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第十七話 あの夜の続きをしよう
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リリーがうなずいたのを合図に、ユーリはリリーの身体を抱き寄せた。顔の距離が近くなる。これからされることがわかって、リリーは反射的に目を閉じた。
「リリー、かわいい。そうやって目をつむるってことは、僕に何されたっていいってことなんだね」
すぐに口づけられるかと思ったのに、ユーリはすぐに触れてこなかった。気配は近いままだが、目を閉じているから何をされるのかわからない。わからないから、いっそうドキドキしてしまう。
「……っ」
ユーリの唇は、まず瞼に落とされた。触れられると思っていなかった場所だから、思わず身体が跳ねた。だが、嫌なわけではない。むしろ、そこからジワジワと甘い痺れが広がっていくようでたまらなかった。
瞼から離れた唇は次に鼻先にチュッと、頬にチュッと、顎にチュッとして、ようやくリリーの唇にたどり着いた。
「ん、ふ……」
やわやわと味見をするように唇を喰まれ、リリーの口から思わず甘えるような声がもれてしまった。その声を聞いてクスッと笑うと、ユーリの舌はリリーの口内に入り込んでくる。
あの夜は、ただただ驚いていたし戸惑っていたから、リリーはされるがままになっていた。
だが、今夜のリリーは違う。
きちんとユーリに思われていると自覚しているし、覚悟をしてこの夜に臨んでいる。
だから、ユーリの思いに応えようと、おずおずと彼の舌に自分の舌を絡めてみた。
拙いその動きに感激したように、ユーリの口から溜息がもれた。それを境に、接吻は激しくなっていく。
吐息も、唾液も、すべて混じり合わせるように、息継ぎの間も惜しむように互いの唇を貪った。
呼吸もままならないからか、そのうち頭がクラクラしてくる。どちらのものともわからない唾液が口の端からこぼれ出す。それすら心地よくて、なかなかふたりは離れることはできなかった。
「……リリー、とろんとした顔してる。かわいい。気持ちよかったの?」
「うん……すごく気持ちよかった」
「じゃあ、もっと気持ちいいことしようか」
唇を離すと、ユーリはリリーを抱き上げて寝台へと運んでいく。それから、ゆっくりと身に着けているものを取り去る。
薄物のナイトドレスと下着を取り去ると、真っ白で柔らかな肌が現れる。脱がされるまでは何の抵抗もしなかったリリーだが、恥ずかしくなって両腕で身体を隠した。
「リリー、隠しちゃだめだ」
「だって、恥ずかしい……」
「大丈夫。恥ずかしくないよ」
頬を染めるリリーに微笑みながら、ユーリも自分の衣服を脱いでいく。上半身はすでにあらわになっていたため、あっという間だ。
「きれいだね、リリー。もっとよく見せて」
なだめるように口づけて、ユーリはリリーに触れていく。腕をそっとどけさせ、ふたつのふくらみを両手に包むと、それだけでリリーの身体は小さく跳ねた。それから、いやいやをするように首を振る。
そのうぶな反応が可愛くて、ユーリは唇を耳へと移動させる。
「んっ……」
「なぁに? リリー、耳がいいの? ……舐めてあげよっか」
「あっ……あぁっ……だめ……んん……」
耳に息を吹きかけられただけで甘い声がもれるとわかって、ユーリはそこをぺろりと舐めあげた。震えながら可愛らしい声で鳴くのがたまらなくて、次第にその舌使いは激しさを増していく。
両手にふくらみを包み込んでこねながら、時折その色づく頂を指でいたずらに弾きながら、ユーリはリリーの耳をねっとりと舐める。まるで穴を犯すかのように、唾液をたっぷりにじませて舌を動かしていく。
ふたつの敏感な場所をそうして刺激され、リリーの身体には痺れが走っていた。その痺れは下腹部からじわじわと広がっていき、やがて疼きに変わっていく。
その疼きを癒やそうと、無意識のうちにリリーの腰は揺れていた。腰を揺らすと、上に覆いかぶさっているユーリの身体とこすれる。ユーリの、主張を始めている欲望と。
「かわいい、リリー。ねだってるの? ……そんなにこすり合わせてくるなんて。じゃあ、こっちの準備をしなきゃね」
初めてではないから、何をされるか知っている。両脚を開かれるのを、顔を真っ赤にしながら受け入れた。だが、次の瞬間、悲鳴をあげることになる。
「ひゃっ……ユーリ? だめ、そんなところ……!」
「だめじゃないよ。濡れてるけど、もっとたっぷり濡らさなきゃ。……優しくしたいんだ」
リリーの脚の間に顔をうずめたユーリは、その中心で蜜をこぼしている花弁に舌を這わせた。
初めは、舌全体で包み込むように花弁を舐めあげる。何度も何度も、感触をたしかめるかのようにゆっくりと。それから、舌先を花弁の割れ目へと滑り込ませていく。
「あ、あぁっ……ぁんん……んっ」
濡れた襞を舌先で撫でられ、花弁にしたたる蜜を啜られ、そのあまりの快感にリリーは喘いだ。
恥ずかしさに染まっていたはずの頬や肌は、今は快楽の熱によってほんのり赤く色づいている。体温が上がり、甘い匂いをさせながら汗ばんでいる。
初めは戸惑いと羞恥しかなかったのに、その大事な部分を舐め回されるうちに、リリーの身体はさらなる刺激を求めて期待し始めた。
秘所の奥が、女性にとって最も大事な場所が、ユーリに触れられたいと疼き始めたのだ。
「……ユーリ、ねえ……来て……」
何と言っても誘えばいいかわからず、リリーは脚の間のユーリの頭を掴み、そこから引き離した。
顔を上げたユーリの唇は、蜜に濡れてぬらぬらと光っていた。
さっきまで舐められ、唾液と蜜で濡れている秘所がすぅすぅして、リリーはもじもじと脚をすり合わせた。その仕草も小さな子供のようで愛らしくて、ユーリは艶めく唇に笑みを浮かべた。
「嬉しい。リリーから求めてくれるなんて。……すぐに、ひとつになろうね」
「あ……」
再び脚を開かされ、その間にユーリの身体がのしかかってくる。そして、奥がじんじんと疼いている中心に、雄々しく屹立したものをあてがわれる。
蜜を塗り広げるように、ユーリは自身を二度三度とそこに滑らせた。それからぐっと腰を進めると、柔らかな肉を押し広げるようにそれはリリーの中へと入ってくる。
「んっ、い……」
引きつれるような痛みが走り、リリーは思わずユーリにしがみついた。あの夜には感じなかった痛みだ。
ギュッと閉じた目を開くと、眉根を寄せて心配そうにしているユーリと目が合った。
「リリー、痛いよね?」
「うん……ちょっと、痛い」
「ごめん……僕、リリーに言わなきゃいけないことがあるんだ」
無理やり奥に押し入らずに、ユーリは神妙に口を開いた。
こんなときに言わなければならないこととは何だろうとリリーは不安になったが、恥じらうようなユーリの表情を見て、悪い想像を一旦頭の隅にやる。
「実は、この前の夜、途中で眠ってしまったんだよね……」
「え?」
「だから、実はまだ僕たち、ちゃんと結ばれてないんだ」
「……え?」
衝撃の告白に、リリーはユーリの顔をじっと見つめた。それから、繋がっている部分に目をやる。
(……眠ってる間に、すべて済んでたんだと思ってたわ)
初めてゆえにそんなものかと流していたが、思えばきちんと結ばれた記憶がないとリリーも思い至った。
指で与えられた強烈な快感を交わりだと思ってしまっていて、目覚めてからも疑問に思わなかったのだ。
「ということは、私はまだ、純潔なの……?」
「厳密に言うとね。でも、今すぐそうじゃなくなるけど。……ごめん、初めての痛みを、今から与えなくちゃいけないんだ」
「ああっ……い……」
中途半端な状態で止まっていたのがつらかったのだろう。ユーリは悩ましげな息を吐くと、ぐっと腰を押し進めた。するとリリーの濡れた肉襞は引きつりながら、その剛直を受け入れる。
「あぁ……すごい……リリーの中、気持ちよくて……もっと、全部包まれたい」
全部と聞いて、痛みに耐えながらじっとしていたリリーの身体が強張った。こんなに痛いのに、まだすべてではないのかと。
だが、自分の上で恍惚とするユーリの顔を見ると、恐れが薄れていき、あたたかく優しい気持ちが満ちてくる。
「……ユーリ、来て……もっと、全部来て、いいよ」
両腕を広げて、迎え入れる意思を見せる。痛みに少し眉根が寄るが、顔に浮かんでいるのはおだやかな笑みだ。
ユーリを愛し、求めているから浮かぶ表情。
それがわかって、ユーリは感激に震えた。
「リリー……! ああ、愛してる……ひとつになろう」
ユーリは、ひと息にリリーの身体を貫いた。引き裂かれるような感覚にリリーは一瞬悲鳴をあげたが、慰めるようにユーリが口づけるうちに、少しずつ落ち着いてきた。
そのまましばらく、ふたりは唇を啄み合いながら、じっと動かずにいた。
動かずに、ただ繋がっているだけでそこから溶けてしまいそうなほどの幸福感に包まれる。
暖かくて、どんなときよりもお互いが近い。
そのことがこの上なく幸せで、リリーの目尻からは涙がこぼれる。
「……ユーリ、すごく幸せね。やっとあなたのものになれた」
「リリー……もう絶対に、絶対に離さないよ」
「うん……」
リリーの表情から強ばりがなくなり、微笑みが浮かんだのを合図にユーリは腰を動かし始めた。
初めて結ばれた喜びを抑えきれず、ユーリの動きは激しい。
ひと突きするたびにリリーが甘い悲鳴をあげ、もっと奥へと誘うようにとろけた蜜壷でユーリの肉楔をしめつけるから、余計に我慢ができなくなっているのもあった。
「リリー、気持がいい? ここが好き?」
「あっああっ、んっ、わかんないっんん……あぁ……」
揺さぶられながら、リリーの声は甘く跳ねる。その声を頼りにリリーの良いところを見つけたユーリは、そこを重点的に責め立てた。
初な身体はその快感に耐えられず、リリーの内側は切なく震える。
柔らかな肉の震えはそのまま剛直をねっとりと締め上げ、ユーリの腰にも甘い痺れをもたらした。
「あっ……だめだ……僕も、そろそろ……」
「あんっ……きて、来て、ユーリ……!」
「あ……はぁ……うっ……」
猛烈な快感が腰から脳天に走った直後、ユーリは自身をリリーの最奥に押し込んだ。温かく柔らかなそこに先端を捩じ込んだ直後、熱い飛沫がほとばしった。
飛沫は、脈打つのに合わせてあふれ続ける。ずっと快感の波にさらわれ続けていたリリーはそれによって、一際高い頂を極めた。
「リリー、かわいい。そうやって目をつむるってことは、僕に何されたっていいってことなんだね」
すぐに口づけられるかと思ったのに、ユーリはすぐに触れてこなかった。気配は近いままだが、目を閉じているから何をされるのかわからない。わからないから、いっそうドキドキしてしまう。
「……っ」
ユーリの唇は、まず瞼に落とされた。触れられると思っていなかった場所だから、思わず身体が跳ねた。だが、嫌なわけではない。むしろ、そこからジワジワと甘い痺れが広がっていくようでたまらなかった。
瞼から離れた唇は次に鼻先にチュッと、頬にチュッと、顎にチュッとして、ようやくリリーの唇にたどり着いた。
「ん、ふ……」
やわやわと味見をするように唇を喰まれ、リリーの口から思わず甘えるような声がもれてしまった。その声を聞いてクスッと笑うと、ユーリの舌はリリーの口内に入り込んでくる。
あの夜は、ただただ驚いていたし戸惑っていたから、リリーはされるがままになっていた。
だが、今夜のリリーは違う。
きちんとユーリに思われていると自覚しているし、覚悟をしてこの夜に臨んでいる。
だから、ユーリの思いに応えようと、おずおずと彼の舌に自分の舌を絡めてみた。
拙いその動きに感激したように、ユーリの口から溜息がもれた。それを境に、接吻は激しくなっていく。
吐息も、唾液も、すべて混じり合わせるように、息継ぎの間も惜しむように互いの唇を貪った。
呼吸もままならないからか、そのうち頭がクラクラしてくる。どちらのものともわからない唾液が口の端からこぼれ出す。それすら心地よくて、なかなかふたりは離れることはできなかった。
「……リリー、とろんとした顔してる。かわいい。気持ちよかったの?」
「うん……すごく気持ちよかった」
「じゃあ、もっと気持ちいいことしようか」
唇を離すと、ユーリはリリーを抱き上げて寝台へと運んでいく。それから、ゆっくりと身に着けているものを取り去る。
薄物のナイトドレスと下着を取り去ると、真っ白で柔らかな肌が現れる。脱がされるまでは何の抵抗もしなかったリリーだが、恥ずかしくなって両腕で身体を隠した。
「リリー、隠しちゃだめだ」
「だって、恥ずかしい……」
「大丈夫。恥ずかしくないよ」
頬を染めるリリーに微笑みながら、ユーリも自分の衣服を脱いでいく。上半身はすでにあらわになっていたため、あっという間だ。
「きれいだね、リリー。もっとよく見せて」
なだめるように口づけて、ユーリはリリーに触れていく。腕をそっとどけさせ、ふたつのふくらみを両手に包むと、それだけでリリーの身体は小さく跳ねた。それから、いやいやをするように首を振る。
そのうぶな反応が可愛くて、ユーリは唇を耳へと移動させる。
「んっ……」
「なぁに? リリー、耳がいいの? ……舐めてあげよっか」
「あっ……あぁっ……だめ……んん……」
耳に息を吹きかけられただけで甘い声がもれるとわかって、ユーリはそこをぺろりと舐めあげた。震えながら可愛らしい声で鳴くのがたまらなくて、次第にその舌使いは激しさを増していく。
両手にふくらみを包み込んでこねながら、時折その色づく頂を指でいたずらに弾きながら、ユーリはリリーの耳をねっとりと舐める。まるで穴を犯すかのように、唾液をたっぷりにじませて舌を動かしていく。
ふたつの敏感な場所をそうして刺激され、リリーの身体には痺れが走っていた。その痺れは下腹部からじわじわと広がっていき、やがて疼きに変わっていく。
その疼きを癒やそうと、無意識のうちにリリーの腰は揺れていた。腰を揺らすと、上に覆いかぶさっているユーリの身体とこすれる。ユーリの、主張を始めている欲望と。
「かわいい、リリー。ねだってるの? ……そんなにこすり合わせてくるなんて。じゃあ、こっちの準備をしなきゃね」
初めてではないから、何をされるか知っている。両脚を開かれるのを、顔を真っ赤にしながら受け入れた。だが、次の瞬間、悲鳴をあげることになる。
「ひゃっ……ユーリ? だめ、そんなところ……!」
「だめじゃないよ。濡れてるけど、もっとたっぷり濡らさなきゃ。……優しくしたいんだ」
リリーの脚の間に顔をうずめたユーリは、その中心で蜜をこぼしている花弁に舌を這わせた。
初めは、舌全体で包み込むように花弁を舐めあげる。何度も何度も、感触をたしかめるかのようにゆっくりと。それから、舌先を花弁の割れ目へと滑り込ませていく。
「あ、あぁっ……ぁんん……んっ」
濡れた襞を舌先で撫でられ、花弁にしたたる蜜を啜られ、そのあまりの快感にリリーは喘いだ。
恥ずかしさに染まっていたはずの頬や肌は、今は快楽の熱によってほんのり赤く色づいている。体温が上がり、甘い匂いをさせながら汗ばんでいる。
初めは戸惑いと羞恥しかなかったのに、その大事な部分を舐め回されるうちに、リリーの身体はさらなる刺激を求めて期待し始めた。
秘所の奥が、女性にとって最も大事な場所が、ユーリに触れられたいと疼き始めたのだ。
「……ユーリ、ねえ……来て……」
何と言っても誘えばいいかわからず、リリーは脚の間のユーリの頭を掴み、そこから引き離した。
顔を上げたユーリの唇は、蜜に濡れてぬらぬらと光っていた。
さっきまで舐められ、唾液と蜜で濡れている秘所がすぅすぅして、リリーはもじもじと脚をすり合わせた。その仕草も小さな子供のようで愛らしくて、ユーリは艶めく唇に笑みを浮かべた。
「嬉しい。リリーから求めてくれるなんて。……すぐに、ひとつになろうね」
「あ……」
再び脚を開かされ、その間にユーリの身体がのしかかってくる。そして、奥がじんじんと疼いている中心に、雄々しく屹立したものをあてがわれる。
蜜を塗り広げるように、ユーリは自身を二度三度とそこに滑らせた。それからぐっと腰を進めると、柔らかな肉を押し広げるようにそれはリリーの中へと入ってくる。
「んっ、い……」
引きつれるような痛みが走り、リリーは思わずユーリにしがみついた。あの夜には感じなかった痛みだ。
ギュッと閉じた目を開くと、眉根を寄せて心配そうにしているユーリと目が合った。
「リリー、痛いよね?」
「うん……ちょっと、痛い」
「ごめん……僕、リリーに言わなきゃいけないことがあるんだ」
無理やり奥に押し入らずに、ユーリは神妙に口を開いた。
こんなときに言わなければならないこととは何だろうとリリーは不安になったが、恥じらうようなユーリの表情を見て、悪い想像を一旦頭の隅にやる。
「実は、この前の夜、途中で眠ってしまったんだよね……」
「え?」
「だから、実はまだ僕たち、ちゃんと結ばれてないんだ」
「……え?」
衝撃の告白に、リリーはユーリの顔をじっと見つめた。それから、繋がっている部分に目をやる。
(……眠ってる間に、すべて済んでたんだと思ってたわ)
初めてゆえにそんなものかと流していたが、思えばきちんと結ばれた記憶がないとリリーも思い至った。
指で与えられた強烈な快感を交わりだと思ってしまっていて、目覚めてからも疑問に思わなかったのだ。
「ということは、私はまだ、純潔なの……?」
「厳密に言うとね。でも、今すぐそうじゃなくなるけど。……ごめん、初めての痛みを、今から与えなくちゃいけないんだ」
「ああっ……い……」
中途半端な状態で止まっていたのがつらかったのだろう。ユーリは悩ましげな息を吐くと、ぐっと腰を押し進めた。するとリリーの濡れた肉襞は引きつりながら、その剛直を受け入れる。
「あぁ……すごい……リリーの中、気持ちよくて……もっと、全部包まれたい」
全部と聞いて、痛みに耐えながらじっとしていたリリーの身体が強張った。こんなに痛いのに、まだすべてではないのかと。
だが、自分の上で恍惚とするユーリの顔を見ると、恐れが薄れていき、あたたかく優しい気持ちが満ちてくる。
「……ユーリ、来て……もっと、全部来て、いいよ」
両腕を広げて、迎え入れる意思を見せる。痛みに少し眉根が寄るが、顔に浮かんでいるのはおだやかな笑みだ。
ユーリを愛し、求めているから浮かぶ表情。
それがわかって、ユーリは感激に震えた。
「リリー……! ああ、愛してる……ひとつになろう」
ユーリは、ひと息にリリーの身体を貫いた。引き裂かれるような感覚にリリーは一瞬悲鳴をあげたが、慰めるようにユーリが口づけるうちに、少しずつ落ち着いてきた。
そのまましばらく、ふたりは唇を啄み合いながら、じっと動かずにいた。
動かずに、ただ繋がっているだけでそこから溶けてしまいそうなほどの幸福感に包まれる。
暖かくて、どんなときよりもお互いが近い。
そのことがこの上なく幸せで、リリーの目尻からは涙がこぼれる。
「……ユーリ、すごく幸せね。やっとあなたのものになれた」
「リリー……もう絶対に、絶対に離さないよ」
「うん……」
リリーの表情から強ばりがなくなり、微笑みが浮かんだのを合図にユーリは腰を動かし始めた。
初めて結ばれた喜びを抑えきれず、ユーリの動きは激しい。
ひと突きするたびにリリーが甘い悲鳴をあげ、もっと奥へと誘うようにとろけた蜜壷でユーリの肉楔をしめつけるから、余計に我慢ができなくなっているのもあった。
「リリー、気持がいい? ここが好き?」
「あっああっ、んっ、わかんないっんん……あぁ……」
揺さぶられながら、リリーの声は甘く跳ねる。その声を頼りにリリーの良いところを見つけたユーリは、そこを重点的に責め立てた。
初な身体はその快感に耐えられず、リリーの内側は切なく震える。
柔らかな肉の震えはそのまま剛直をねっとりと締め上げ、ユーリの腰にも甘い痺れをもたらした。
「あっ……だめだ……僕も、そろそろ……」
「あんっ……きて、来て、ユーリ……!」
「あ……はぁ……うっ……」
猛烈な快感が腰から脳天に走った直後、ユーリは自身をリリーの最奥に押し込んだ。温かく柔らかなそこに先端を捩じ込んだ直後、熱い飛沫がほとばしった。
飛沫は、脈打つのに合わせてあふれ続ける。ずっと快感の波にさらわれ続けていたリリーはそれによって、一際高い頂を極めた。
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