小助くんの小さなぼうけん

ケンタシノリ

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秋のきせつはどうぶつたちとともに

ばんごはんの後におっぱいをのんで元気いっぱい!

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 どうくつの前では、お父さんかいじゅうが木をつかって自分の手で火をおこしています。これから、大きな池でとれたばかりのお魚をやくところです。

 お母さんかいじゅうは、どうくつにある大きなイモをもってきました。これを見た小助は、すぐにお母さんかいじゅうにしがみつきました。

「ぼうや、どうしたの?」
「おイモ! おイモ! おイモ!」
「それじゃあ、やきイモにしてみんなで食べようかな」
「うん!」

 小助は、大すきなやきイモが食べるのを今から楽しみにしています。そんな時、かいじゅうのお父さんが子どもたちに声をかけています。

「火がついたから、おちているえだやはっぱをこっちへもってきて!」

 子どもたちは、じめんにおちているえだやはっぱをさがしながらひろっていきます。ケモスケは、一足先にお父さんかいじゅうのところへもっていきました。

「こんなにたくさんひろってきたよ」

 ケモスケは、小助よりも一回り大きいのでりょう手でたくさんもって行くことができます。小助たちも、はっぱをたくさんあつめてお父さんかいじゅうの前へきました。

「これだけあったら、ここにあるお魚もおいしくやき上がるぞ」

 火の中へは、池でとれたお魚とどうくつからもってきたイモがそれぞれ入っています。子どもたちも、ばんごはんができるのを楽しみにしながらまわりにあつまってきました。

「やきイモ! やきイモ!」
「もう少ししたらできるからまっていてね」

 小助は、やきたてのイモを早く食べたいとじっとまっています。そうするうちに、お母さんかいじゅうは長くてほそいえだを火の中へ入れて何かをとり出そうとしています。

「ぼうや、大きくて長いイモがやけたわよ」
「わ~い! やきイモだ! やきイモだ!」
「やきたてだから、やけどをしないように気をつけてね」

 かいじゅうのお母さんは、小助に大きなやきイモを手わたしました。お父さんかいじゅうのほうも、やき上がったばかりのお魚をみんなに手わたしています。

「それじゃあ、みんなでいただきましょう。いただきます!」
「いただきます!」

 みんなでばんごはんのあいさつをすると、小助は大すきなやきイモを口いっぱいにほおばりながら食べています。ほかのみんなも、やきたてのイモやおいしそうなやき魚を食べたりしながらにぎやかにわらっています。

 小助は、やき魚とやきイモをのこさずに食べおわると、となりですわっているお母さんかいじゅうにしがみついています。

「あらあら、どうしたの?」
「おっぱい! おっぱい! おっぱい!」
「ふふふ、しょうがないわね」

 お母さんかいじゅうは、小助をだきながらおっぱいをあたえています。小助のほうも、かわいい顔つきでおっぱいをのみつづけています。

 そのころ、お母さんグマは子グマたちとワン太におっぱいをのませています。クマのお母さんは、どうぶつの子どもたちのようすをやさしく見つめています。

「いっぱいのんで、すくすくと大きくなろうね」

 こうして、お母さんグマのおっぱいをのみおえた子グマやワン太と入れかわるように、こんどは小助がクマのお母さんのところへやってきました。

「おっぱい! おっぱい!」
「ふふふ、ぼうやはおっぱいをのむのが大すきなんだね」
「うん!」

 小助は、お母さんかいじゅうにつづいてお母さんグマのおっぱいをのみはじめました。お母さんグマは、小助のかわいい顔を見つめながらこうつぶやきました。

「ぼうや、おしっこのほうは大じょうぶかしら」

 お母さんグマの心ぱいをよそに、小助はおっぱいをいっぱいのむとお父さんかいじゅうのそばへやってきました。そこには、かいじゅうのお父さんにだっこされて大よろこびしている子グマたちのすがたがあります。

「さあ、つぎはぼうやをだっこしようかな」

 お父さんかいじゅうは、子グマたちをじめんに下ろすとこんどは小助をりょう手でだきかかえるようにもち上げています。小助は、かいじゅうのお父さんにだかれながらかわいいえがおを見せています。

「キャッキャッキャッ、キャッキャッキャッ」
「ぼうやもわんぱくで元気な子になってほしいなあ」

 かいじゅうのお父さんが、小助のうれしそうな顔つきをじっと見つめていたその時のことです。

「ジョパジョパジョパジョパ、ジョジョジョジョジョジョジョジョジョジョ~ッ」
「わっ、わわっ!」

 小助は、お父さんかいじゅうの顔へ元気いっぱいのおしっこをいきおいよくめいちゅうさせています。いきなりのできごとに、お父さんかいじゅうはなすすべもありません。

「おちっこ(おしっこ)! おちっこ!」
「はっはっは! ぼうやの元気さにはまいってしまうなあ」

 お父さんかいじゅうは、小助からのおしっここうげきを食らってたまらないようすです。それでも、かいじゅうのお父さんはいつも通りのやさしい顔つきで小助のすがたをながめています。
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