一行日記 2024年10月 🎃

犬束

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10月15日(火)

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・映画『プレイス・イン・ザ・ハート』

 大恐慌時代のアメリカ南部、保安官が黒人の少年に銃で撃たれて亡くなり、妻と二人の幼い子供が残される。少年はたちまち処刑されて木に吊される。殉職しても、保険も年金ももらえる時代でなし、家のローンはあるしで、生活はたちゆかない。銀行は、家を売って子供を夫の親戚に預け、自身は姉の家に身を寄せるようヒロインに提言する。
 が、彼女は拒否し、家と家族を守ろうとする。

 仕事を求めて流れて来た黒人男性モーゼスに、畑があるなら綿花を植えたら儲かる、と提案され、彼と一緒に栽培を始める。
 銀行員から、下宿人を置けば収入が安定するからと勧められ、盲目の退役軍人である行員の弟を住まわせることにする。彼は椅子と箒作りの職を持っている。

 この弟を演じるのが、若きジョン・マルコビッチで、繊細で聡明で気難しくて、でも徐々に心をひらいて、誰にも気さくに接するようになるし、素晴らしかった。美しかった。

 アベンジャーズみたいに、いわゆる社会的弱者が集結し、立ち向かってゆくのね、頼もしい、と思いながら観てたのでした。

 綿花の価格が暴落し、銀行への支払いが難しくなる。そこで、綿花の収穫一番乗りに与えられる賞金を目指し、ひとを雇い、徹夜で収穫し、一番乗りの賞金を手にする。

 が、綿花の種の買い付けの時から、ヒロインが騙されないよう助言するモーゼスを忌々しく思っていた近隣の男達が、KKKと化して、彼に制裁を加えようとする。そこにマルコビッチが現れて、男達の声を聞き分けて彼らの名を呼び、気勢をそがれた彼らは去って行くが、再び襲撃することを言い捨てる。

 翌日、ヒロインに別れを告げるモーゼス。彼女は彼に「何もない土地から、一番乗りで収穫したのは、あなたの手柄だ」と告げる。

 次のシーンは、教会のミサ。牧師さんのお説教。讃美歌の歌われるなか、回されるポップコーン(に、見えたのですが。聖体のパンの代わりかと)とワイン。一人ずつ、カメラがその顔を追って行く。善良な父、夫であると同時に、KKK団でもあろうと思しき男たち。
 後ろのベンチが写されてると、モーゼスも坐っている、隣がマルコビッチ、子供たち、ヒロイン、殺されたはずの夫、そして最後に処刑された黒人の少年。
 誰かの見た、あるいは思い描いた夢なのか、祈りか、もしくは、ありえたはずの日常なのか。

 いやぁ、主役のサリー・フィールド(アカデミー主演女優賞受賞)よりも、マルコビッチに注目してしまったわぁ。

・晩ごはんは、久しぶりにお刺身🐟🥢

・アイスはジャイアントコーン。美味い!

・明日は雨が降るのかな。
 さっさと読まない漫画や小説やを箱詰めして、ブックオフにおくらなきゃ📦




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