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幼少期編(ティアナ7歳)

ライトロード学園入学式の朝

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ライトロード学園入学式の当日

マリアに着替えさせてもらいながら
私はシルク素材の制服に袖を通した。

紺色で白色のラインが入った襟に
白色のワンピース。
腰に白色の紐ベルトを巻き後ろでリボンを結ぶ。
スカートはプリーツの様になっていて
スカートの襟と折り返された袖の裾に
紺色と白色のラインが入っている。
襟の間にある胸当て布には校章が入っていて
盾と不死鳥と交差する剣が描かれている。
日本のセーラー服のような見た目で
スカーフの色は学年ごとに変わっていく。
7色の虹を基準にしていて1学年は赤色だ。

ちなみに男性は裾が長めの白色の学ランで
真ん中にボタンはなく紺色のラインが入っている。
胸ポケットには学年ごとに色が変わるラインが入り
その下に学園の校章がある。


ライトロード学園は制服で通う。
制服は、学園から支給されるが
ポリエステルを使ったものからシルクを使ったものまで
デザインは同じでも素材の違うものが数種類あり
学園への寄付金の金額で渡されるものが異なる。
その他の備品類に関しても素材や品質の違いは明らかで
差別はしないが区別はするという学園の意思表示だ。

もちろん、公爵令嬢である私は全て最高級品質。
お父様には感謝してもしきれない。


制服に着替えた後、
昨日ギルとオッドから誕生日プレゼントでもらった
お花のネックレスもつけてもらった。



昨日はティアナの誕生日で
プレゼントにケーキに料理にと盛大にお祝いしてくれた。

入学を済ませた7歳の貴族令息令嬢は
他家を呼び盛大にパーティーを開催する事も多いが
私は入学式の前日が誕生日だったため
家族や侍女や執事達と家の中だけでお祝いをした。
ドレスに靴に帽子にリボン・・
リビングにはたくさんのプレゼントが並び
みんなで祝福してくれる気持ちが
すごくすごく嬉しくて楽しかった。

マリアからは癒しの魔法が付加されたポプリを貰い、
ギルとオッドからは(父のお金だけど二人で選んだらしい)
お花をモチーフにしたネックレスをもらった。
大きさの違う二つのお花が並んでいて
大きい方のお花の5枚の花びらはダイヤモンド
小さい方のお花の4枚の花びらは
私の瞳と同じ色をしたブルーサファイヤ
ダイヤモンドの中心にはトパーズがはめこまれている。

さすがに今まで宝石はもらった事なかったし
(てか、前のティアナは興味がなかった)
前世日本人で未婚だった私には
本物の宝石に触れる機会なんてなくて
ネックレスが入った箱を開けた瞬間
その輝きに目を奪われた。
(人並にダイヤモンドの指輪とか憧れてたのよ…)



準備を終えダイニングに移動すると
父とギルはすでにテーブルに着いていた。

「おはようございます。お父様、ギル」
「おはよう、ティア。
 制服似合っているね。」

学園の準備はマリアがしてくれたから
制服姿は今日初めて見せた。

「おはよう。」
ギルも挨拶を返してくれ、
私が微笑むとギルも笑顔をむけてくれた。

父を挟みギルの前へ座ると

「お~、お姉さんになったじゃ~ん」
オッドがおどけた様に茶化す
「もぅ、やめて」
頬をふくらめて講義した

父は、誕生日の日は必ずお休みを取ってくれる。
次の日は溜まった業務を終わらすために
いつもティアナの起きる前に家を出ていたのだが・・
今日は入学式の日だからと、
一緒に朝食を食べるための時間をつくってくれて
食事を終えるとすぐに城に出発した。
その気持ちがすごく暖かかった。




「行ってくるね。」

ギルが家に来てからずっと一緒にいたため
長時間、離れ離れになるのは今日が初めてとなる。
私が馬車に乗ろうとすると
ギルは今にも泣き出しそうだ。
私もギルをおいて家を離れるのは胸が痛い。
(お父様も、いつもこんな気持ちだったのかな・・)

私が動けずにいると、
ギルの横にいたオッドにしっしっと手をはらわれ
オッドをみつめると
真面目な顔でこくりと頷いてくれた。
(頼もしい顔もできるんじゃん)


私はギルをギュッと抱きしめて
オッドにあずけた後、馬車を出発させた。
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