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行かなくちゃ
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「もしもし…晶兄様、悪いけど今あんまり話せる状態じゃ…」
「千景!今俺の部屋にみさちゃんが大泣きして来とるんやけどなんかあったんか!?」
みささんにバレないようにしているのか、小声だ。だけど事態ははっきりと伝わった。みささんが、大泣きしてる…。さっきあったことをしどろもどろになりながらも伝える。晶兄様がはーっと大きくため息を吐いた気配が伝わった。
「あー、そういう事、な…あーはいはい、晶兄さんにはお見通しやで~千景、今からちょっと黙っとれ。ええな?」
「え、う、うん…」
思わず身が強ばる。何が起こるのかとドキドキしてスマホを耳にさらに近づけた。
「みさちゃん、ほら、もっかい何があったか、落ち着いて晶兄ちゃんに話してみい」
「ぐすっ、ぐすっ、ち、千景くんに告白されて、断ったんです…」
「おん、おん、それで?」
「私もっ、千景くんが好きだけどっ、千景くんにはきっともっと家柄もある人の方がお似合いでっ、私なんかと一緒になったら、彼の将来の可能性まで潰しかねないっ、だからっ、断ったけどっ…千景くん、傷ついた顔してました。私はこんなに好きなのにっ、傷つけっ、ちゃったっ!!!もうどんな顔して会えばいいのかっ、分からないっ…」
「おーおー、よう話せたなあ、いい子いい子。千景の将来を気遣ってやったんやな。優しいなあ、みさちゃんは」
そこで電話はプツリと切れた…行かなくちゃ、晶兄様の部屋に、行かなくちゃ!!!
全速力で屋敷内を走って、晶兄様の部屋のドアを開け放つ。
「千景!今俺の部屋にみさちゃんが大泣きして来とるんやけどなんかあったんか!?」
みささんにバレないようにしているのか、小声だ。だけど事態ははっきりと伝わった。みささんが、大泣きしてる…。さっきあったことをしどろもどろになりながらも伝える。晶兄様がはーっと大きくため息を吐いた気配が伝わった。
「あー、そういう事、な…あーはいはい、晶兄さんにはお見通しやで~千景、今からちょっと黙っとれ。ええな?」
「え、う、うん…」
思わず身が強ばる。何が起こるのかとドキドキしてスマホを耳にさらに近づけた。
「みさちゃん、ほら、もっかい何があったか、落ち着いて晶兄ちゃんに話してみい」
「ぐすっ、ぐすっ、ち、千景くんに告白されて、断ったんです…」
「おん、おん、それで?」
「私もっ、千景くんが好きだけどっ、千景くんにはきっともっと家柄もある人の方がお似合いでっ、私なんかと一緒になったら、彼の将来の可能性まで潰しかねないっ、だからっ、断ったけどっ…千景くん、傷ついた顔してました。私はこんなに好きなのにっ、傷つけっ、ちゃったっ!!!もうどんな顔して会えばいいのかっ、分からないっ…」
「おーおー、よう話せたなあ、いい子いい子。千景の将来を気遣ってやったんやな。優しいなあ、みさちゃんは」
そこで電話はプツリと切れた…行かなくちゃ、晶兄様の部屋に、行かなくちゃ!!!
全速力で屋敷内を走って、晶兄様の部屋のドアを開け放つ。
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