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第25話 姉妹!?
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「パパ活」で知り合ったばかりの、魔法が使えるという孤児院出身の新米ハンター、ユア。
俺のことを気に入ってくれたのか、それとも単に「三ツ星ハンター」ということに興味を持ったのか、もう一人、女の子を紹介してくれるという。
とりあえず、お茶と軽食をおごってあげた店を出る。
この時点で、お手当の五千ウェンは渡してあった。
「……ひょっとして、今から会うって言う女の子にも、お手当払う必要があるのか?」
「私が紹介するのだから、無理にとは言わないけど、そうしないと拗ねるかも。でも、すごく可愛い子だから、お小遣いあげて仲良くなっておくと損はないと思うよ」
……なんか理不尽な気はするが、可愛い女の子にお小遣いをあげて仲良くなるのがパパ活の醍醐味みたいなものだから、それはそれでありか。
……だめだ、俺の頭がだんだん「パパ」色に染まり始めている……。
道中、話をしながら歩く。
なんでも、格安のボロアパートの狭い一室を、二人で共同で借りているのだという。
家賃は月、三万ウェン。一人頭、一万五千ウェンだ。
なるほど、そう考えるとパパと食事して五千ウェンもらえるとどれだけ助かるかが分かる。
賑やかな大通りを、俺みたいなアラフォーのおじさんと十代の若い娘が並んで歩くのはちょっと気が引けたので、やや寂れた裏通りを歩く。
俺がそこそこハンターに顔を知られた存在っていうこともあり、知り合いに見つかりたくないっていうこともあった。
しかし、たまたま前から歩いてきた、フードを深くかぶった三人組と目が合ったとき、そのうちの一人が、
「ハヤトさん! こんなところで会うなんて、奇遇ですね!」
と駆け寄ってきた。
そしてその声と目の輝き、フードをかぶってなお溢れ出る金色のオーラで、すぐにそれが誰だか分かった。
「……ミリアか。どうしてこんな寂れた道を歩いているんだ?」
「それが、その……最近、大通りを歩いてたら、結構騒ぎになるようになってて……」
「ああ、そういうことか……今やこの街で、最も話題の女優だからな……」
すぐ側に立つ二人の男女を見やる。
一人は護衛の者だろう、大柄の男で、かなりの手練れのように見受けられる。
そしてもう一人は、ミリアより少しだけ背の高い女性だ。めがねを掛けていて、三十歳ぐらい。キャリアウーマン、といった印象だ……お付きの人だろうか。
とにかく、もはやミリアは、お供を引き連れて歩く身分になっているのだ。
「カラレルさん、こちらの方は……」
「存じております。三ツ星ハンターのハヤト様ですね。うちの所属女優、ミリアがいつもお世話になっております。私、ミリアのマネージャーのカラレルと申します。以後、お見知りおきを。こちらの者は、ボディーガードのデルタです」
カラレルという名の女性は、笑顔を見せず、事務的に挨拶をしてきた。
どうやら、俺は歓迎されていないらしい……まあ、当然か。一緒に住んでいたことがある、なんて話が広まったら、スキャンダルになりかねない。
もう一人の、デルタという名の男は、特に表情や態度を変えず、一言も発しない。危険はないと思っているのだろう。
「……なんか、俺はあまり歓迎されてないみたいだな」
「そんなことないですよ。私はこの裏通りでお会いできたことも運命だと思っています。そちらの方は……ひょっとして、『活動』で知り合ったのですか?」
ミリアは、ユアを見て、やはりあまり警戒のないままそんなことを聞いてきた……有名になってもミリアはミリアだ、天真爛漫ゆえの危うさも持っている。カラレルさんが頭痛そうにしていた。
「うん、まあ……そんなとこだ」
「やっぱり! じゃあ、私たちは『姉妹』ですね! あの、私、ミリアっていいます。役者やってます! よろしくお願いしますね!」
笑顔でそう言って、強引に握手するミリア。
「えっ、あの……私、ユアです。よろしく……」
訳の分からないまま、つられて両手で握手に応じるミリア。
しかしすぐに、マネージャーのカラレルさんにたしなめられ、さらにはみんな待っているから、と急かされた。
「ごめんなさい、もう行かないといけないので……ハヤトさん、またゆっくり食事しましょうね!」
そう言って、手を振りながら去って行った……うん、あの子は今でも、俺のことをそれなりに慕ってくれているんだな……。
ミリアの後ろ姿を見送る俺に、ユアが、呆れと驚きの入り交じった目で見ていた。
「……今のって、劇団ラージュのミリアよね?」
「知ってたのか?」
「うん、一度、アイナ……ルームメイトの女の子と、なけなしのお金をはたいて見に行ったことがあったから……凄く感動したけど、どうしてあんな有名な女優と知り合いなの? それに、姉妹って……まさか!?」
「……まあ、なんとなく想像できてるんだろうが……絶対秘密だぞ。ミリアは以前、『パパ活』をしていたんだ。君と同じように、な……」
ユアは、ますます目を大きく見開いて驚いていた。
俺のことを気に入ってくれたのか、それとも単に「三ツ星ハンター」ということに興味を持ったのか、もう一人、女の子を紹介してくれるという。
とりあえず、お茶と軽食をおごってあげた店を出る。
この時点で、お手当の五千ウェンは渡してあった。
「……ひょっとして、今から会うって言う女の子にも、お手当払う必要があるのか?」
「私が紹介するのだから、無理にとは言わないけど、そうしないと拗ねるかも。でも、すごく可愛い子だから、お小遣いあげて仲良くなっておくと損はないと思うよ」
……なんか理不尽な気はするが、可愛い女の子にお小遣いをあげて仲良くなるのがパパ活の醍醐味みたいなものだから、それはそれでありか。
……だめだ、俺の頭がだんだん「パパ」色に染まり始めている……。
道中、話をしながら歩く。
なんでも、格安のボロアパートの狭い一室を、二人で共同で借りているのだという。
家賃は月、三万ウェン。一人頭、一万五千ウェンだ。
なるほど、そう考えるとパパと食事して五千ウェンもらえるとどれだけ助かるかが分かる。
賑やかな大通りを、俺みたいなアラフォーのおじさんと十代の若い娘が並んで歩くのはちょっと気が引けたので、やや寂れた裏通りを歩く。
俺がそこそこハンターに顔を知られた存在っていうこともあり、知り合いに見つかりたくないっていうこともあった。
しかし、たまたま前から歩いてきた、フードを深くかぶった三人組と目が合ったとき、そのうちの一人が、
「ハヤトさん! こんなところで会うなんて、奇遇ですね!」
と駆け寄ってきた。
そしてその声と目の輝き、フードをかぶってなお溢れ出る金色のオーラで、すぐにそれが誰だか分かった。
「……ミリアか。どうしてこんな寂れた道を歩いているんだ?」
「それが、その……最近、大通りを歩いてたら、結構騒ぎになるようになってて……」
「ああ、そういうことか……今やこの街で、最も話題の女優だからな……」
すぐ側に立つ二人の男女を見やる。
一人は護衛の者だろう、大柄の男で、かなりの手練れのように見受けられる。
そしてもう一人は、ミリアより少しだけ背の高い女性だ。めがねを掛けていて、三十歳ぐらい。キャリアウーマン、といった印象だ……お付きの人だろうか。
とにかく、もはやミリアは、お供を引き連れて歩く身分になっているのだ。
「カラレルさん、こちらの方は……」
「存じております。三ツ星ハンターのハヤト様ですね。うちの所属女優、ミリアがいつもお世話になっております。私、ミリアのマネージャーのカラレルと申します。以後、お見知りおきを。こちらの者は、ボディーガードのデルタです」
カラレルという名の女性は、笑顔を見せず、事務的に挨拶をしてきた。
どうやら、俺は歓迎されていないらしい……まあ、当然か。一緒に住んでいたことがある、なんて話が広まったら、スキャンダルになりかねない。
もう一人の、デルタという名の男は、特に表情や態度を変えず、一言も発しない。危険はないと思っているのだろう。
「……なんか、俺はあまり歓迎されてないみたいだな」
「そんなことないですよ。私はこの裏通りでお会いできたことも運命だと思っています。そちらの方は……ひょっとして、『活動』で知り合ったのですか?」
ミリアは、ユアを見て、やはりあまり警戒のないままそんなことを聞いてきた……有名になってもミリアはミリアだ、天真爛漫ゆえの危うさも持っている。カラレルさんが頭痛そうにしていた。
「うん、まあ……そんなとこだ」
「やっぱり! じゃあ、私たちは『姉妹』ですね! あの、私、ミリアっていいます。役者やってます! よろしくお願いしますね!」
笑顔でそう言って、強引に握手するミリア。
「えっ、あの……私、ユアです。よろしく……」
訳の分からないまま、つられて両手で握手に応じるミリア。
しかしすぐに、マネージャーのカラレルさんにたしなめられ、さらにはみんな待っているから、と急かされた。
「ごめんなさい、もう行かないといけないので……ハヤトさん、またゆっくり食事しましょうね!」
そう言って、手を振りながら去って行った……うん、あの子は今でも、俺のことをそれなりに慕ってくれているんだな……。
ミリアの後ろ姿を見送る俺に、ユアが、呆れと驚きの入り交じった目で見ていた。
「……今のって、劇団ラージュのミリアよね?」
「知ってたのか?」
「うん、一度、アイナ……ルームメイトの女の子と、なけなしのお金をはたいて見に行ったことがあったから……凄く感動したけど、どうしてあんな有名な女優と知り合いなの? それに、姉妹って……まさか!?」
「……まあ、なんとなく想像できてるんだろうが……絶対秘密だぞ。ミリアは以前、『パパ活』をしていたんだ。君と同じように、な……」
ユアは、ますます目を大きく見開いて驚いていた。
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