227 / 327
春の山おくはにぎやか
大きな池で赤いりゅうと大ぼうけん
しおりを挟む
小助は、大きな池の見えるばしょへワン太といっしょにやってきました。近くには、水がたくさんながれおちる大きなたきがあります。
後ろからは、子グマたちがお母さんといっしょにきています。みんながここへやってきたのは、ばんごはんで食べるためのお魚をとるためです。
「わ~い! おちゃかな(お魚)! おちゃかな!」
「ぼうや、あまり遠くまで行ったらダメだよ」
お母さんグマは、小助のことがしんぱいでたまらないようすです。けれども、小助はクマのお母さんのことばを気にすることなく水中をもぐっていきます。
小助がもぐっていると、たくさんのお魚が大きな池の中をおよぎ回っています。さらにふかいところへもぐろうと、小助は池のそこへ向かってすすんでいきます。
すると、小助の目の前に赤いりゅうのすがたがあらわれました。赤いりゅうは、大きな口をあけて小助におそいかかってきました。
「おれのなわばりにくるとはいいどきょうだぜ!」
「わっ!」
あいてのこうげきをかわした小助ですが、赤いりゅうは大きな池のふかいところをしぶとくおいかけています。
「このチビめ、大きな口の中へのみこんでやるぜ」
小助は、赤いりゅうに食べられないようにあいてのはなにしがみつきました。大きなりゅうは、小助をふりおとそうとふかいところから一気に水中から出ようとします。
「しぶといチビだなあ。ここから池の中へおとしてやろうか!」
「キャッキャッ、キャッキャッキャッ」
赤いりゅうの頭にまたがった小助は、空中でかわいいえがおを見せながら大よろこびしています。そんな小助のうれしそうな声にたいして、赤いりゅうはしだいにきげんのわるそうな顔つきにかわってきました。
「あちょぼう(あそぼう)! あちょぼう!」
「うるさい! 池の中へつきおとしてやろうか!」
大きなりゅうは、自分の頭にいる小助をなんども池に向かってふりおとそうとします。しかし、小助は赤いりゅうにしがみついたままでなかなかはなれようとしません。
「キャッキャッ、キャッキャッキャッ」
「うぐぐぐっ……。よくもバカにしやがって!」
どんなにこわいあいてであっても、小助はかわいいえがおでわらっています。そんな小助に、赤いりゅうは自分のおそろしさを見せつけようとしたその時のことです。
「プウッ! プウッ! プウウウウウウウウウウウ~ッ!」
「うげっ! く、くさくてたまらん……」
赤いりゅうは、でっかいおならを食らうと空中から小助とともに大きな池へおちてしまいました。すさまじい水しぶきを上げて池の中へもどると、小助はふたたび赤いりゅうへ近づこうとします。
「ねえねえ、いっちょに(いっしょに)おちょぼう! いっしょにあちょぼう!」
「わっ! こっちへくるな!」
「あちょぼう! あちょぼう!」
「お、おぼえてろよ……」
小助は、いけのそこへ向かってさっていく赤いりゅうとまたあそぶのを楽しみにしながら手をふっています。
この後、小助は水中にいるイワナやアユといったお魚をとってから池から上がってきました。そのすがたを見たワン太は、すぐに小助のところへかけよってきました。
「こちゅけくん(小助くん)、ちゃびしかったよ(さびしかったよ)」
小助とワン太の楽しそうなようすに、お母さんグマはやさしそうな目つきで見つめています。
「さあ、そろそろ帰ってばんごはんを食べようかな」
お母さんグマは、子グマたちをつれて森の中へもどろうと歩きはじめました。小助も、自分が手にしているお魚をお母さんに見せようと今から楽しみにしています。
「おちゃかな! おちゃかな!」
小助は、大きな池での赤いりゅうとの大ぼうけんを思いうかべながら足をすすめています。そして、後ろにいるワン太といっしょに家のほうへ向かって帰っていきました。
後ろからは、子グマたちがお母さんといっしょにきています。みんながここへやってきたのは、ばんごはんで食べるためのお魚をとるためです。
「わ~い! おちゃかな(お魚)! おちゃかな!」
「ぼうや、あまり遠くまで行ったらダメだよ」
お母さんグマは、小助のことがしんぱいでたまらないようすです。けれども、小助はクマのお母さんのことばを気にすることなく水中をもぐっていきます。
小助がもぐっていると、たくさんのお魚が大きな池の中をおよぎ回っています。さらにふかいところへもぐろうと、小助は池のそこへ向かってすすんでいきます。
すると、小助の目の前に赤いりゅうのすがたがあらわれました。赤いりゅうは、大きな口をあけて小助におそいかかってきました。
「おれのなわばりにくるとはいいどきょうだぜ!」
「わっ!」
あいてのこうげきをかわした小助ですが、赤いりゅうは大きな池のふかいところをしぶとくおいかけています。
「このチビめ、大きな口の中へのみこんでやるぜ」
小助は、赤いりゅうに食べられないようにあいてのはなにしがみつきました。大きなりゅうは、小助をふりおとそうとふかいところから一気に水中から出ようとします。
「しぶといチビだなあ。ここから池の中へおとしてやろうか!」
「キャッキャッ、キャッキャッキャッ」
赤いりゅうの頭にまたがった小助は、空中でかわいいえがおを見せながら大よろこびしています。そんな小助のうれしそうな声にたいして、赤いりゅうはしだいにきげんのわるそうな顔つきにかわってきました。
「あちょぼう(あそぼう)! あちょぼう!」
「うるさい! 池の中へつきおとしてやろうか!」
大きなりゅうは、自分の頭にいる小助をなんども池に向かってふりおとそうとします。しかし、小助は赤いりゅうにしがみついたままでなかなかはなれようとしません。
「キャッキャッ、キャッキャッキャッ」
「うぐぐぐっ……。よくもバカにしやがって!」
どんなにこわいあいてであっても、小助はかわいいえがおでわらっています。そんな小助に、赤いりゅうは自分のおそろしさを見せつけようとしたその時のことです。
「プウッ! プウッ! プウウウウウウウウウウウ~ッ!」
「うげっ! く、くさくてたまらん……」
赤いりゅうは、でっかいおならを食らうと空中から小助とともに大きな池へおちてしまいました。すさまじい水しぶきを上げて池の中へもどると、小助はふたたび赤いりゅうへ近づこうとします。
「ねえねえ、いっちょに(いっしょに)おちょぼう! いっしょにあちょぼう!」
「わっ! こっちへくるな!」
「あちょぼう! あちょぼう!」
「お、おぼえてろよ……」
小助は、いけのそこへ向かってさっていく赤いりゅうとまたあそぶのを楽しみにしながら手をふっています。
この後、小助は水中にいるイワナやアユといったお魚をとってから池から上がってきました。そのすがたを見たワン太は、すぐに小助のところへかけよってきました。
「こちゅけくん(小助くん)、ちゃびしかったよ(さびしかったよ)」
小助とワン太の楽しそうなようすに、お母さんグマはやさしそうな目つきで見つめています。
「さあ、そろそろ帰ってばんごはんを食べようかな」
お母さんグマは、子グマたちをつれて森の中へもどろうと歩きはじめました。小助も、自分が手にしているお魚をお母さんに見せようと今から楽しみにしています。
「おちゃかな! おちゃかな!」
小助は、大きな池での赤いりゅうとの大ぼうけんを思いうかべながら足をすすめています。そして、後ろにいるワン太といっしょに家のほうへ向かって帰っていきました。
0
お気に入りに追加
10
あなたにおすすめの小説

お姫様の願い事
月詠世理
児童書・童話
赤子が生まれた時に母親は亡くなってしまった。赤子は実の父親から嫌われてしまう。そのため、赤子は血の繋がらない女に育てられた。 決められた期限は十年。十歳になった女の子は母親代わりに連れられて城に行くことになった。女の子の実の父親のもとへ——。女の子はさいごに何を願うのだろうか。
王女様は美しくわらいました
トネリコ
児童書・童話
無様であろうと出来る全てはやったと満足を抱き、王女様は美しくわらいました。
それはそれは美しい笑みでした。
「お前程の悪女はおるまいよ」
王子様は最後まで嘲笑う悪女を一刀で断罪しました。
きたいの悪女は処刑されました 解説版
どろんこたろう
ケンタシノリ
児童書・童話
子どもにめぐまれなかったお父さんとお母さんは、畑のどろをつかってどろ人形を作りました。すると、そのどろ人形がげんきな男の子としてうごき出しました。どろんこたろうと名づけたその男の子は、その小さな体で畑しごとを1人でこなしてくれるので、お父さんとお母さんも大よろこびです。
※幼児から小学校低学年向けに書いた創作昔ばなしです。
※このお話で使われている漢字は、小学2年生までに習う漢字のみを使用しています。
【総集編】日本昔話 パロディ短編集
Grisly
児童書・童話
❤️⭐️お願いします。
今まで発表した
日本昔ばなしの短編集を、再放送致します。
朝ドラの総集編のような物です笑
読みやすくなっているので、
⭐️して、何度もお読み下さい。
読んだ方も、読んでない方も、
新しい発見があるはず!
是非お楽しみ下さい😄
⭐︎登録、コメント待ってます。

悪女の死んだ国
神々廻
児童書・童話
ある日、民から恨まれていた悪女が死んだ。しかし、悪女がいなくなってからすぐに国は植民地になってしまった。実は悪女は民を1番に考えていた。
悪女は何を思い生きたのか。悪女は後世に何を残したのか.........
2話完結 1/14に2話の内容を増やしました
生贄姫の末路 【完結】
松林ナオ
児童書・童話
水の豊かな国の王様と魔物は、はるか昔にある契約を交わしました。
それは、姫を生贄に捧げる代わりに国へ繁栄をもたらすというものです。
水の豊かな国には双子のお姫様がいます。
ひとりは金色の髪をもつ、活発で愛らしい金のお姫様。
もうひとりは銀色の髪をもつ、表情が乏しく物静かな銀のお姫様。
王様が生贄に選んだのは、銀のお姫様でした。

ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる