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幼少期編(ティアナ6歳)
ティアナの記憶
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ティアナ=クロウド 現6歳
クロウド公爵家の一人娘。
ライトロード魔法学院で出会った両親は
惹かれあい恋に落ちた。
代々王国に仕える魔法騎士家系の父は
四属性を持つ天才魔法使いで
幼い頃から次期後継者として育った。
そんな父の相手に地属性で魔力も弱い
伯爵家令嬢である母は受け入れられなかった。
父は天才魔法使いの才覚を見せ
魔法学院を卒業すると同時に
後継者の座を実力で勝ち取った。
親の反対を押し切って強引に結婚したのだ。
この時、両親を辺境へ追いやったのが災いした。
辺境の森で魔獣の襲撃があり
父は戦場に呼び出されていた。
この時、母は私を身ごもっており
3週間も前に急に産気づいたのだ。
戦場へ知らせが届いたのは母が亡くなった翌日だった。
私も、生死の境を彷徨ったらしいが
何とか奇跡的に生還することができた。
父は国王の専属護衛であり王国騎士団を束ね
生活のほとんどを国王の元 王城で過ごす。
そんな経緯もあいまって
一人娘のティアナを溺愛し
すこぶる甘やかした。
時機にティアナは第一王子の婚約者に選ばれ
周りはちやほやもてはやした。
そんな環境の中で育ったティアナは
我儘で傲慢な悪役令嬢へと近づいていった。
そんなティアナの前に光属性を持つアリスが現れる。
魔力を持つ人は
地・風・水・火・光・闇の属性に分かれ
その中でも闇属性は希少で
闇属性を持つものは髪や瞳に黒の色を持つ。
闇属性の所以は魔族と人間の混血とされ
百数年までは迫害されていた。
ドントゥール侯爵家は戦力での仕上がり
圧倒的な強さで今の地位を築いた。
闇属性よりさらに希少とされるのが光属性。
治癒魔法を使えることから羨望の対象となり
国からも大変重宝される。
光属性を持つ者だけが聖職者に就けるのだ。
平民だったヒロインが
ライトロード魔法学院に通えたのも
光属性のおかげである。
婚約者である第一王子や
存在が目立つ攻略対象者達に
ちやほやされるアリス。
次第にティアナはアリスを蔑みいじめる様になり
そこからはお決まりのパターン。
アリスを殺害しようとして捕まり婚約破棄。
ティアナをかばう父により
命は守られるが爵位は剥奪。
娘を放っておけない父は、
逆光を乗り越え魔法の天才と呼ばれる様になる
ギルベルトを後継とし
ティアナと一緒に家を出るのだ。
前世を思い出す前のティアナならともかく
うん十年を日本人のOLとして過ごしてきた
私としては平民になることに抵抗はないが
大好きなお父様まで巻き込みたくはない。
たしかに甘やかせ過ぎだったとは思うけど。
前世社会人の私としては
悲しい過去と過酷な任務に同情してしまう。
もう一度
鏡の前に立って自分を見てみる。
手入れのされたさらさらで輝く金色の髪。
海のように深いブルーの瞳。
全身手入れされた肌は
にきびや吹出物はもちろんシミひとつない。
今はつるぺた美少女だけど
ゲームの世界で見た将来の私は
迫力ある巨乳美女に育つことを知っている。
あんな環境でこのまま育っていればきっと
ゲームの世界みたいな悪役令嬢になっていただろう。
幸いにも私は、前世大人の記憶を得た。
倒れた時は混乱したけど、
今は "前世の記憶" と "ティアナの6年間" が
うまく融合されている。
きっと断罪ルートは回避できる。
お父様が持ってきてくれた
すりおろし林檎と氷をまぜたフローズンに口を潤し
私は深い眠りについた。
クロウド公爵家の一人娘。
ライトロード魔法学院で出会った両親は
惹かれあい恋に落ちた。
代々王国に仕える魔法騎士家系の父は
四属性を持つ天才魔法使いで
幼い頃から次期後継者として育った。
そんな父の相手に地属性で魔力も弱い
伯爵家令嬢である母は受け入れられなかった。
父は天才魔法使いの才覚を見せ
魔法学院を卒業すると同時に
後継者の座を実力で勝ち取った。
親の反対を押し切って強引に結婚したのだ。
この時、両親を辺境へ追いやったのが災いした。
辺境の森で魔獣の襲撃があり
父は戦場に呼び出されていた。
この時、母は私を身ごもっており
3週間も前に急に産気づいたのだ。
戦場へ知らせが届いたのは母が亡くなった翌日だった。
私も、生死の境を彷徨ったらしいが
何とか奇跡的に生還することができた。
父は国王の専属護衛であり王国騎士団を束ね
生活のほとんどを国王の元 王城で過ごす。
そんな経緯もあいまって
一人娘のティアナを溺愛し
すこぶる甘やかした。
時機にティアナは第一王子の婚約者に選ばれ
周りはちやほやもてはやした。
そんな環境の中で育ったティアナは
我儘で傲慢な悪役令嬢へと近づいていった。
そんなティアナの前に光属性を持つアリスが現れる。
魔力を持つ人は
地・風・水・火・光・闇の属性に分かれ
その中でも闇属性は希少で
闇属性を持つものは髪や瞳に黒の色を持つ。
闇属性の所以は魔族と人間の混血とされ
百数年までは迫害されていた。
ドントゥール侯爵家は戦力での仕上がり
圧倒的な強さで今の地位を築いた。
闇属性よりさらに希少とされるのが光属性。
治癒魔法を使えることから羨望の対象となり
国からも大変重宝される。
光属性を持つ者だけが聖職者に就けるのだ。
平民だったヒロインが
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光属性のおかげである。
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ちやほやされるアリス。
次第にティアナはアリスを蔑みいじめる様になり
そこからはお決まりのパターン。
アリスを殺害しようとして捕まり婚約破棄。
ティアナをかばう父により
命は守られるが爵位は剥奪。
娘を放っておけない父は、
逆光を乗り越え魔法の天才と呼ばれる様になる
ギルベルトを後継とし
ティアナと一緒に家を出るのだ。
前世を思い出す前のティアナならともかく
うん十年を日本人のOLとして過ごしてきた
私としては平民になることに抵抗はないが
大好きなお父様まで巻き込みたくはない。
たしかに甘やかせ過ぎだったとは思うけど。
前世社会人の私としては
悲しい過去と過酷な任務に同情してしまう。
もう一度
鏡の前に立って自分を見てみる。
手入れのされたさらさらで輝く金色の髪。
海のように深いブルーの瞳。
全身手入れされた肌は
にきびや吹出物はもちろんシミひとつない。
今はつるぺた美少女だけど
ゲームの世界で見た将来の私は
迫力ある巨乳美女に育つことを知っている。
あんな環境でこのまま育っていればきっと
ゲームの世界みたいな悪役令嬢になっていただろう。
幸いにも私は、前世大人の記憶を得た。
倒れた時は混乱したけど、
今は "前世の記憶" と "ティアナの6年間" が
うまく融合されている。
きっと断罪ルートは回避できる。
お父様が持ってきてくれた
すりおろし林檎と氷をまぜたフローズンに口を潤し
私は深い眠りについた。
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