178 / 329
春のきせつは楽しさいっぱい
冬ごもりをおえた子ぐまとリス
しおりを挟む
小助がくらす山おくでは、冬の間につもった雪がとけるとともに春がおとずれようとしています。
森の中へやってきた小助とワン太は、クマの親子とひさしぶりに会えることを今から楽しみにしています。目の前には、子グマたちがお母さんグマの前であそんでいます。
「いっちょにあちょぼう(いっしょにあそぼう)! いっちょにあちょぼう!」
小助たちは、さっそく子グマたちといっしょにじゃれあいながらあそびはじめました。お母さんグマは、あいかわらず元気いっぱいの子どもたちのようすをやさしい顔つきで見つめています。
「ふふふ、ひさしぶりにあそぶのがうれしいみたいだね」
冬ごもりからふたたび外へ出てきたのは、クマの親子だけではありません。大きな木のあなからは、リスがひさしぶりに出てきました。
「そろそろあなから出ないと、体がなまってしまうからなあ」
このようすを見た小助は、リスの顔を見ようと手足をつかって木のぼりをしています。子グマたちは、小助がのぼっているのをうらやましそうに見ています。
「ぼくたちものぼりたいなあ……」
小助は太いえだのところからとびおりると、子グマたちの木のぼりを見まもることにしました。子グマたちは、小助のかわいい声でおうえんされながら木にしがみついています。
「うんしょ! うんしょ! 木のぼり、うんしょ!」
子グマたちは、かけ声に合わせるように手足でゆっくりとのぼっています。お母さんグマも、木のぼりをする2ひきのかわいいすがたをじっとながめています。
「いっしょうけんめいに木のぼりをしているわ」
小助とちがって、子グマたちの木のぼりはまだ上手ではありません。それでも、子グマたちはリスがいる大きなあなの手前へのぼろうとがんばっています。
「よいしょ、よいしょ……」
「も、もうちょっと……」
こうして、子グマたちはリスのいるところまで自分の力でのぼることができました。木の上では、子グマがあなの中にいるリスに向かって話しています。
「ぼくたちはねえ、はじめてここまでのぼることができたよ」
「わあっ、すごいなあ。でも、クマだったらまだまだ高いところまでのぼれると思うよ」
リスは、子グマたちの前でさらにことばをつづけます。
「ぼくは、いつもここでくらしているよ。だから、木にのぼったりおりたりするのはお手のものだよ」
子グマたちは、生まれた時から木のぼりをするのが当たり前というリスのことばをじっと聞いています。そんなクマの子どもたちを見ながら、リスは同じ森のなかまとしてこれからもなかよくすることにしました。
「わあっ、手のひらがでっかいなあ」
「リスの手って、こんなに小さいの?」
手の大きさは、どうぶつによってそれぞれちがいます。子グマとリスは、おたがいに自分たちの手を見せながらたしかめ合っています。
小さいどうぶつたちのようすは、大きな木のそばにいる小助とワン太にもつたわっています。小助は、子グマたちのいるところよりも上にある太いえだに向かってのぼりつづけています。
「うんしょ! うんしょ! うんしょ!」
小助がたどりついたそのばしょは、リスと子グマたちのすがたを見下ろすことができます。そして、自分がいるばしょの太いえだをりょう手でつかんでぶら下がったその時のことです。
「プッ! プッ! プウウウウウウウウウウウウウ~ッ!」
「く、くさい……」
「あまりにもくさくてたまらない……」
「てへへ、おなら出ちゃった」
小助は、大きな木にしがみついたままで元気いっぱいのでっかいおならをしてしまいました。そばにいるリスと子グマたちは、小助から広がるおならのくさいにおいに思わずはなを自分のゆびでつまんでいます。
森の中へやってきた小助とワン太は、クマの親子とひさしぶりに会えることを今から楽しみにしています。目の前には、子グマたちがお母さんグマの前であそんでいます。
「いっちょにあちょぼう(いっしょにあそぼう)! いっちょにあちょぼう!」
小助たちは、さっそく子グマたちといっしょにじゃれあいながらあそびはじめました。お母さんグマは、あいかわらず元気いっぱいの子どもたちのようすをやさしい顔つきで見つめています。
「ふふふ、ひさしぶりにあそぶのがうれしいみたいだね」
冬ごもりからふたたび外へ出てきたのは、クマの親子だけではありません。大きな木のあなからは、リスがひさしぶりに出てきました。
「そろそろあなから出ないと、体がなまってしまうからなあ」
このようすを見た小助は、リスの顔を見ようと手足をつかって木のぼりをしています。子グマたちは、小助がのぼっているのをうらやましそうに見ています。
「ぼくたちものぼりたいなあ……」
小助は太いえだのところからとびおりると、子グマたちの木のぼりを見まもることにしました。子グマたちは、小助のかわいい声でおうえんされながら木にしがみついています。
「うんしょ! うんしょ! 木のぼり、うんしょ!」
子グマたちは、かけ声に合わせるように手足でゆっくりとのぼっています。お母さんグマも、木のぼりをする2ひきのかわいいすがたをじっとながめています。
「いっしょうけんめいに木のぼりをしているわ」
小助とちがって、子グマたちの木のぼりはまだ上手ではありません。それでも、子グマたちはリスがいる大きなあなの手前へのぼろうとがんばっています。
「よいしょ、よいしょ……」
「も、もうちょっと……」
こうして、子グマたちはリスのいるところまで自分の力でのぼることができました。木の上では、子グマがあなの中にいるリスに向かって話しています。
「ぼくたちはねえ、はじめてここまでのぼることができたよ」
「わあっ、すごいなあ。でも、クマだったらまだまだ高いところまでのぼれると思うよ」
リスは、子グマたちの前でさらにことばをつづけます。
「ぼくは、いつもここでくらしているよ。だから、木にのぼったりおりたりするのはお手のものだよ」
子グマたちは、生まれた時から木のぼりをするのが当たり前というリスのことばをじっと聞いています。そんなクマの子どもたちを見ながら、リスは同じ森のなかまとしてこれからもなかよくすることにしました。
「わあっ、手のひらがでっかいなあ」
「リスの手って、こんなに小さいの?」
手の大きさは、どうぶつによってそれぞれちがいます。子グマとリスは、おたがいに自分たちの手を見せながらたしかめ合っています。
小さいどうぶつたちのようすは、大きな木のそばにいる小助とワン太にもつたわっています。小助は、子グマたちのいるところよりも上にある太いえだに向かってのぼりつづけています。
「うんしょ! うんしょ! うんしょ!」
小助がたどりついたそのばしょは、リスと子グマたちのすがたを見下ろすことができます。そして、自分がいるばしょの太いえだをりょう手でつかんでぶら下がったその時のことです。
「プッ! プッ! プウウウウウウウウウウウウウ~ッ!」
「く、くさい……」
「あまりにもくさくてたまらない……」
「てへへ、おなら出ちゃった」
小助は、大きな木にしがみついたままで元気いっぱいのでっかいおならをしてしまいました。そばにいるリスと子グマたちは、小助から広がるおならのくさいにおいに思わずはなを自分のゆびでつまんでいます。
0
お気に入りに追加
10
あなたにおすすめの小説
コボンとニャンコ
魔界の風リーテ
児童書・童話
吸血コウモリのコボンは、リンゴの森で暮らしていた。
その日常は、木枯らしの秋に倒壊し、冬が厳粛に咲き誇る。
放浪の最中、箱入りニャンコと出会ったのだ。
「お前は、バン。オレが…気まぐれに決めた」
三日月の霞が晴れるとき、黒き羽衣に火が灯る。
そばにはいつも、夜空と暦十二神。
『コボンの愛称以外のなにかを探して……』
眠りの先には、イルカのエクアルが待っていた。
残酷で美しい自然を描いた、物悲しくも心温まる物語。
※縦書き推奨
アルファポリス、ノベルデイズにて掲載
【文章が長く、読みにくいので、修正します】(2/23)
【話を分割。文字数、表現などを整えました】(2/24)
【規定数を超えたので、長編に変更。20話前後で完結予定】(2/25)
【描写を追加、変更。整えました】(2/26)
筆者の体調を破壊()3/
荒川ハツコイ物語~宇宙から来た少女と過ごした小学生最後の夏休み~
釈 余白(しやく)
児童書・童話
今より少し前の時代には、子供らが荒川土手に集まって遊ぶのは当たり前だったらしい。野球をしたり凧揚げをしたり釣りをしたり、時には決闘したり下級生の自転車練習に付き合ったりと様々だ。
そんな話を親から聞かされながら育ったせいなのか、僕らの遊び場はもっぱら荒川土手だった。もちろん小学生最後となる六年生の夏休みもいつもと変わらず、いつものように幼馴染で集まってありきたりの遊びに精を出す毎日である。
そして今日は鯉釣りの予定だ。今まで一度も釣り上げたことのない鯉を小学生のうちに釣り上げるのが僕、田口暦(たぐち こよみ)の目標だった。
今日こそはと強い意気込みで釣りを始めた僕だったが、初めての鯉と出会う前に自分を宇宙人だと言う女子、ミクに出会い一目で恋に落ちてしまった。だが夏休みが終わるころには自分の星へ帰ってしまうと言う。
かくして小学生最後の夏休みは、彼女が帰る前に何でもいいから忘れられないくらいの思い出を作り、特別なものにするという目的が最優先となったのだった。
はたして初めての鯉と初めての恋の両方を成就させることができるのだろうか。
【総集編】日本昔話 パロディ短編集
Grisly
児童書・童話
❤️⭐️お願いします。
今まで発表した
日本昔ばなしの短編集を、再放送致します。
朝ドラの総集編のような物です笑
読みやすくなっているので、
⭐️して、何度もお読み下さい。
読んだ方も、読んでない方も、
新しい発見があるはず!
是非お楽しみ下さい😄
⭐︎登録、コメント待ってます。
忠犬ハジッコ
SoftCareer
児童書・童話
もうすぐ天寿を全うするはずだった老犬ハジッコでしたが、飼い主である高校生・澄子の魂が、偶然出会った付喪神(つくもがみ)の「夜桜」に抜き去られてしまいます。
「夜桜」と戦い力尽きたハジッコの魂は、犬の転生神によって、抜け殻になってしまった澄子の身体に転生し、奪われた澄子の魂を取り戻すべく、仲間達の力を借りながら奮闘努力する……というお話です。
※今まで、オトナ向けの小説ばかり書いておりましたが、
今回は中学生位を読者対象と想定してチャレンジしてみました。
お楽しみいただければうれしいです。
そうして、女の子は人形へ戻ってしまいました。
桗梛葉 (たなは)
児童書・童話
神様がある日人形を作りました。
それは女の子の人形で、あまりに上手にできていたので神様はその人形に命を与える事にしました。
でも笑わないその子はやっぱりお人形だと言われました。
そこで神様は心に1つの袋をあげたのです。
おなら、おもっきり出したいよね
魚口ホワホワ
児童書・童話
ぼくの名前は、出男(でるお)、おじいちゃんが、世界に出て行く男になるようにと、つけられたみたい。
でも、ぼくの場合は、違うもの出ちゃうのさ、それは『おなら』すぐしたくなっちゃんだ。
そんなある日、『おならの妖精ププ』に出会い、おならの意味や大切さを教えてもらったのさ。
やっぱり、おならは、おもっきり出したいよね。
見習い錬金術士ミミリの冒険の記録〜討伐も採集もお任せください!ご依頼達成の報酬は、情報でお願いできますか?〜
うさみち
児童書・童話
【見習い錬金術士とうさぎのぬいぐるみたちが描く、スパイス混じりのゆるふわ冒険!情報収集のために、お仕事のご依頼も承ります!】
「……襲われてる! 助けなきゃ!」
錬成アイテムの採集作業中に訪れた、モンスターに襲われている少年との突然の出会い。
人里離れた山陵の中で、慎ましやかに暮らしていた見習い錬金術士ミミリと彼女の家族、機械人形(オートマタ)とうさぎのぬいぐるみ。彼女たちの運命は、少年との出会いで大きく動き出す。
「俺は、ある人たちから頼まれて預かり物を渡すためにここに来たんだ」
少年から渡された物は、いくつかの錬成アイテムと一枚の手紙。
「……この手紙、私宛てなの?」
少年との出会いをキッカケに、ミミリはある人、あるアイテムを探すために冒険を始めることに。
――冒険の舞台は、まだ見ぬ世界へ。
新たな地で、右も左もわからないミミリたちの人探し。その方法は……。
「討伐、採集何でもします!ご依頼達成の報酬は、情報でお願いできますか?」
見習い錬金術士ミミリの冒険の記録は、今、ここから綴られ始める。
《この小説の見どころ》
①可愛いらしい登場人物
見習い錬金術士のゆるふわ少女×しっかり者だけど寂しがり屋の凄腕美少女剣士の機械人形(オートマタ)×ツンデレ魔法使いのうさぎのぬいぐるみ×コシヌカシの少年⁉︎
②ほのぼのほんわか世界観
可愛いらしいに囲まれ、ゆったり流れる物語。読了後、「ほわっとした気持ち」になってもらいたいをコンセプトに。
③時々スパイスきいてます!
ゆるふわの中に時折現れるスパイシーな展開。そして時々ミステリー。
④魅力ある錬成アイテム
錬金術士の醍醐味!それは錬成アイテムにあり。魅力あるアイテムを活用して冒険していきます。
◾️第3章完結!現在第4章執筆中です。
◾️この小説は小説家になろう、カクヨムでも連載しています。
◾️作者以外による小説の無断転載を禁止しています。
◾️挿絵はなんでも書いちゃうヨギリ酔客様からご寄贈いただいたものです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる