魔石と神器の物語 ~アイテムショップの美人姉妹は、史上最強の助っ人です!~

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お仕事紹介

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「魔法堂 白銀の翼」の美人姉妹に、なぜか気に入られた一つ星ハンターのライナスは、魔道具「ブラックストレッチインナー+3 (通称:黒蜥蜴)」と「アドバンスド・アウル・アイ +2(通称:黒梟)」という強力なアイテムを、モニターとはいえ、無料で借り受けることができた。

 また、中古ながらきちんと整備された「ダガーナイフ +1」を格安で購入したが、これでほとんど資金を使い切ってしまい、あと2、3回安宿に泊まるだけで無一文になるところまで追い込まれてしまった。

(ただし、このダガーナイフは、不要になれば同じ値段で買い取ってくれるという、姉妹の好意のものだった)。

 いざとなれば、日雇いの肉体労働など、ハンター以外の仕事をすれば生活はしていけるものの、それではこの街に来た意味が無い。

 そこで、翌日の午後、ミクが一緒にハンターギルドで割の良いハンターの仕事を一緒に探してくれることになった。

 彼女によれば、以前受けた「星なしの冒険者複数の護衛」など、報酬が少ない上に危険を伴う論外なものらしい。

 ライナスにとって同い年ではあるが、この町に以前から住み、アイテムショップを姉と共同経営していて、冒険者と接する機会が多い彼女の方が経験豊富であることは間違いない。
 ライナスは素直に彼女の意見に従うことにした。
 二人で冒険者ギルドの依頼掲示板を見ているときだった。

「……あ、グリントさん! お久しぶり!」

「……なんだ、『白銀の翼』のミク嬢ちゃんか……彼氏とデートか?」

 グリントと呼ばれた、体格の良い、厳つい顔の三十代後半ぐらいの男が、ライナスをチラリと見ながらミクにそう返事をした。

「あははっ、そんなにいいものじゃないです。新規のお客様に、割のいい仕事を紹介しようとしているところです」

「へえ、そりゃまた商売熱心だな……ふうん、確かに、初めて見る顔だな」

 グリントが、ライナスを一瞥してそう話す。
 このとき、ライナスは仕事があればすぐにでも冒険に出られるように、背中に両手持ちの長剣「ツーハンデッドソード」を装備、そして革鎧を金属板で強化したブリガンダインを装着している。
 
 その下に「ブラックストレッチインナー+3(通称:黒蜥蜴)」を着込んでいるが、これが魔導コンポアイテムだと気づくものはまずいない。

 ちなみに、これは先日までミクが来ていたものだ。
 下着の上に直接付けていたということで……借りる前に洗濯はしてくれていたのだが、肌に密着することもあり、ライナスとしては最初少し照れるような、困惑するような、そんな感覚に陥っていた。

「……まだギルドに登録したばかりってところか?」

 装備が貧弱である、ということを言いたいのだろう。
 実際、鎧も剣の鞘も傷だらけで、少なくとも「魔導コンポ」を装着しているようには見えない。

「はい、それはそうですが、一応星一つ持っています」

「星持ち、だと? ……ギルドの剣技試験で合格したっていうことか?」

 通常、冒険者ギルドに登録したものが一人前の証である星を得るためには、ある程度依頼をこなさないと認められないのだが、特例として優れた剣術や技術があるものは、それが試験管に認められれば直ちに星が得られる制度があった。

「はい、その通りです」

「なるほど……剣技を習得したどこかの下級騎士の次男か三男が、一山当てるために冒険者になったってところか」

「……まあ、そんなところです」

 下級騎士、という言い方は、特に蔑称ではない。この国におけるそういう階級制度であり、少なくとも家柄的には平民より上だ。

 ちなみに、グリントの方は鈍く輝くラメラ・アーマーを装着しており、質感も高く、一目でかなり高価な魔導コンポを装着していることが見て取れる。

 鞘に収まった剣は、実際の刀身が見えないにもかかわらず、ものものしい雰囲気を漂わせていた。
 また、一緒にいるメンバーも、ライナスの目からはかなりの実力者に思えた。

 一人は、ライナスやグリントほどの身長はないものの、肩幅が広く、非常にがっしりとした体型で、背中に大きなバトルアックスを、腰にはハンドアックスを装着している。

 身に纏っているのは板金鎧で、同じく魔導コンポ内蔵品だ。
 さらに、革鎧を身に纏った女性が二人。

 一人は二十代後半、もう一人は二十代半ばぐらいに見える……二人とも、その物腰が冒険者として場慣れしている印象だった。

「ライ君、この人達、凄いんですよ。グリントさんは三つ星ハンターです!」

「三つ星!? す、凄い!」

 イフカの冒険者ギルドには、一万人以上の冒険者が登録しているが、三つ星以上を持つハンターは百人に満たない。つまり、彼は上位1%に入っていることになる。

「他の皆さんも、全員二つ星持ってて……あ、そうだ! グリントさん、ライ君……この青年、ライナスさんに仕事、紹介してもらえませんか? ちょうど、信頼の置ける、しかも実力のあるパーティーに同行させてもらえるものがないか、探していたんです!」

 ミクが弾むようにそう声をかけた。

「……星一つ持っているとはいえ、初心者ハンター、か……装備も貧弱だが……ちょうど、俺たちも新しく挑むダンジョンの『荷物持ち』を探していたところだ。前にも一つ星の奴を雇ってたんだが、俺たちについていけないって逃げちまったからな……分け前は、俺たちが全員で稼いだ額の十分の一だ。ミク嬢ちゃんの紹介だ、それで良ければ雇ってやる。なあに、俺たちの後ろに荷物を持って付いてきてきて、逆に後方から襲いかかかってきた魔物がいたら足止めしてくれりゃいい」

「本当ですか! それで雇ってもらえるなら、是非お願いします!」

 ライナスが、間髪入れず嬉しそうに声を上げた。

 それが、経験不足による甘い考えなのか、あるいは確かな剣技に裏打ちされた自信なのか――この時点では、グリントの予想は大方前者だろうと考えていた。

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グリントパーティー紹介:

名前:グリント (男性) 年齢:三十代後半
スタイル:片手持ち剣士
身長:1.85メール
ランク:三つ星ハンター
主な所有アイテム
メイン武器:クリューガ・グラディウス +4
補助武器:ダガーナイフ +3
鎧:ラメラ・アーマー +3
盾:クリューガ・ライトシールド +3
補助魔道具:エコーイヤホン +2

名前:ゲッペル (男性) 年齢:四十代後半
スタイル:戦斤使い
身長:1.75メール
ランク:二つ星ハンター
主な所有アイテム
メイン武器:クリューガ・バトルアックス +3
補助武器:クリューガ・ハンドアックス +3
補助武器:ダガーナイフ +2
鎧:プレートメイル +3
補助魔道具:エコーイヤホン +2

名前:コルト (女性) 年齢:二十代後半
身長:1.65メール
スタイル:攻撃系魔導コンポーザー
ランク:二つ星ハンター
主な所有アイテム
メイン魔道具:スタッフ・オブ・スイフタブルハイブリッド +3
補助武器:ダガーナイフ +2
鎧:レザーアーマー +3
補助魔道具:エコーイヤホン +2

名前:サーシャ (女性) 年齢:二十代半ば
身長:1.65メール
スタイル:支援系魔導コンポーザー
ランク:二つ星ハンター
主な所有アイテム
メイン魔道具:スタッフ・オブ・アクアブルハイブリッド +3
補助武器:ダガーナイフ +2
鎧:レザーアーマー +3
補助魔道具:エコーイヤホン +3

(新規一時加入)
名前:ライナス (男性) 年齢:十六歳
身長:1.85メール
スタイル:両手持ち剣士
ランク:一つ星ハンター
主な所有アイテム
メイン武器:ツーハンデッドソード (ノーマル)
補助武器:ダガーナイフ +1
鎧:ブリガンダイン (ノーマル)
補助魔道具:エコーイヤホン +1
(秘密の装備)
ブラックストレッチインナー+3(通称:黒蜥蜴)
アドバンスド・アウル・アイ +2(通称:黒梟)
アミュレット・オブ・ザ・シルバーデーヴィー(呪い発動中)

※エコーイアホンは短距離での仲間との通信、および敵探索用の補聴器
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