓が失われるとき、一体僕は何を思うのだろうか。
壊れた世界に請い、恋、雨夜。/無夢
一千万回視聴・半年前
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