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大すきな夏のぼうけんとたんけん
小助くんとおにの子どもたち
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小助とワン太は、カニたちとあそびおえるとしまのおくへいこうとかけ出しました。トビのほうも、岩場から空のほうへとび立つと小助たちのようすを空から見まもっています。
「小助くんもワン太くんも、どこへ行くのかしら」
トビは、はねをはばたかせながら小助たちのようすをしんぱいそうにながめています。なぜなら、おくのほうへはこれまで足をふみ入れたことがないからです。
そんな中、小助はこれから向かうばしょへのぼうけんを今から楽しみにしています。そのばしょには、大きくてまんまるい池があります。
「カエルちゃん! カエルちゃん!」
カエルたちは、小助がいつもくらしている山おくの池のほうにもたくさんいます。小助は、カエルたちといっしょに鳴き声を上げながら歌っていた時のことを思い出しています。
しかし、はじめて行くばしょにはおそろしいやつがいるかもしれません。トビは、小助やワン太よりも先に大きな池のあるところを空から見ることにしました。
すると、人間とにているけどつのが生えているすがたが空中をとんでいるトビの目に入ってきました。これを見て、トビは小助たちにこのことをつたえようとすぐに引きかえしました。
「小助くん! ワン太くん! そっちへ行ったら……」
トビは、おくのほうへすすむ小助とワン太に大きな声でさけんでいます。しかし、小助たちはわき目もふらずにかけ足ですすんでいるのでトビからのさけび声は耳に入っていません。
やがて、しまのまん中にある大きな池へたどりつきました。大きな池のそばには、赤い体や青い体の子どもたちがおすもうごっこをしています。
「わ~い! おちゅもう(おすもう)! おちゅもう!」
小助がやってくると、子どもたちはあいてのすがたをふしぎそうに見つめています。子どもたちには、頭からつのが2本生えています。
「どこからきたの?」
「あっち! あっち!」
子どもたちは、小助が海の向こうをゆびさしているようすにうなずいています。このしまでは、小助のようなつのの生えていない子どもを見るのはめったにないからです。
「おれは、赤おにのおれきち! よろしくね!」
「ぼくは、青おにのあおまるだよ!」
おれきちもあおまるも、はらがけすがたの小助とちがってふんどしをつけています。おにの子どもたちは、小助のことをもっと知りたがっているようです。
「きみの名前は?」
「こちゅけ(小助)! こちゅけ! こちゅけ!」
「こちゅけくんって、かわいい名前なんだね」
小助は、まだ2さいなので自分の名前をうまく言うことができません。それでも、おにの子どもたちとは『こちゅけくん』というかわいい名前でおたがいに気もちが通じ合っています。
近くの木に止まったトビは、小助たちがおにの子どもたちといっしょにいるのをじっとながめています。
「小助くんたち、大じょうぶかしら」
トビが小助たちをしんぱいしているのは、このあたりがおにたちのすみかであるからです。しかし、小助はそんなことを気にすることはありません。
「ねえねえ! ねえねえ!」
「こちゅけくん、どうしたの?」
「おちゅもう! おちゅもう! おちゅもう!」
小助は、おにの子どもたちとおすもうごっこをはじめました。ワン太が後ろで見ている中、子どもたちは人間もおにも楽しそうにおしずもうをしています。
「小助くんもワン太くんも、どこへ行くのかしら」
トビは、はねをはばたかせながら小助たちのようすをしんぱいそうにながめています。なぜなら、おくのほうへはこれまで足をふみ入れたことがないからです。
そんな中、小助はこれから向かうばしょへのぼうけんを今から楽しみにしています。そのばしょには、大きくてまんまるい池があります。
「カエルちゃん! カエルちゃん!」
カエルたちは、小助がいつもくらしている山おくの池のほうにもたくさんいます。小助は、カエルたちといっしょに鳴き声を上げながら歌っていた時のことを思い出しています。
しかし、はじめて行くばしょにはおそろしいやつがいるかもしれません。トビは、小助やワン太よりも先に大きな池のあるところを空から見ることにしました。
すると、人間とにているけどつのが生えているすがたが空中をとんでいるトビの目に入ってきました。これを見て、トビは小助たちにこのことをつたえようとすぐに引きかえしました。
「小助くん! ワン太くん! そっちへ行ったら……」
トビは、おくのほうへすすむ小助とワン太に大きな声でさけんでいます。しかし、小助たちはわき目もふらずにかけ足ですすんでいるのでトビからのさけび声は耳に入っていません。
やがて、しまのまん中にある大きな池へたどりつきました。大きな池のそばには、赤い体や青い体の子どもたちがおすもうごっこをしています。
「わ~い! おちゅもう(おすもう)! おちゅもう!」
小助がやってくると、子どもたちはあいてのすがたをふしぎそうに見つめています。子どもたちには、頭からつのが2本生えています。
「どこからきたの?」
「あっち! あっち!」
子どもたちは、小助が海の向こうをゆびさしているようすにうなずいています。このしまでは、小助のようなつのの生えていない子どもを見るのはめったにないからです。
「おれは、赤おにのおれきち! よろしくね!」
「ぼくは、青おにのあおまるだよ!」
おれきちもあおまるも、はらがけすがたの小助とちがってふんどしをつけています。おにの子どもたちは、小助のことをもっと知りたがっているようです。
「きみの名前は?」
「こちゅけ(小助)! こちゅけ! こちゅけ!」
「こちゅけくんって、かわいい名前なんだね」
小助は、まだ2さいなので自分の名前をうまく言うことができません。それでも、おにの子どもたちとは『こちゅけくん』というかわいい名前でおたがいに気もちが通じ合っています。
近くの木に止まったトビは、小助たちがおにの子どもたちといっしょにいるのをじっとながめています。
「小助くんたち、大じょうぶかしら」
トビが小助たちをしんぱいしているのは、このあたりがおにたちのすみかであるからです。しかし、小助はそんなことを気にすることはありません。
「ねえねえ! ねえねえ!」
「こちゅけくん、どうしたの?」
「おちゅもう! おちゅもう! おちゅもう!」
小助は、おにの子どもたちとおすもうごっこをはじめました。ワン太が後ろで見ている中、子どもたちは人間もおにも楽しそうにおしずもうをしています。
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