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大すきな夏のぼうけんとたんけん

ばけものナマズとの出会い

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 赤おにのお父さんとお母さんは、おれきちとあおまるとそれぞれだきながら池の中へ向かっています。これを見た小助は、お父さんおにのそばへ行って話そうと声を上げています。

「ねえねえ! 何をちゅるの(するの)?」
「はっはっは、これから子どもたちと池に入ってあそぶところだよ。まだ子どもたちだけで池の中であそぶのはきけんだから、おれたちがだいてふかいところへ行かないようにするのさ」

 お父さんとお母さんは、水あそびを楽しむおにの子どもたちを見まもっています。2人のおには、おれきちとあおまるが大きな池に親しみをもってほしいとねがっています。

 そんな中、小助は少しはなれたところから大きな池のほうへかけ足で走り出しました。そして、池の手前からいきおいよく水の中へ元気にとびこみました。

 小助がとびこんだ時の水しぶきの音は、子どもたちのそばにいるお父さんおにやお母さんおにの耳にも入ってきました。おにのお父さんは、小助がしんぱいになってすぐに池の中へもぐることにしました。

「まさか、ぼうやが……」

 赤おにのお父さんは、小助がどこへ行ったのかさがそうと池のふかいところへ向かってもぐっています。すると、小助がでっかい魚といっしょにおよぎ回っているのがお父さんおにの目に入ってきました。

「あの魚、もしかしてばけものナマズでは」

 そのナマズは、まるでばけもののようにものすごくでっかい体をしています。おにたちの間でも、ばけものナマズはきけんなのでぜったいに近づかないようにしています。

 しかし、小助はばけものナマズをこわがるそぶりはまったく見せていません。それどころか、小助はナマズをあいてにかわいいえがおを見せながら楽しそうにあそんでいます。

「あちょぼう(あそぼう)! あちょぼう!」
「ほっほっほ! ぼうやはあいかわらず元気いっぱいだね」
「うん!」

 小助とナマズのまわりには、いろんな魚がおよいでいるのが見えます。そのすがたを見るたびに、小助は大はしゃぎでよろこんでいます。

「わ~い! おちゃかな(お魚)! おちゃかな!」
「ぼうやは、お魚を見るのが大すきだね」

 ばけものナマズは、池の中のふかいばしょへやってきた小助をじっとながめています。小助は、あいてがばけものであっても気にしていません。

「ねえねえ! ねえねえ!」
「ぼうや、どうしたのかな?」
「いっちょに(いっしょに)行こう! いっちょに行こう!」

 小助は、ばけものナマズにまたがって大きな池を大ぼうけんしたいとおねだりしています。すると、ナマズは自分のことを思ってくれる小助にやさしく話しかけています。

「だれにもあいてにされない中で、わしといっしょにあそんでくれてほんとうにありがとうね」

 ばけものナマズは、小助をせなかへのせると池の中をぐるっと回ろうといっしょにしゅっぱつすることにしました。
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