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小助くんと楽しい冬のきせつ

小助くんはオオカミたちといっしょ

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 お父さんオオカミは、こおりでおおわれた池のむこうへ目ざそうとゆっくり歩き出しました。ほかのオオカミたちも、お父さんオオカミからはぐれないように後ろからついていきます。

「わ~い! こおりだ! こおりだ!」

 小助は、ワン太といっしょに池のこおりの上をすべるようにすすんでいます。でも、小助はまだ小さいので自分の足でうまくすべることができません。

「てへへ、ちりもち(しりもち)ついちゃった」

 とちゅうでしりもちをついても、小助はまったく気にすることはありません。小助は、すぐに立ち上がるとふたたびこおった池をツルツルと前へすべっています。

「ぼうや、大じょうぶかな」

 お母さんオオカミは、小助がすべったりころんだりしているようすを見てしんぱいしています。そんな中であっても、小助はずっとつづくこおりの上をすべろうといっしょうけんめいになっています。

「こちゅけくん(小助くん)、またころんじゃったね」
「ちりもちついちゃった」

 小助は、オオカミたちについて行こうとこおった池をすべっています。ワン太も、小助のとなりでいっしょについていきます。

 やがて、池の向こうにある森の入り口が見えてきました。オオカミのむれが先にたどりつく中、小助たちはこおりの上をすべりながらおいつこうとしています。

 小助とワン太は、ようやく森の入り口にいるオオカミたちのほうへたどりつくことができました。オオカミたちは、自分たちといっしょにきた小助のすがたにやさしい目つきで見つめています。

「それじゃあ、ここから山おくへ向かうとするかな」

 お父さんオオカミは、いちばん前に出てあたりを見回しながらすすんでいます。小助とワン太も、お父さんオオカミのようすを見ようと後ろからついていきます。

 雪の上には、オオカミたちの足あとと小助のはだしの足あとがくっきりとついています。小助は、かいじゅうのケモスケとあそんだ時のことを思い出しています。

「ケモチュケ(ケモスケ)くん! ケモチュケくん!」
「ふふふ、ぼうやはかいじゅうに会うのが楽しみにしているね」
「うん!」

 オオカミのお母さんは、いつも楽しそうな小助のすがたをそばから見つめています。小助のほうも、お母さんオオカミのやさしい声に大きくうなずいています。

 そんな中、お父さんオオカミはするどい目で雪のつもった草むらのほうをじっとにらみつけています。草むらの向こうには、おそろしい犬たちがたくさんひそんでいます。

「どうやら、わしのすがたにおじけついているようだな」

 お父さんオオカミのすがたに、おそろしい犬たちは雪の中から山道へ出ようとはしません。そのおかげで、ワン太もちびっこオオカミもあんしんして通ることができます。

 うすぐらい空からは、はげしい雪がふりつづいています。どんなに雪がふっても、小助はいつもはらがけ1まいで元気に歩きつづけています。

「むれからはぐれないように気をつけないといけないぞ」

 小助たちは、オオカミのむれといっしょにずっとつづく山道をすすんでいます。
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