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歌をわすれた さち子さん
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ぼくの働いているデイサービス「木陰」にはカラオケ大好きのさち子さんがいる。
朝お迎えに行くと、いつも何処にいくの~?」と聞いてくる。
「デイサービスだよ」
さち子さんはいつも大声で歌う。テンポは速いから画面の文字の色が変わる前に歌い終わってしまうけど、とても楽しそう。
でもさち子さん。いつも自分が歌える歌を忘れてしまう。
歌のタイトルも、自分が歌えることも忘れてしまっている。
「わたし歌なんかひとつも歌えない!」が口癖。
曲を流しても「わたしこんな歌しらんわ!」っていつも言う。
イントロが終わり、歌詞が出てきた。さち子さんはマイクを手に取り歌い始める。
テンポは外れている、でも音程はあっている。楽しそうにしっかりと歌う。
歌い終わると満足げに、「わたしこんな歌うたったの初めて。でも歌えた!」って大喜びする。
毎回デイサービスに来るたびにこんなやり取りがスタッフと行われる。
さち子さん。これからも知らないと思っている歌を楽しそうに歌ってね。
朝お迎えに行くと、いつも何処にいくの~?」と聞いてくる。
「デイサービスだよ」
さち子さんはいつも大声で歌う。テンポは速いから画面の文字の色が変わる前に歌い終わってしまうけど、とても楽しそう。
でもさち子さん。いつも自分が歌える歌を忘れてしまう。
歌のタイトルも、自分が歌えることも忘れてしまっている。
「わたし歌なんかひとつも歌えない!」が口癖。
曲を流しても「わたしこんな歌しらんわ!」っていつも言う。
イントロが終わり、歌詞が出てきた。さち子さんはマイクを手に取り歌い始める。
テンポは外れている、でも音程はあっている。楽しそうにしっかりと歌う。
歌い終わると満足げに、「わたしこんな歌うたったの初めて。でも歌えた!」って大喜びする。
毎回デイサービスに来るたびにこんなやり取りがスタッフと行われる。
さち子さん。これからも知らないと思っている歌を楽しそうに歌ってね。
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