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秋も楽しさいっぱいの小助くん
小助くんもワン太くんもおっぱいのんだよ!
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小助は、ワン太といっしょに森の中へやってきました。森の中へ入ると、そこには大すきなクマとオオカミの親子がいます。
お母さんグマのところへやってきた小助は、子グマたちとならんでおねだりをしようと元気な声を上げました。
「かあちゃ、おっぱい! おっぱい!」
「ふふふ、しょうがないわね。こっちへおいで」
小助たちは、お母さんグマにだかれながらおっぱいをのみはじめました。そのようすを見ていたワン太は、自分のお母さんのことを思い出しました。
「かあちゃ……」
ワン太は、お母さんがいなくなってからおっぱいをのんだことがありません。小助たちがクマのお母さんのおっぱいをのんでいるのを、ワン太はうらやましそうに見ています。
すぐ近くでは、ちびっこオオカミがお母さんオオカミのおっぱいをのんでいます。ワン太は、オオカミたちのほうへ向かうことにしました。
しかし、ワン太が近づくのを見たお父さんオオカミは子犬をにらみつけています。これでは、ワン太がオオカミのむれに近づくことができません。
このようすに、お母さんオオカミはお父さんオオカミにやさしく声をかけました。
「そんなににらみつけなくても……。まだ小さい子犬なんだし」
「もしものことがあったらと思って……」
オオカミにとって、一番だいじなのはえものを見つけてとらえることです。オオカミのお父さんにとっては、小さな生きものであってもゆだんできないものがあります。
けれども、子犬のワン太がオオカミたちをおそうようなことはまったくありません。ワン太がここへきたのは、お母さんオオカミにおねだりをするためです。
「ぼうや、どうしたのかな?」
「あ、あの……」
「どうしたの? 言ってごらん」
お母さんオオカミは、なかなか言い出せないワン太にふたたび声をかけました。これを聞いたワン太は、自分の気もちをそのままつたえようと口をひらきました。
「おっぱい! おっぱい!」
「あらあら、おっぱいがのみたいのかな?」
「うん!」
ワン太は、お母さんオオカミのそばへやってきました。そこには、おっぱいをのみおえたばかりのちびっこオオカミがいます。
「さあ、こっちへおいで」
オオカミのお母さんにあまえようと、ワン太はさっそくおっぱいをのみはじめました。かわいい子犬のようすは、お父さんオオカミにもつたわっています。
「オオカミと犬はこの目で見たらにているけど、毛なみを見るとぜんぜんちがうなあ」
「この子犬はねえ、ここにいる子どもたちと同じようにかわいい顔つきだわ。だって、かわいい子どもにわるいやつなんかいないんだもの」
お母さんオオカミは、子どもたちへのやさしい気もちをだれよりも強くもっています。それは、どうぶつだけでなく人間にたいしても同じです。
「あらあら、ぼうやもここへきたの?」
「おっぱい! おっぱい!」
小助は、お母さんグマにつづいてお母さんオオカミのおっぱいをあお向けになってのみつづけています。お母さんオオカミは、小助とワン太のかわいいすがたをあたたかい目で見つめています。
そして、おっぱいをのみおえた小助があお向けのままであんよを上げたその時のことです。
「ジョパジョパジョパジョパ、ジョジョジョジョジョジョジョジョ~ッ」
小助は、元気いっぱいのおしっこを上のほうへいきおいよく出しつづけています。そばにいるワン太は、おしっこしている小助のようすをじっと見ています。
「おちっこ(おしっこ)! おちっこ!」
いつもえがおいっぱいの小助のすがたに、まわりにいるどうぶつたちの明るいわらい声が森の中にひびきわたっています。
お母さんグマのところへやってきた小助は、子グマたちとならんでおねだりをしようと元気な声を上げました。
「かあちゃ、おっぱい! おっぱい!」
「ふふふ、しょうがないわね。こっちへおいで」
小助たちは、お母さんグマにだかれながらおっぱいをのみはじめました。そのようすを見ていたワン太は、自分のお母さんのことを思い出しました。
「かあちゃ……」
ワン太は、お母さんがいなくなってからおっぱいをのんだことがありません。小助たちがクマのお母さんのおっぱいをのんでいるのを、ワン太はうらやましそうに見ています。
すぐ近くでは、ちびっこオオカミがお母さんオオカミのおっぱいをのんでいます。ワン太は、オオカミたちのほうへ向かうことにしました。
しかし、ワン太が近づくのを見たお父さんオオカミは子犬をにらみつけています。これでは、ワン太がオオカミのむれに近づくことができません。
このようすに、お母さんオオカミはお父さんオオカミにやさしく声をかけました。
「そんなににらみつけなくても……。まだ小さい子犬なんだし」
「もしものことがあったらと思って……」
オオカミにとって、一番だいじなのはえものを見つけてとらえることです。オオカミのお父さんにとっては、小さな生きものであってもゆだんできないものがあります。
けれども、子犬のワン太がオオカミたちをおそうようなことはまったくありません。ワン太がここへきたのは、お母さんオオカミにおねだりをするためです。
「ぼうや、どうしたのかな?」
「あ、あの……」
「どうしたの? 言ってごらん」
お母さんオオカミは、なかなか言い出せないワン太にふたたび声をかけました。これを聞いたワン太は、自分の気もちをそのままつたえようと口をひらきました。
「おっぱい! おっぱい!」
「あらあら、おっぱいがのみたいのかな?」
「うん!」
ワン太は、お母さんオオカミのそばへやってきました。そこには、おっぱいをのみおえたばかりのちびっこオオカミがいます。
「さあ、こっちへおいで」
オオカミのお母さんにあまえようと、ワン太はさっそくおっぱいをのみはじめました。かわいい子犬のようすは、お父さんオオカミにもつたわっています。
「オオカミと犬はこの目で見たらにているけど、毛なみを見るとぜんぜんちがうなあ」
「この子犬はねえ、ここにいる子どもたちと同じようにかわいい顔つきだわ。だって、かわいい子どもにわるいやつなんかいないんだもの」
お母さんオオカミは、子どもたちへのやさしい気もちをだれよりも強くもっています。それは、どうぶつだけでなく人間にたいしても同じです。
「あらあら、ぼうやもここへきたの?」
「おっぱい! おっぱい!」
小助は、お母さんグマにつづいてお母さんオオカミのおっぱいをあお向けになってのみつづけています。お母さんオオカミは、小助とワン太のかわいいすがたをあたたかい目で見つめています。
そして、おっぱいをのみおえた小助があお向けのままであんよを上げたその時のことです。
「ジョパジョパジョパジョパ、ジョジョジョジョジョジョジョジョ~ッ」
小助は、元気いっぱいのおしっこを上のほうへいきおいよく出しつづけています。そばにいるワン太は、おしっこしている小助のようすをじっと見ています。
「おちっこ(おしっこ)! おちっこ!」
いつもえがおいっぱいの小助のすがたに、まわりにいるどうぶつたちの明るいわらい声が森の中にひびきわたっています。
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