2 / 20
第一章
2
しおりを挟む
「『みんな喜ぶだろう』ってさ、それじゃあ先生は嬉しくないみたいじゃん……」
研究室を出て、もう声が届かないとわかる距離まで廊下を歩いて、サーヤは呟いた。声に出して言ってしまわなければ、苦しくてどうにかなりそうだったのだ。
別に、喜ばせるために言ったのではない。残りたいと思ったのはサーヤの意思で、それを彼に伝えたにすぎない。だが、彼はお世辞でも「残ってくれて嬉しい」とは言わなかったのだ。
それがすべての答えのように思えて、歩きながらサーヤの気持ちはどんどん沈んでいく。
「サーヤ、どうだった?」
研究室の入っている王立図書館を出て敷地を歩いていると、赤毛の若い女性がひょっこり現れた。
彼女はターニャといって、サーヤの友人だ。
今日、ローレンツに残ることを伝えに行くと彼女には言っていたから、心配して様子を見に来てくれたのだろう。
「伝えたけど、何か、めちゃくちゃ反対された」
「えー? 故郷が大事だとかそういう話?」
「うん、まあ……簡単に言うとそういう感じ。生まれ育った世界のほうが馴染みがあるだろうって言われちゃってさ」
かいつまんで伝えるうちに、サーヤの気持ちはまたどんどん沈んでいった。聞いているターニャも、すぐに苦い顔になる。
「たかが五年、されど五年なのにね。心配な気持ちはわかるけど、逆に五年も離れてた場所に戻る怖さみたいなのもあるじゃんね! その点、こっちに残るんならあたしらがいて寂しくないし、残ることを選ぶ渡り人だって多いのに。渡り人だってうまくやれるのは、うちのじいちゃんが証明したじゃん」
落ち込むだけのサーヤに代わって、ターニャは憤っていた。
ターニャの祖父も渡り人だったらしく、そういう理由で出会ったときから彼女はとてもサーヤに親切だった。
言葉を話し空を翔ける天馬がいる世界から来たという彼女の祖父もサーヤにとっては異世界の人ではあるが、渡り人という共通点だけで彼女はサーヤに優しくしてくれたのだ。
残念ながら、サーヤがこちらに渡ってくる数年前に彼は亡くなっていて会うことは叶わなかったが、彼が遺した話をみんな積極的に聞かせてくれる。少しでもサーヤの慰めになるようにと。
何より、基本的にこの世界の人たちは渡り人に優しい。それが残りたい理由でもある。
「先生が賛成してくれなかったからって、落ち込まなくていいよ。あの人は心配性すぎるんだよ」
「賛成してくれなかったことにも落ち込むけど、それより失恋確定なことがきついかも……」
「えっ! 告白したの……?」
驚くターニャに、サーヤは首を振る。あれは告白ではないだろうが、あの反応はサーヤにとってはふられたも同然だ。
「あまりにも反対されるものだから、『離れたくない人がいるの』って言ったの。そしたら『そうか』って」
「えー……普通そこさ、自分のことかなって思わないまでも『誰? 俺の知ってるやつ?』くらい聞かない?」
「つまり、興味ないんだよ。それか、自分のこと言われてるってわかってて流したか」
「……どっちにしても、落ち込むね」
サーヤの抱える虚しさをわかってくれたらしく、ターニャは励ますように肩を叩いた。わかってくれる人がいるだけで、ほんの少し気持ちが楽になる。
彼女には、わざわざローレンツを好きだと打ち明けたことはないのだ。サーヤの彼に対する態度を見て、察してくれただけである。わざわざ言わないだけで、気づいている人は他にもいるだろう。
気づいていないのは、たぶん本人だけだ。好かれていると露ほども思わないのは、彼にとって対象外だからに他ならないとサーヤは感じていた。
彼にとっては出会ったときから今まで、サーヤは保護の対象でしかないのだろう。
「どうか私に、君を保護する役目を与えてくれないか」
この世界にたどり着いてすぐ、わけもわからず泣いていたとき、サーヤがいる部屋にやってきてローレンツはそう言った。
この世界に来るときに神の加護とやらで、言葉は通じるようになっていた。だから、道に空いていた穴に落っこちたと思ったら全く知らない場所にたどり着いてしまってすぐに、自分がいわゆる異世界転移をしたのだとわかった。
だが、それだけだ。
世界全体にはひずみがあり、そのひずみに呑み込まれた物や人をキャッチする仕組みをこの世界は持っているのだという。そして、サーヤはキャッチされたのである。
教会の人たちにそういった説明をされたものの、わけがわからなくてサーヤはずっと泣いていた。まるで見えない何かに生贄として差し出されたみたいな気分になっていたのだ。元いた世界だって、ろくでもない人生だったのに。
とにかく混乱しきりで情緒が乱れていた中、大急ぎでやってきたという様子で現れたのがローレンツだった。
彼はサーヤのような渡り人を研究していて、渡り人がこの世界でより良く暮らすための手伝いがしたいと言った。
彼はサーヤに根掘り葉掘り聞こうとせず、まず自分のことを語った。現王の弟という身分から、自由に研究ができる立場であること。子供のときから異世界からやってくる渡りの存在に興味があったこと。渡り人と交流できたらしたいと思っていたこと、などなど。
聞いたことのない音の羅列のはずなのに、神の加護により彼の言葉はきちんと意味のわかるものとしてサーヤの耳に届いた。それだけでなく、彼の声や話し方や表情などは安心感を与えるもので、サーヤは彼が語るのを聞くうちに落ち着きを取り戻していた。
「泣き止むまでそっとしておいてやろうと教会の人々は言っていたが、私は小さな子供が知らない世界で心細くて泣いているのを放っておくのは嫌だったんだ」
泣きやんだサーヤを見て、ほっとしたようにローレンツは言った。それを聞いてサーヤは「子供扱いしないで!」と憤慨したが、思えばあのときから彼に好意を抱いていたのだろう。
だが、彼も同様にあの頃からずっとサーヤを庇護の対象としか見ていないのだとしたら、片想いにもほどがあるという話だ。
「とりあえず先生のことは置いておいて、食事に行こう! サーヤのこれからの人生を祝して!」
「うん。お腹空いちゃった」
元気よく言うターニャにつられて、サーヤも頷いた。
失恋しようと何しようと、お腹は空くものだ。そして、空腹のときはより一層マイナス思考になることを、これまでの経験から知っている。
五年前、泣き疲れたサーヤにローレンツは温かい牛乳と焼き菓子を持ってきてくれた。あのとき飲んだスパイス入りの独特の牛乳の香りや焼き菓子の甘さは、幸福な記憶としてサーヤの中に残っている。
あの夜、誰にも声をかけられず知らない世界の片隅でひとり過ごさなくてよかったことを、サーヤは感謝しているのだ。
そしてやはり、あの優しさをくれたローレンツのことを、好きだと思うのだ。
研究室を出て、もう声が届かないとわかる距離まで廊下を歩いて、サーヤは呟いた。声に出して言ってしまわなければ、苦しくてどうにかなりそうだったのだ。
別に、喜ばせるために言ったのではない。残りたいと思ったのはサーヤの意思で、それを彼に伝えたにすぎない。だが、彼はお世辞でも「残ってくれて嬉しい」とは言わなかったのだ。
それがすべての答えのように思えて、歩きながらサーヤの気持ちはどんどん沈んでいく。
「サーヤ、どうだった?」
研究室の入っている王立図書館を出て敷地を歩いていると、赤毛の若い女性がひょっこり現れた。
彼女はターニャといって、サーヤの友人だ。
今日、ローレンツに残ることを伝えに行くと彼女には言っていたから、心配して様子を見に来てくれたのだろう。
「伝えたけど、何か、めちゃくちゃ反対された」
「えー? 故郷が大事だとかそういう話?」
「うん、まあ……簡単に言うとそういう感じ。生まれ育った世界のほうが馴染みがあるだろうって言われちゃってさ」
かいつまんで伝えるうちに、サーヤの気持ちはまたどんどん沈んでいった。聞いているターニャも、すぐに苦い顔になる。
「たかが五年、されど五年なのにね。心配な気持ちはわかるけど、逆に五年も離れてた場所に戻る怖さみたいなのもあるじゃんね! その点、こっちに残るんならあたしらがいて寂しくないし、残ることを選ぶ渡り人だって多いのに。渡り人だってうまくやれるのは、うちのじいちゃんが証明したじゃん」
落ち込むだけのサーヤに代わって、ターニャは憤っていた。
ターニャの祖父も渡り人だったらしく、そういう理由で出会ったときから彼女はとてもサーヤに親切だった。
言葉を話し空を翔ける天馬がいる世界から来たという彼女の祖父もサーヤにとっては異世界の人ではあるが、渡り人という共通点だけで彼女はサーヤに優しくしてくれたのだ。
残念ながら、サーヤがこちらに渡ってくる数年前に彼は亡くなっていて会うことは叶わなかったが、彼が遺した話をみんな積極的に聞かせてくれる。少しでもサーヤの慰めになるようにと。
何より、基本的にこの世界の人たちは渡り人に優しい。それが残りたい理由でもある。
「先生が賛成してくれなかったからって、落ち込まなくていいよ。あの人は心配性すぎるんだよ」
「賛成してくれなかったことにも落ち込むけど、それより失恋確定なことがきついかも……」
「えっ! 告白したの……?」
驚くターニャに、サーヤは首を振る。あれは告白ではないだろうが、あの反応はサーヤにとってはふられたも同然だ。
「あまりにも反対されるものだから、『離れたくない人がいるの』って言ったの。そしたら『そうか』って」
「えー……普通そこさ、自分のことかなって思わないまでも『誰? 俺の知ってるやつ?』くらい聞かない?」
「つまり、興味ないんだよ。それか、自分のこと言われてるってわかってて流したか」
「……どっちにしても、落ち込むね」
サーヤの抱える虚しさをわかってくれたらしく、ターニャは励ますように肩を叩いた。わかってくれる人がいるだけで、ほんの少し気持ちが楽になる。
彼女には、わざわざローレンツを好きだと打ち明けたことはないのだ。サーヤの彼に対する態度を見て、察してくれただけである。わざわざ言わないだけで、気づいている人は他にもいるだろう。
気づいていないのは、たぶん本人だけだ。好かれていると露ほども思わないのは、彼にとって対象外だからに他ならないとサーヤは感じていた。
彼にとっては出会ったときから今まで、サーヤは保護の対象でしかないのだろう。
「どうか私に、君を保護する役目を与えてくれないか」
この世界にたどり着いてすぐ、わけもわからず泣いていたとき、サーヤがいる部屋にやってきてローレンツはそう言った。
この世界に来るときに神の加護とやらで、言葉は通じるようになっていた。だから、道に空いていた穴に落っこちたと思ったら全く知らない場所にたどり着いてしまってすぐに、自分がいわゆる異世界転移をしたのだとわかった。
だが、それだけだ。
世界全体にはひずみがあり、そのひずみに呑み込まれた物や人をキャッチする仕組みをこの世界は持っているのだという。そして、サーヤはキャッチされたのである。
教会の人たちにそういった説明をされたものの、わけがわからなくてサーヤはずっと泣いていた。まるで見えない何かに生贄として差し出されたみたいな気分になっていたのだ。元いた世界だって、ろくでもない人生だったのに。
とにかく混乱しきりで情緒が乱れていた中、大急ぎでやってきたという様子で現れたのがローレンツだった。
彼はサーヤのような渡り人を研究していて、渡り人がこの世界でより良く暮らすための手伝いがしたいと言った。
彼はサーヤに根掘り葉掘り聞こうとせず、まず自分のことを語った。現王の弟という身分から、自由に研究ができる立場であること。子供のときから異世界からやってくる渡りの存在に興味があったこと。渡り人と交流できたらしたいと思っていたこと、などなど。
聞いたことのない音の羅列のはずなのに、神の加護により彼の言葉はきちんと意味のわかるものとしてサーヤの耳に届いた。それだけでなく、彼の声や話し方や表情などは安心感を与えるもので、サーヤは彼が語るのを聞くうちに落ち着きを取り戻していた。
「泣き止むまでそっとしておいてやろうと教会の人々は言っていたが、私は小さな子供が知らない世界で心細くて泣いているのを放っておくのは嫌だったんだ」
泣きやんだサーヤを見て、ほっとしたようにローレンツは言った。それを聞いてサーヤは「子供扱いしないで!」と憤慨したが、思えばあのときから彼に好意を抱いていたのだろう。
だが、彼も同様にあの頃からずっとサーヤを庇護の対象としか見ていないのだとしたら、片想いにもほどがあるという話だ。
「とりあえず先生のことは置いておいて、食事に行こう! サーヤのこれからの人生を祝して!」
「うん。お腹空いちゃった」
元気よく言うターニャにつられて、サーヤも頷いた。
失恋しようと何しようと、お腹は空くものだ。そして、空腹のときはより一層マイナス思考になることを、これまでの経験から知っている。
五年前、泣き疲れたサーヤにローレンツは温かい牛乳と焼き菓子を持ってきてくれた。あのとき飲んだスパイス入りの独特の牛乳の香りや焼き菓子の甘さは、幸福な記憶としてサーヤの中に残っている。
あの夜、誰にも声をかけられず知らない世界の片隅でひとり過ごさなくてよかったことを、サーヤは感謝しているのだ。
そしてやはり、あの優しさをくれたローレンツのことを、好きだと思うのだ。
63
お気に入りに追加
208
あなたにおすすめの小説
断る――――前にもそう言ったはずだ
鈴宮(すずみや)
恋愛
「寝室を分けませんか?」
結婚して三年。王太子エルネストと妃モニカの間にはまだ子供が居ない。
周囲からは『そろそろ側妃を』という声が上がっているものの、彼はモニカと寝室を分けることを拒んでいる。
けれど、エルネストはいつだって、モニカにだけ冷たかった。
他の人々に向けられる優しい言葉、笑顔が彼女に向けられることない。
(わたくし以外の女性が妃ならば、エルネスト様はもっと幸せだろうに……)
そんな時、侍女のコゼットが『エルネストから想いを寄せられている』ことをモニカに打ち明ける。
ようやく側妃を娶る気になったのか――――エルネストがコゼットと過ごせるよう、私室で休むことにしたモニカ。
そんな彼女の元に、護衛騎士であるヴィクトルがやってきて――――?
【完結】もう…我慢しなくても良いですよね?
アノマロカリス
ファンタジー
マーテルリア・フローレンス公爵令嬢は、幼い頃から自国の第一王子との婚約が決まっていて幼少の頃から厳しい教育を施されていた。
泣き言は許されず、笑みを浮かべる事も許されず、お茶会にすら参加させて貰えずに常に完璧な淑女を求められて教育をされて来た。
16歳の成人の義を過ぎてから王子との婚約発表の場で、事あろうことか王子は聖女に選ばれたという男爵令嬢を連れて来て私との婚約を破棄して、男爵令嬢と婚約する事を選んだ。
マーテルリアの幼少からの血の滲むような努力は、一瞬で崩壊してしまった。
あぁ、今迄の苦労は一体なんの為に…
もう…我慢しなくても良いですよね?
この物語は、「虐げられる生活を曽祖母の秘術でざまぁして差し上げますわ!」の続編です。
前作の登場人物達も多数登場する予定です。
マーテルリアのイラストを変更致しました。
稀代の悪女として処刑されたはずの私は、なぜか幼女になって公爵様に溺愛されています
水谷繭
ファンタジー
グレースは皆に悪女と罵られながら処刑された。しかし、確かに死んだはずが目を覚ますと森の中だった。その上、なぜか元の姿とは似ても似つかない幼女の姿になっている。
森を彷徨っていたグレースは、公爵様に見つかりお屋敷に引き取られることに。初めは戸惑っていたグレースだが、都合がいいので、かわい子ぶって公爵家の力を利用することに決める。
公爵様にシャーリーと名付けられ、溺愛されながら過ごすグレース。そんなある日、前世で自分を陥れたシスターと出くわす。公爵様に好意を持っているそのシスターは、シャーリーを世話するという口実で公爵に近づこうとする。シスターの目的を察したグレースは、彼女に復讐することを思いつき……。
◇画像はGirly Drop様からお借りしました
◆エール送ってくれた方ありがとうございます!
どうやら夫に疎まれているようなので、私はいなくなることにします
文野多咲
恋愛
秘めやかな空気が、寝台を囲う帳の内側に立ち込めていた。
夫であるゲルハルトがエレーヌを見下ろしている。
エレーヌの髪は乱れ、目はうるみ、体の奥は甘い熱で満ちている。エレーヌもまた、想いを込めて夫を見つめた。
「ゲルハルトさま、愛しています」
ゲルハルトはエレーヌをさも大切そうに撫でる。その手つきとは裏腹に、ぞっとするようなことを囁いてきた。
「エレーヌ、俺はあなたが憎い」
エレーヌは凍り付いた。

【完結】もう無理して私に笑いかけなくてもいいですよ?
冬馬亮
恋愛
公爵令嬢のエリーゼは、遅れて出席した夜会で、婚約者のオズワルドがエリーゼへの不満を口にするのを偶然耳にする。
オズワルドを愛していたエリーゼはひどくショックを受けるが、悩んだ末に婚約解消を決意する。
だが、喜んで受け入れると思っていたオズワルドが、なぜか婚約解消を拒否。関係の再構築を提案する。
その後、プレゼント攻撃や突撃訪問の日々が始まるが、オズワルドは別の令嬢をそばに置くようになり・・・
「彼女は友人の妹で、なんとも思ってない。オレが好きなのはエリーゼだ」
「私みたいな女に無理して笑いかけるのも限界だって夜会で愚痴をこぼしてたじゃないですか。よかったですね、これでもう、無理して私に笑いかけなくてよくなりましたよ」

タジタジ騎士公爵様は妖精を溺愛する
雨香
恋愛
美醜の感覚のズレた異世界に落ちたリリがスパダリイケメン達に溺愛されていく。最終話まで書き終わったので7:00と19:00の1日2回に戻します!
ヒーロー大好きな主人公と、どう受け止めていいかわからないヒーローのもだもだ話です。
「シェイド様、大好き!!」
「〜〜〜〜っっっ!!???」
逆ハーレム風の過保護な溺愛を楽しんで頂ければ。
とまどいの花嫁は、夫から逃げられない
椎名さえら
恋愛
エラは、親が決めた婚約者からずっと冷淡に扱われ
初夜、夫は愛人の家へと行った。
戦争が起こり、夫は戦地へと赴いた。
「無事に戻ってきたら、お前とは離婚する」
と言い置いて。
やっと戦争が終わった後、エラのもとへ戻ってきた夫に
彼女は強い違和感を感じる。
夫はすっかり改心し、エラとは離婚しないと言い張り
突然彼女を溺愛し始めたからだ
______________________
✴︎舞台のイメージはイギリス近代(ゆるゆる設定)
✴︎誤字脱字は優しくスルーしていただけると幸いです
✴︎なろうさんにも投稿しています
私の勝手なBGMは、懐かしすぎるけど鬼束ちひろ『月光』←名曲すぎ

【完結】赤ちゃんが生まれたら殺されるようです
白崎りか
恋愛
もうすぐ赤ちゃんが生まれる。
ドレスの上から、ふくらんだお腹をなでる。
「はやく出ておいで。私の赤ちゃん」
ある日、アリシアは見てしまう。
夫が、ベッドの上で、メイドと口づけをしているのを!
「どうして、メイドのお腹にも、赤ちゃんがいるの?!」
「赤ちゃんが生まれたら、私は殺されるの?」
夫とメイドは、アリシアの殺害を計画していた。
自分たちの子供を跡継ぎにして、辺境伯家を乗っ取ろうとしているのだ。
ドラゴンの力で、前世の記憶を取り戻したアリシアは、自由を手に入れるために裁判で戦う。
※1話と2話は短編版と内容は同じですが、設定を少し変えています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる