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小助くんと森のなかまたち

あまえんぼうの小助くんとワン太くん

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 夏から秋に入って、山おくでは赤とんぼが田んぼのまわりをとびかっています。 

 そんな中、小助は小さな家の中でお母さんにだかれながらおっぱいをのんでいます。お母さんは、小助のかわいい顔をにこやかに見つめています。 

「おっぱいをいっぱいのんで大きくなろうね」 

 小助は、お母さんにあまえようとおっぱいをいっぱいのみつづけています。そんな時、家の外ではワン太が小助をよぼうとかわいい声を上げています。 

「こちゅけくん(小助くん)! こちゅけくん!」 

 この声を耳にした小助は、お母さんのおっぱいをのみおえるとすぐに外へとび出しました。家の前には、ワン太がお母さん犬といっしょにいます。 

「いっちょにあちょぼう(いっしょにあそぼう)! いっちょにあちょぼう!」 

 小助は、さっそくワン太とじゃれ合うようにあそんでいます。でも、あそぶのであれば森の中でほかのどうぶつたちとあそんだほうがもっと楽しめそうです。 

 こうして、小助とワン太は森に向かって元気にかけ出しました。お母さんたちも、小助たちがどんなようすなのか見ようと後ろからついていくことにしました。 

 小助たちが向かった先は、子グマたちといっしょにいるお母さんグマのいるところです。そこでは、お母さんグマが子グマたちにおっぱいをあたえています。 

「ぼうやたち、どうしたのかな?」 

 クマのお母さんは、近くにやってきた小助とワン太にやさしく話しかけました。すると、小助たちはいつものおねだりをしようと元気な声を上げています。 

「おっぱい! おっぱい! おっぱい!」 
「ふふふ、しょうがないわね」 

 お母さんグマは、おっぱいをのみおえた子グマたちと入れかわるように小助たちをよびよせました。小助とワン太は、すぐにお母さんグマのおっぱいをのみはじめました。 

「ぼうやたちは、いつもかわいい顔をしているわね」 

 そんな時、草むらから出てきたお母さんオオカミがいっしょにいるオオカミの子どもたちにおっぱいをのませています。子どもたちがあまえたいのは、人間もどうぶつも同じです。 

 小助たちはお母さんグマのおっぱいをのむのをおえると、オオカミたちがあつまっている草むらの近くへ行きました。そこでも、小助とワン太はいつものことばでおねだりをしています。 

「おっぱい! おっぱい!」 
「ぼうや、大じょうぶかな?」 
「うん!」 

 お母さんオオカミは、さっきお母さんグマのおっぱいをのんだばかりの小助たちのことをちょっとしんぱいしています。それでも、小助たちはお母さんオオカミのそばからはなれようとはしません。 

「それじゃあ、こっちへおいで」 

 小助とワン太は、ちびっこオオカミがおっぱいをのみおえるのをまってからお母さんオオカミのそばへきました。さっそくおっぱいをのみはじめたワン太を見ながら、小助はあお向けになってお母さんオオカミのおっぱいをのもうとしているところです。 

 少しはなれたところでは、小助のお母さんが犬のお母さんとともに子どもたちのようすをながめています。 

「おっぱいをいっぱいのむのはいいけど……」 
「おしっこは大じょうぶかしら」 

 そんなお母さんたちをよそに、小助たちはオオカミのお母さんのおっぱいをたくさんのみました。 

 小助とワン太は、森の中にいる自分たちのお母さんのところへもどることにしました。すると、小助たちはおっぱいをのみすぎておしっこがしたくなりました。 

「お、おちっこ(おしっこ)……」 

 ワン太は、すぐ近くにある木に右足を上げておしっこをひっかけています。おしっこがいっぱい出るにつれて、ワン太はすっきりした顔つきを見せています。 

 小助のほうは、そのまま自分のお母さんのそばまでやってくるとその場であお向けにねころがりました。 

 お母さんは、小助があんよを上げているのを見てすぐに声をかけました。 

「小助くん、どうしたの?」 
「おちっこ、おちっこ……」 

 すると、小助は元気いっぱいのおしっこを上に向かってしはじめました。お母さんは、いきおいよく出しつづける小助のおしっここうげきを食らってしまいました。 

 でも、お母さんはそんなことで気にすることはありません。小助がいつも元気なのは、おっぱいをのんでおしっこをしているおかげです。 

「ふふふ、おしっこがいっぱい出ちゃったね」 

 人間にもどうぶつにもあまえようとかわいいえがおを見せる小助のすがたに、お母さんもにっこりした顔つきで見つめています。 
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