【急募】4人同時に求婚してきた時の対処法～クセの強い彼らに溺愛されて困ってます～

カオス

ペンションから帰ってきてから一週間。僕達兄弟は何故か兄様の部屋に集められていた。部屋へ来たのはどうやら僕が最後らしい。思い思いに部屋で兄様方は寛いでいる。

「おっ千景～遅いやん」
「別に時間を指定していた訳では無いから問題ないよ…さて、全員が集まったね。各々、これから何が起こるかはわかっていると思う。存分に自分の成果を発揮してくれ」
「いやいやちょっと待って兄様！？僕何も知らされてないんだけど！？」
「おや、綺羅に伝達をお願いしたはずだが」

視線が綺羅兄様に集まる。

「…てへっ、忘れちゃったあ☆」
「はあ、綺羅、これ大事なこと。ちゃんと千景にも伝えなきゃ、フェアじゃない」

え！？咲夜兄様が諌めた！？そ、そんなに重大なことなのか…よくよく見れば、ただ寛いでいるだけだと思った兄様方はパソコン片手に資料らしきものを大量に持っている。なんだこれは…！？何が始まるんだ！？
僕が身構えていると、晶兄様がしゃーないとでも言うように立ち上がって、エアマイク片手に叫び出した。

「神ノ杜兄弟バトル第2回戦！！！題して！！！みさちゃんに似合う水着は何か！！！」
「ひゅーひゅー」
パチパチパチと拍手が起こる…は？

「え、待ってください兄様、それのために僕まで集められたとか言いませんよね？」
「え、そうだけど？」
「伝え忘れてごめんねえ千景」

…この屋敷には深刻なくらいツッコミが不足しているようだ。
僕の憂いなど構いもせず、兄様達はホワイトボードを引っ張り出す。

「じゃあ順番は事前に伝えた通り綺羅からで、はい、3分ね」
「いやルール細か」

突然綺羅兄様がざっと立って話し始めた。

「僕が推す水着は～～～これ！！！」

バンとホワイトボードに貼りだされたのはオフショルダーのフリルが大きくあしらわれている黒色のトップスに、パイナップル柄のハイウエストのボトムスの水着だった。

「いい？まずみさちゃんは自分が巨乳なことを気にしてる。そんな彼女にはこのトップス！！！フリルが大胆にあしらわれてるから胸の大きさは隠せるし、何より今年の流行はオフショルにハイウエスト！ハイウエストならみさちゃんもそこまでお腹見せずに済むし恥ずかしがる必要も無い！みさちゃんは背が高くてスタイルがいいからね～ハイウエストが映えるよ絶対」

え、普通に可愛いと思うが…兄様達をちらりと見る。みんな真剣な顔だ。咲夜兄様なんてわざわざノートまで取っている…いや、何この真剣さ。兄たちには申し訳ないが付き合ってもない女の子の水着にこんなに必死になるとちょっと…いやかなり気持ち悪い。

「はい！綺羅でした！」
「2分58秒…仕上げてきたね。いい発表だった」

拍手が沸き起こる…は、拍手しとけばいいのか？？？